<   2018年 03月 ( 6 )   > この月の画像一覧


第88回 3月(弥生)アジサイ

ついこの間、ウメがチラホラ咲き出したと思ったら、2月の終わりには、もう満開になり散り始め、サクラの季節に変わっていく。春の季節はめまぐるしい。

冬の間は干からびた茶色の茎ばかりが目立って冴えなかったアジサイも、新芽を伸ばし次々と葉を広げていく。ツボミを持つのはどこから伸びた新芽? 古い枝は次第に枯れこんで、新しい枝に世代交代しながら育っていくのを確かめよう!

b0199122_21004530.jpg

花の命は意外に短い。ハイビスカスの仲間やキスゲなどは、1日花。次々と咲いてくれるから、けっこう長い間、咲き続けているように見えても「花の命は短か過ぎ」といつも思う。

乾燥地帯に咲く植物の中には、たった1回の降雨を最大限に活用して、タネから芽を伸ばして花を咲かせ実を結び、2か月足らずで一生を完結するものもあるのだそうだ。

そのたった1日の開花を待っていて受粉に飛び回る昆虫の暮らしもあるわけで、それにくらべれば、人生ってすごく長いのを実感しますねェ。

「いつの季節にも、感じのいい植物って何ですか?」と、難しい質問の返事に苦労する。これって、見る側の感受性の問題なんだと思うのだけれど。

レストランなどにランの花などが飾ってあると、あれ、造花じゃないのかな、などと触って確かめたりする。最近は本物そっくりの精巧な造花が増えてきた。窓の目隠しに、まがい物のツタみたいな葉っぱが目立つようになったのがわびしい。でもそれが市販されて商売として成立するのは、そうは思わない人の比率が高まっているから売るということなのでしょうね。四季の変化があって、それぞれに違った表情を見せる。それを楽しむような感性が期待されるのに!

この間、冬木立の林を何人かで散歩したことがありました。「冬の林って、いいですねえ」と、いつもはあまり感情表現しない人にいわれて、思わず、その人の横顔を眺めてしまった!

アジサイの花、花が終わった頃から微妙な色合いの緑色っぽい感じに徐々に変化していく。いけばなの花材として花屋さんに並んでいたりします。

冬芽はかなりでかいです。枝先の大きな冬芽がたぶん花芽です。春が近づくにつれて緑の新芽が伸びていく。そんな季節変化を楽しみたいものです。


[PR]

by midori-kai | 2018-03-21 20:56

あれから7年の三番瀬、柏井の実習林を久しぶりに 高 野 史 郎

3月というと、あの311の地震を思い出す。あの時、ちょうど市川駅から西に向かい、江戸川土手のカワヅザクラの開花状況を確かめようと車で走っていた。電線が大きく揺れていた。一瞬、ビル風のせいかな、と思った。川沿いのマンションからおばあちゃんがヨタヨタと転ぶように出てきて、「揺れるよう!」と通行止めの棒にしがみついていた。

市役所に戻ったら、ロッカーから書類の山が流れ出して大変だったという。すばやく建物から外へ、非難した人もいたらしい。

それから数日間、気がかりな場所を自転車で走り続けた。市川には急斜面の崖地で、そこに巨木が傾いて生えている場所が多い。たとえば、宮久保の白幡神社から三面大黒天のあたり、奉免町の第六天(神明社)の周辺、柏井町の唱行寺などなど。周辺ぎりぎりまで宅地として開発され、崖の下がすぐに民家になっているところもある。

根の部分の土がえぐられ、幹は枝葉と共に日の当たるほうに大きく傾いていて、辛うじて重力に耐えているところが何か所もある。倒れた巨木が道をふさいで、非難の的になっているのではないか?

翌日からは市川北部、そして行徳方面から砂が噴出したと伝えられる浦安市の海岸の方向へと、走り続けた。浦安市の市制施行は昭和564月だったはず。今は元町・中町・新町と3区分されているが、「青べか物語」以降の埋立地が、市の半分以上を占めているといわれる。

埋立地の造成は、海の沖のほうからパイプで砂まじりの濁水を仕切りの中に流れ込むことから始まる。パイプの先端の吐き出し口を少しずつずらしていくので、乾燥するにしたがっていくつもの小山が出来ていく。その一つ一つが粒の大きさ・重さの違いから新しい土の積み重ねとなり、万遍なく一様に海からの砂が平らにつながって新しい地面を作るのではないらしい。不連続ないくつものかたまりが、途切れた記憶のように、別々に動き出すらしいのだ。

野鳥観察舎のある行徳近郊緑地でも、2m以上もの深い溝があちこちにできた。段々畑のように苦労して水の流れを作っていたのに、土手が崩れてそれから先の修復作業に苦労したという。カワウが暮す池に突き出していた上北岬・下北岬の一方は、道が途切れて離れ島になった。風呂田先生(東邦大学)がそこで潜ったら、身長ほどの深さになっていたとのことだった。

しばらく出かけていなかった市川市東浜先の、三番瀬の砂浜はどうなった? あの場所にも春が来て、ブルドーザーで平らにならされた砂浜にも、海浜植物の新芽が伸び始めてきただろうか? 半年以上も砂浜に下りていなかったので2月末に行ってみた。

二俣新町から南に真っ直ぐ伸びる道路が、船橋市との境界線になっているのだが、潮干狩りで有名になった海浜公園の船橋市側の知名度の高さに対して、市川の知名度は低い。市境の延長線が砂浜にもあるのかどうなのか、イマイチはっきりしない。市川市の領域らしい地域の海浜植物群落のことなど、もうすっかり忘れ去られている。海岸沿いの埋め立てや、第二湾岸道路問題、三番瀬円卓会議があった頃から、もう15年ほどが経つのだ。

海を望む護岸の上から眺める砂浜部分は、イネ科の細い葉の植物たちが亜麻色に広がっていた。ヨシ、ススキなどの群落で、市川側にはガマやオギは見られない。

西側の防潮堤沿いの砂浜部分には海水が流れ込んで、ここにはホソバハマアカザなどが分布していた地域である。それらしい枯葉がわずかに残されていた。北風を防ぐ護岸のすぐ下の陽だまりには、ハマダンコンが結構大きく育っていた。そっと引き抜いてみたら、直根が20cmにも伸びていた。

まだまだ冬景色の中で、クロマツが6本ほど突き出している。一番高いものでは160㎝に育っていた。海岸防風林から飛んできたタネからの芽生えか? ここ5年間の成長の記録でもある。

波打ち際沿いに東に向かって歩く。コウボウシバらしきカヤツリグサ科の緑色が、砂の中から少しだけ見える。潮が引いた後に、大きなミズクラゲが打ち上げられていた。直径が20㎝ほどあり、4つの目玉模様が薄紫色に目だっている。はて、クラゲの婚姻色? クラゲの思春期・繁殖方法はどうなっていたのか、調べてみなくては!

気がかりな柏井町2丁目の市民大学実習林へも出かけて見た。市川市が「まちかど回遊レンタサイクル」を廃止してしまってから、すっかり行動が困難になっている。市川の雑木林は、当然ながら市街地からは離れた場所にある。仕方なく、武蔵野線の船橋法典駅からバスで藤原4丁目方面に向かい、越境してパチンコ屋さん横の細い道から現場に入ることにした。

ここは20年以上も前には、ガールスカウトのメンバーたちと炭焼きキャンプをしていた場所。そして花とみどりの市民大学が開講されてからもう10年ぐらいたつはず。一期生から順次に五期生までが実習林として、ボランティアとして応募した人たちが活動し始めた懐かしい場所である。

この地域もまた、20年以上の移り変りが激しい。小さな水溜りのような池があり、トンボが産卵する場所でもあった。冬の季節、枯れ枝そっくりなホソミオツネントンボが、枝にぶら下がるように止まって越冬する。船橋側にパチンコ屋さんが出来て駐車場が広がり、クヌギ、イヌシデ、コナラなどは根元だけを残してアスファルトに舗装された。雨の日の水の流れを確かめていないのだが、そうした関係もあって、水の流れが大幅に変わったのだろう。

駐車場には、これらの落ち葉が堆積している。駐車する場所だけが枯葉を除去されるから、あちこちに枯葉の山が出来ている。風の日にどうなる? あの落ち葉は土に帰ることもできず、やがて清掃車で焼却場に運ばれることになるのだろう。

市の境らしき所には小さな溝や仕切りがあって、それを越えると急に昔からの雑木林の風景に変わってホッとした気分になった。

説明の看板が立っている。「林の土壌回復のために整備活動をしています」。樹木にとってよい森林環境とするために、林の下にも光がさしこむよう心がけています。ミミズやヤスデなどの生きものがたくさんいるフカフカした土にしていくためです・・・などと書かれていた。

2012年から調査を始めたと書かれているから、もうそれが8年間も続けられているらしいのに気がついた。ご苦労さまなコトです。なんやら、聞いたことのある人たちの名前が記されている。急に気分が明るくなってくる。あまり大勢の人が踏み込んでしまっては困るが、こうした活動をしていることをもっと知ってほしいし、林の中の散策を楽しみにしてくれる人が増えて欲しいと思うことしきり!

順に実習地をまわる。それ以前の、2030年前の風景を思い出す。それぞれの活動グループの性格が現れるのか、看板のアピールの表現方法が違うのも面白い。大風で倒れたオオシマザクラの大木は、かなり枯れこんできたが、枝先は元気そうだから4月になったら改めてお花見にこよう!

畑の奥の五期生の実習林は、船橋法典高のすぐ西隣の場所にある。太いニセアカシヤの幹模様が目についた。下枝は取り払われているから白い花を見るためには、かなり見上げることになるだろう。

この植物、戦後は荒れた林をすばやく緑化してくれる救世主のように宣伝された時代があった。マメ科で葉は蛋白質も多く家畜の飼料になる。幹は燃料に、花はミツバチの蜜源にと。

堀之内の貝塚公園の奥にも、このニセアカシヤがジャングル状態に茂っていたのだが、この時代の名残だったのだろうか? ところが茂りすぎると、砂漠の救世主としてもてはやされたクズと同様に、嫌われる運命をたどることになるらしい。

林の下で、ニワトコが新芽を伸ばし始めていた。その手前の曲がり角、みんなが植えたツバキの苗も大きく立派になって花を咲かせていた。ここにせっかくテーブルや切り株のイスを並べたのだから、楽しんでくれる人が増えて欲しいのに!



[PR]

by midori-kai | 2018-03-21 20:55

第87回 2月(草木張月)モウソウチクとマダケのタケノコ

b0199122_05260690.jpg

もうすぐタケノコが出回ってくるだろう。八千代市の里山講座の時にいただいたモウソウチクとマダケのタケノコ。違い解りますよね。皮をむくと食用になる部分が出てくる。節の数はざっと60ぐらいある。

タケの成長が早いのは、それぞれの節の上部に成長帯と呼ばれる分裂組織があり、その全部の節が伸びていくから。1日に120センチほど伸びるといわれる。20メートルの高さになるのに1か月ぐらいしかかからないというから恐ろしい成長ぶり。すぐに、まわりの樹木よりも高く飛び出してしまう。



[PR]

by midori-kai | 2018-03-19 05:27

手賀沼の野鳥観察と濱野周泰先生の里山講座  高 野 史 郎

23日は節分、季節が移り変わる節目。今では特に立春の前日だけを節分と呼んでいる。この日の夕方、ヒイラギの枝にイワシの頭をつけ、門の前に飾る。節分には鬼打ち豆といって豆まきがある。原木の妙行寺のあたりでは、今でもこの風習が残っているらしく家々の門ごとにヒイラギを飾っていた。はて、中山の鬼子母神のあたりでは「福は内」だけと聞いたが、ヒイラギはどうなっているのだろう。
b0199122_20482542.jpg

あちこちのスーパーを3日の夕方に回ってみた。乾いたヒイラギの枝に飾り物をつけ、袋詰めした20ぐらいを売っていた。4日に確認に行ったが、もう取り払われて売り場にはなかった。ゴミとして廃棄処分されてしまったようだ。実物を買って、集荷する産地とイワシの頭の代用品を確かめたいと思ったのに後の祭り。

春の七草の時もそうだったが、旬の行事としてスーパーで扱わないわけにはいかないだろうが、生産者にどれほどの利益をもたらすのだろうかと気がかり。

新春早々の17日、千葉県の環境講座で「冬鳥に会いに行こう」の行事があり、久しぶりに手賀沼周辺でのバードウオッチングと、鳥の博物館で観察記録の話を聞く機会を得た。

10時から昼までの手賀沼北側の遊歩道で確認した野鳥の種類数は、多いグループで38種だった。午後からは我孫子野鳥を守る会の間野吉幸会長から、「手賀沼の環境と水鳥の変遷」のお話が圧巻だった。1970年代からの水質や周辺の環境変化と定点観測記録などを説明されたのである。

1972年ごろの記録では3万羽のカモが来ていたという。外来植物が増えていった記録も多数。水質浄化にホテイアオイを投入し、巨大に成長したそれを陸上に引き上げて富栄養化を防いだ時代もあった。2017年には、ハスが大繁殖しその群落が24ヘクタールにも達したという。ハスは酸素を大量に吸収するから、周辺のサカナが育たなくなるらしい。いまはナガエツルノゲイトウの繁殖がすごい。水陸両用で、水辺から上陸しツルを伸ばし茂っていく話も各地で聞かれる。この除去には4日間もかかって、78万円の費用を必要としたとのこと。

水がきれいな時代の代表的な水鳥がキンクロハジロ。反対にきれいになっていなくなったのがハシビロガモ。一方でコブハクチョウは1997年に一つ外が定着し次第に増加、2010年が最大で384に達したという。池の淵から陸にあがり、クローバーを食べる。田植えしたイネも食べてしまうので農家からは嫌われる。散歩するお客様からは歓迎されるという難しい課題だ。

40年余りも市民活動として定点活動を続け、種別・科別にグラフ化している。シギ科やチドリ科は浚渫や水位変動によって餌場となる中洲面積が減少し、殆ど観察されなくなった。バンは沼を囲む遊歩道の整備により人の往来が増え、安全な休息場所が少なくなったためか、長期逓減傾向が続いていたが、多少は取り戻しつつあるらしい。

人のかかわりも含め周辺の自然環境も変化し続けている。まだまだ当分はこうした調査を続けて行きたい。やめてしまったら、将来への記録がそこで途絶えてしまうからやめてしまうわけにはいかないとの事だった。

120日には、環境省生物多様性センターと日本自然保護協会が主催する「モニタリングサイト1000」の調査報告会が帝京科学大学で開催された。

モニタリング1000里山調査とは、100年の長期にわたり里山などの変化を記録し、生物多様性の保全施策に役立てるための環境省の事業。全国で1500人もの市民ボランティアや市民グループにより、すでに200万件ものデーターが得られている。

各地の事例報告などもあって盛り沢山の内容だったが、その中から、子どもたちを対象に環境学習をやっている先生の話がユニークで楽しかったのでご紹介しよう。

信州大学で絶滅危惧状態になっているシジミチョウの研究を続けていた女性で、関連企業の協力も得ながらシジミチョウの歌などもみんなでいっしょに作ったという。子どもたちが、観察記録などから作詞した歌は「お母さんは考えたよ、みんなで蝶が食べる植物を育てるよ。みんなの未来を信じて・・・」という音楽会になったのだそうだ。

この話は、後半の質疑応答でもずっと尾を引いた。「ここに集まっている人は、みんな自然が大好き。でも残念ながら社会全体では1パーセントの部類で、世の中の99パーセントの人は生きもののつながりなどに全然関心を持ってくれない、その人たちにも解ってもらうためにはどうしたらいい」という提案であった。あなたならば、どういう仕掛けを考え、どんなふうにして行く?

127日には、市川みどり会主催で濱野周泰先生にお出でいただき、市川大野駅の南、屋敷林の中に茂るタケの整理をテーマに里山再生事業の講座が開催され、市川みどり会、市川の森の交流会、市川市自然環境課職員などのメンバーがいつものいでたちで大勢参加した。

b0199122_06315587.jpg

                                里山再生実践講座:会場風景

                      

b0199122_20541428.jpg



第6回 里山再生実践講座


「タケの生態に学ぶ除伐と侵入対策」
講師:濱野周泰(東京農業大学教授)
市川みどり会会員の所有する山林をお借りして管理の困難な竹の侵入山林において実践講座。
日本各地で困っています「竹」をテーマとして行なわれました。
開催日 平成30年 1月27日(土)9:30~15:00(小雨決行)

b0199122_07315794.jpg

                                 (中央:濱野先生)

いま、雑木林に入り込んで茂る続けるタケの問題は、各地共通の悩みでもある。房総を走る車窓からの眺めもタケが林に入り込んでいる風景が多い。東海道新幹線からの景色も同じ。そんな課題をかかえての実践講座というわけである。もっとじっくりと濱野先生のお話をお聞きしたかったが、現場ですぐに作業に取り掛かった。参加された方々の事後の復習とその情報交換をお願いしたいと思っているけれどいかが?



b0199122_06205879.jpg
b0199122_20583347.jpg
切り倒した竹に、ロープを引掛けて、、
b0199122_06251978.jpg
引く!

b0199122_06265364.jpg
b0199122_06274657.jpg
ロ-プを引掛けて、、
b0199122_06283350.jpg
力を合わせて
b0199122_06290511.jpg
引く!
この2mロ-プが優れものです!!

市川市での自然環境調査では、古くは市川学園の石井信義先生が実施されたし、2002年には岩瀬徹先生が調査された折に、岡崎さんと共に市内各地を回って現存植生図を作るのにちょっとだけかかわらせていただいた。過去の調査と同じ分類にしたかったのだけれど、比較してみると大幅に変わっているのに驚いた。

b0199122_06305320.jpg
(濱野先生)

大雑把にくくると、樹林地は相当に減少している。樹林の構造が変化してしまった。松枯れによって松林がなくなり、落葉広葉樹林が増加した。タケ類が各地に増加し、樹林地に侵入してタケ優占の状態が増えた。林床にアズマネザサなども増加し、身近に林に近寄れないほどのヤブ状態になっているところも増えた、などとなる。

b0199122_06191378.jpg
竹の枝処理:破砕機

タケの粉砕機?の威力はすさまじいものだった。刈りとっとタケの枝が、みるみる粉砕されていく。8年ほど前、酒々井の雑木林管理のお手伝いした時には、ものすごい音がしたのに、ずっと静かになって効率もよくなってきているようだ。参加された皆さん、お疲れさまでした。


                   
b0199122_21220425.jpg
                                     作業前
b0199122_21213945.jpg
崩れを防ぐために、斜面と平行しての土留め作業がしめくくりとなる!
                                    
 作業後

2年後、2020年:経過観察を兼ねて、里山再生実践講座が開催されます。




[PR]

by midori-kai | 2018-03-13 06:30

第86回 1月(正月)ヤブコウジとブロッコリー

【イラストの説明】

ヤブコウジとブロッコリー。なんとも変な取り合わせのようですが・・・、ヤブコウジは野生種、ブロッコリーは野菜です。

植物の組み合わせで、高い樹木と低い草などのセットで植生を名づけられたものがあるのを、この機会に思い出しましょう! 太平洋側に分布している照葉樹林帯には、「ヤブコウジ―スダジイ群集」という言葉がある。落葉広葉樹林帯では、太平洋側の「スズタケ―ブナ群集」、日本海側には「チシマザサ―ブナ群集」のように。

ヤブコウジは、地面近くを這うように茂って冬に赤い実をつける。お正月の飾りでよく知られているのがマンリョウ、センリョウなどだけれど、ヤブコウジはいまや知名度が低下しちゃっているのかもしれませんね。

b0199122_06242896.jpg

昔はヤブコウジを束にして、ミズゴケなどでくるんだ状態で鉢植えにして売られていたのですが。ヤブコウジは、地方によって、ヤマリンゴとかチンチロモチなどと呼んでいるところもあるようですよ。

林の中を散歩した時、どこかでヤブコウジを見つけたら、そこは自然度が高い場所だった可能性もある。里見公園の西側斜面では、鉢植えから逃げ出したノハカタカラクサ(トキワツユクサ)ばっかりが茂っている。誰かが植えたものが、大繁殖して前から茂っていた野草を追い出してしまった結果なのかもしれませんね。

「これ何の木?」といういつもの質問パターンだけでなく、どんな組み合わせで茂っているのだろう? と考える視点を持つと、楽しい新発見が生まれてくるかもしれません。

b0199122_06250557.jpg

一方のブロッコリー、カリフラワーとどう違う? 白いのがカリフラワーで、緑色なのがブロッコリーと思うと、どうやら全く勘違いのようになっている昨今です! ブロッコリーの方は、正常に発達した花序の状態で、時には花が咲き始めているものもある。カリフラワーの方は、小さな花柄や未発達のツボミなどを葉っぱでくるんだ状態で出荷されているようです。

どっちも、7月頃にタネマキして、3か月ぐらいで収穫される。発芽温度はどちらも20℃ぐらい、生育適温は15℃から20℃ぐらい。ということは、春まきして夏に収穫するのは難しそう。とすると、これらの野菜をスーパーで見かけるのは秋だけなのかな? 別の季節にも見かけるとすると、産地はどこなのだろう? 野菜類の栽培も、タネをまけばいつでも順調に育つとは全く限りません。

自然の景色と比べながら野菜畑をみると、四季の移り変わりと栽培方法の変化が感じ取れて楽しいですよ。ブロッコリーは、先端のツボミが収穫された後に、側枝花蕾(ソクシカライ)と呼ばれる横枝が1~2か月ぐらいで伸びやすい習性の種類もあります。

タネ屋さんのカタログには、いろんな色のカリフラワーやブロッコリーの種類が売り出されています。冬の野山の風景と、林の中の散歩と、街の中で売られている野菜などを比べてみるのを、今年の新しい散歩メニューに加えてみるのがお勧めです。


[PR]

by midori-kai | 2018-03-13 06:27

さあ、2018年の始まりですよ!  高 野 史 郎

冬の寒い季節、家族お揃いで鍋料理などを食べましたか? 年末のお鍋の食材、ハクサイなどが意外なほどの高値でした。昨年8月の雨続きや、その後に日照不足の地域があって気温が上がらなかった、10月の台風などの被害などで、野菜の成長を遅らせたのが原因なのだそうだ。異常気象はもう誰もが慣れっこになって、半年前の細かい気温変動などは記憶に残らなくなっている。

年末に市川や船橋など、あちこちのスーパーなどをハシゴして、野菜類の産地と値段をそっとメモして歩いた。国産品のブロッコリーが300円だったのに対して外国産は半値だったが、品質と味にどんな違いがあるのか確かめなかったのが残念。輸入品は生産地の貴重な水を使って、それなりに苦労して作られたものだったろうに。運送費もかなりかかっているはずなのに、現地の生産者の手取りは、どのくらいの金額になっているのだろう。

日本産のハクサイは、4分の1や6分の1にカットされたものが売られている。その大きさで150円前後か。鉛筆ほどに細いアスパラガスは、季節が反対の南半球から日本に送られてくる。

半世紀前、農業用のビニールが開発されたなどで、遅霜による被害を気にしなくても済むようになった。それまでは、ジャガイモや果菜類の植え付けを気にしながら、少しでも早く栽培をスタートさせたいのだが、冷害が恐ろしい。農家の人たちは植え付け時期をきめるのに苦労していた時代だった。

(ちょうどその頃、蔬菜専攻の同級生が三浦半島の農業高校に就職していて、夏休みの高校生の実習手伝いを、汗ビッショリになって作業していた何年間かがあったのを思い出す。)

「夏の縁側で、エダマメを食べ始めたのは何月でしたか?」こんな質問を、食料自給率に関連させて、高齢者の集まりでの環境講座で話題にしたことがあった。

誰もそんなに確かに覚えていないようだった。昔の田植えは、6月だった。それが終わってから田んぼの畦に大豆のタネをまいた。夏休みの頃には、まだ大豆の花が咲いていないしエダマメとして収穫もされていなかった気がする。ビニールハウスが普及しているいま、今年こそは生のエダマメの収穫がいつから始まって、外国産の冷凍品がいつから出回るのか、1年中冷凍食品として在庫販売しているのか、調べてみることにしよう。

この冬、NHKラジオでは、毎年好評だった「夏休み子ども科学相談」の冬休み版を新設して、12月末からの冬休み期間中に放送を始めたのを、聞かれた方もいらっしゃると思う。

毎回数名のテーマ別の専門家が、小中学生などの質問に答える番組である。「冬休みこども科学相談」では、それまでの野鳥・昆虫・植物・水の中の生きもの、などのテーマに加えて、宇宙・怪獣、そして「心とからだスペシャル」が脳科学の専門家、心理カウンセラー、お坊さんなどが回答者になって登場した。

いつも感心するのは、大変なキャリアを持つ専門家が、一見他愛ないような素朴な質問に、難しい専門用語を使わないで、子どもたちの発言に共感しながら親切に噛み砕いて相談にのっている態度である。見習わなくてはと、なるべくメモをとって聞くようにしている。わからない部分は、すぐに我が家の本棚や図書館で調べないと、またたく間に忘却のかなたへ消えてしまう年齢になっているのだから。

恐竜は、子どもたちが関心を寄せる重要なテーマのようだ。700種ほどに放散進化を遂げた恐竜のほとんどは、カタカナ言葉の羅列なのだが、子どもたちがたくさんの種類を覚えていて、舌をかまずに滑らかに発音するのがすごい!

サウルス(トカゲのこと)、スピス(甲ら)、セラス(角)、プテリクス(羽毛)、ドン(歯)、ラプトル(略奪者)などなど。発見者が地名や人名、形を意味するラテン語を組み合わせて種名としている。獣脚目とか、鳥盤類、剣竜類とかが、すぐに実物のイメージと重なっているらしいのが驚きである。

「恐竜の体温が最近はわかってきたようですが、どういう方法で調べられるのですか?」という質問には、最近の論文発表の事情を説明されていた。

宇宙についての質問では、ブラックホールのこと、天の川銀河の寿命についてなどが質問の中心だったようだ。「ブラックホールは真っ黒い穴なんですか?その内側に地面があるんですか?」など、今まで考えたこともなかった!「お月様の地表で、野球が出来ますか?」という質問もあった。

また別の質問。学校の先生が「寒くなると、太陽がつるべ落としだから、早く帰りなさいといったけれど、季節によって、太陽の沈むスピードが変わるんでしょうか?」という質問も。

さて、あなたなら、どう考えて返事を返すのでしょうか???

千葉県では、環境学習アドバイザー制度を昨年春まで20年ほど続けて、市民活動グループなどに派遣していた。10年ほど前、当時の担当者から年齢別・時間別などで区分して、心がけていることやテーマ、プログラムについての問い合わせがあった。その時に提出した「極秘」のメモの一部をこの際、公開してしまおう!

年齢別区分について。

自分的には、3種類の対象に区分して、テーマや表現方法を変えている。

【お子様番組】:音読みの熟語は原則として置き換え、使わない。話し言葉でゆっくりと、相手の顔を見て反応を確かめながら、短いフレーズで解りやすく。(時には、素敵なヤンママがついてくる!)

【中学・高校の理科系先生】:自分は専門家で何でも知っているというプライドを傷つけないように。生活の実感や現場での経験が欠落しているのに、気がつかない人もいる気配。

【高齢者・熟年組】:生活経験は豊かで、参加するのには意欲的な人たちだが、思い込みが強く頑固な人も。科学的に順序だてて問題点整理が出来ない人もいる。自分の輝かしい経歴を周りの人にしゃべりたいだけの人もいるので、さりげなく交通整理が必要!

 こうした区分とは別に、相当にマニアックで猛烈勉強型の中高年女性軍団がいる。熱心になるほど頭は固くなる傾向も時に見られる。閉鎖生態系の中にすっかり入り込んで、酸素不足に硬直している人種が増加傾向にあるようすなのが、これからの新しい問題点か? 自分の考えに納得して欲しいために質問してくる人もいる。

また、一つのテーマに対する質問の返事は、とりあえずは、20秒・5分・30分と、相手の要求度に従って結論を完結に返事をしないと、長くなりすぎるのを注意する。相手をウンザリ・疲れ果ててしまわないように。

地球の歴史に比べれば、ヒトの一生なんてたかが知れている。せいぜい50年か100年の情報の蓄積しかないいだから、顔にタテジワなどを寄せずに、明るく生きていきたいもの。

ところで、「鏡餅の割れ多ければ豊作」という言い伝え、聞いたことありますか? 冬の季節、太平洋側が晴れた日が続き空気も乾燥する。昔の人は、冬が寒ければ夏は暑い。熱帯性植物のイネは、暑ければ豊作になると、つなげて考えていたといわれている。さて今年のお天気は? お米のできは?

【イラストの説明】

ヤブコウジとブロッコリー。なんとも変な取り合わせのようですが・・・、ヤブコウジは野生種、ブロッコリーは野菜です。

植物の組み合わせで、高い樹木と低い草などのセットで植生を名づけられたものがあるのを、この機会に思い出しましょう! 太平洋側に分布している照葉樹林帯には、「ヤブコウジ―スダジイ群集」という言葉がある。落葉広葉樹林帯では、太平洋側の「スズタケ―ブナ群集」、日本海側には「チシマザサ―ブナ群集」のように。

ヤブコウジは、地面近くを這うように茂って冬に赤い実をつける。お正月の飾りでよく知られているのがマンリョウ、センリョウなどだけれど、ヤブコウジはいまや知名度が低下しちゃっているのかもしれませんね。

昔はヤブコウジを束にして、ミズゴケなどでくるんだ状態で鉢植えにして売られていたのですが。ヤブコウジは、地方によって、ヤマリンゴとかチンチロモチなどと呼んでいるところもあるようですよ。

林の中を散歩した時、どこかでヤブコウジを見つけたら、そこは自然度が高い場所だった可能性もある。里見公園の西側斜面では、鉢植えから逃げ出したノハカタカラクサ(トキワツユクサ)ばっかりが茂っている。誰かが植えたものが、大繁殖して前から茂っていた野草を追い出してしまった結果なのかもしれませんね。

「これ何の木?」といういつもの質問パターンだけでなく、どんな組み合わせで茂っているのだろう? と考える視点を持つと、楽しい新発見が生まれてくるかもしれません。

一方のブロッコリー、カリフラワーとどう違う? 白いのがカリフラワーで、緑色なのがブロッコリーと思うと、どうやら全く勘違いのようになっている昨今です! ブロッコリーの方は、正常に発達した花序の状態で、時には花が咲き始めているものもある。カリフラワーの方は、小さな花柄や未発達のツボミなどを葉っぱでくるんだ状態で出荷されているようです。

どっちも、7月頃にタネマキして、3か月ぐらいで収穫される。発芽温度はどちらも20℃ぐらい、生育適温は15℃から20℃ぐらい。ということは、春まきして夏に収穫するのは難しそう。とすると、これらの野菜をスーパーで見かけるのは秋だけなのかな? 別の季節にも見かけるとすると、産地はどこなのだろう? 野菜類の栽培も、タネをまけばいつでも順調に育つとは全く限りません。

自然の景色と比べながら野菜畑をみると、四季の移り変わりと栽培方法の変化が感じ取れて楽しいですよ。ブロッコリーは、先端のツボミが収穫された後に、側枝花蕾(ソクシカライ)と呼ばれる横枝が1~2か月ぐらいで伸びやすい習性の種類もあります。

タネ屋さんのカタログには、いろんな色のカリフラワーやブロッコリーの種類が売り出されています。冬の野山の風景と、林の中の散歩と、街の中で売られている野菜などを比べてみるのを、今年の新しい散歩メニューに加えてみるのがお勧めです。


[PR]

by midori-kai | 2018-03-07 06:40
line

市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31