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あれから7年の三番瀬、柏井の実習林を久しぶりに 高 野 史 郎

3月というと、あの311の地震を思い出す。あの時、ちょうど市川駅から西に向かい、江戸川土手のカワヅザクラの開花状況を確かめようと車で走っていた。電線が大きく揺れていた。一瞬、ビル風のせいかな、と思った。川沿いのマンションからおばあちゃんがヨタヨタと転ぶように出てきて、「揺れるよう!」と通行止めの棒にしがみついていた。

市役所に戻ったら、ロッカーから書類の山が流れ出して大変だったという。すばやく建物から外へ、非難した人もいたらしい。

それから数日間、気がかりな場所を自転車で走り続けた。市川には急斜面の崖地で、そこに巨木が傾いて生えている場所が多い。たとえば、宮久保の白幡神社から三面大黒天のあたり、奉免町の第六天(神明社)の周辺、柏井町の唱行寺などなど。周辺ぎりぎりまで宅地として開発され、崖の下がすぐに民家になっているところもある。

根の部分の土がえぐられ、幹は枝葉と共に日の当たるほうに大きく傾いていて、辛うじて重力に耐えているところが何か所もある。倒れた巨木が道をふさいで、非難の的になっているのではないか?

翌日からは市川北部、そして行徳方面から砂が噴出したと伝えられる浦安市の海岸の方向へと、走り続けた。浦安市の市制施行は昭和564月だったはず。今は元町・中町・新町と3区分されているが、「青べか物語」以降の埋立地が、市の半分以上を占めているといわれる。

埋立地の造成は、海の沖のほうからパイプで砂まじりの濁水を仕切りの中に流れ込むことから始まる。パイプの先端の吐き出し口を少しずつずらしていくので、乾燥するにしたがっていくつもの小山が出来ていく。その一つ一つが粒の大きさ・重さの違いから新しい土の積み重ねとなり、万遍なく一様に海からの砂が平らにつながって新しい地面を作るのではないらしい。不連続ないくつものかたまりが、途切れた記憶のように、別々に動き出すらしいのだ。

野鳥観察舎のある行徳近郊緑地でも、2m以上もの深い溝があちこちにできた。段々畑のように苦労して水の流れを作っていたのに、土手が崩れてそれから先の修復作業に苦労したという。カワウが暮す池に突き出していた上北岬・下北岬の一方は、道が途切れて離れ島になった。風呂田先生(東邦大学)がそこで潜ったら、身長ほどの深さになっていたとのことだった。

しばらく出かけていなかった市川市東浜先の、三番瀬の砂浜はどうなった? あの場所にも春が来て、ブルドーザーで平らにならされた砂浜にも、海浜植物の新芽が伸び始めてきただろうか? 半年以上も砂浜に下りていなかったので2月末に行ってみた。

二俣新町から南に真っ直ぐ伸びる道路が、船橋市との境界線になっているのだが、潮干狩りで有名になった海浜公園の船橋市側の知名度の高さに対して、市川の知名度は低い。市境の延長線が砂浜にもあるのかどうなのか、イマイチはっきりしない。市川市の領域らしい地域の海浜植物群落のことなど、もうすっかり忘れ去られている。海岸沿いの埋め立てや、第二湾岸道路問題、三番瀬円卓会議があった頃から、もう15年ほどが経つのだ。

海を望む護岸の上から眺める砂浜部分は、イネ科の細い葉の植物たちが亜麻色に広がっていた。ヨシ、ススキなどの群落で、市川側にはガマやオギは見られない。

西側の防潮堤沿いの砂浜部分には海水が流れ込んで、ここにはホソバハマアカザなどが分布していた地域である。それらしい枯葉がわずかに残されていた。北風を防ぐ護岸のすぐ下の陽だまりには、ハマダンコンが結構大きく育っていた。そっと引き抜いてみたら、直根が20cmにも伸びていた。

まだまだ冬景色の中で、クロマツが6本ほど突き出している。一番高いものでは160㎝に育っていた。海岸防風林から飛んできたタネからの芽生えか? ここ5年間の成長の記録でもある。

波打ち際沿いに東に向かって歩く。コウボウシバらしきカヤツリグサ科の緑色が、砂の中から少しだけ見える。潮が引いた後に、大きなミズクラゲが打ち上げられていた。直径が20㎝ほどあり、4つの目玉模様が薄紫色に目だっている。はて、クラゲの婚姻色? クラゲの思春期・繁殖方法はどうなっていたのか、調べてみなくては!

気がかりな柏井町2丁目の市民大学実習林へも出かけて見た。市川市が「まちかど回遊レンタサイクル」を廃止してしまってから、すっかり行動が困難になっている。市川の雑木林は、当然ながら市街地からは離れた場所にある。仕方なく、武蔵野線の船橋法典駅からバスで藤原4丁目方面に向かい、越境してパチンコ屋さん横の細い道から現場に入ることにした。

ここは20年以上も前には、ガールスカウトのメンバーたちと炭焼きキャンプをしていた場所。そして花とみどりの市民大学が開講されてからもう10年ぐらいたつはず。一期生から順次に五期生までが実習林として、ボランティアとして応募した人たちが活動し始めた懐かしい場所である。

この地域もまた、20年以上の移り変りが激しい。小さな水溜りのような池があり、トンボが産卵する場所でもあった。冬の季節、枯れ枝そっくりなホソミオツネントンボが、枝にぶら下がるように止まって越冬する。船橋側にパチンコ屋さんが出来て駐車場が広がり、クヌギ、イヌシデ、コナラなどは根元だけを残してアスファルトに舗装された。雨の日の水の流れを確かめていないのだが、そうした関係もあって、水の流れが大幅に変わったのだろう。

駐車場には、これらの落ち葉が堆積している。駐車する場所だけが枯葉を除去されるから、あちこちに枯葉の山が出来ている。風の日にどうなる? あの落ち葉は土に帰ることもできず、やがて清掃車で焼却場に運ばれることになるのだろう。

市の境らしき所には小さな溝や仕切りがあって、それを越えると急に昔からの雑木林の風景に変わってホッとした気分になった。

説明の看板が立っている。「林の土壌回復のために整備活動をしています」。樹木にとってよい森林環境とするために、林の下にも光がさしこむよう心がけています。ミミズやヤスデなどの生きものがたくさんいるフカフカした土にしていくためです・・・などと書かれていた。

2012年から調査を始めたと書かれているから、もうそれが8年間も続けられているらしいのに気がついた。ご苦労さまなコトです。なんやら、聞いたことのある人たちの名前が記されている。急に気分が明るくなってくる。あまり大勢の人が踏み込んでしまっては困るが、こうした活動をしていることをもっと知ってほしいし、林の中の散策を楽しみにしてくれる人が増えて欲しいと思うことしきり!

順に実習地をまわる。それ以前の、2030年前の風景を思い出す。それぞれの活動グループの性格が現れるのか、看板のアピールの表現方法が違うのも面白い。大風で倒れたオオシマザクラの大木は、かなり枯れこんできたが、枝先は元気そうだから4月になったら改めてお花見にこよう!

畑の奥の五期生の実習林は、船橋法典高のすぐ西隣の場所にある。太いニセアカシヤの幹模様が目についた。下枝は取り払われているから白い花を見るためには、かなり見上げることになるだろう。

この植物、戦後は荒れた林をすばやく緑化してくれる救世主のように宣伝された時代があった。マメ科で葉は蛋白質も多く家畜の飼料になる。幹は燃料に、花はミツバチの蜜源にと。

堀之内の貝塚公園の奥にも、このニセアカシヤがジャングル状態に茂っていたのだが、この時代の名残だったのだろうか? ところが茂りすぎると、砂漠の救世主としてもてはやされたクズと同様に、嫌われる運命をたどることになるらしい。

林の下で、ニワトコが新芽を伸ばし始めていた。その手前の曲がり角、みんなが植えたツバキの苗も大きく立派になって花を咲かせていた。ここにせっかくテーブルや切り株のイスを並べたのだから、楽しんでくれる人が増えて欲しいのに!




by midori-kai | 2018-03-21 20:55

第87回 2月(草木張月)モウソウチクとマダケのタケノコ

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もうすぐタケノコが出回ってくるだろう。八千代市の里山講座の時にいただいたモウソウチクとマダケのタケノコ。違い解りますよね。皮をむくと食用になる部分が出てくる。節の数はざっと60ぐらいある。

タケの成長が早いのは、それぞれの節の上部に成長帯と呼ばれる分裂組織があり、その全部の節が伸びていくから。1日に120センチほど伸びるといわれる。20メートルの高さになるのに1か月ぐらいしかかからないというから恐ろしい成長ぶり。すぐに、まわりの樹木よりも高く飛び出してしまう。




by midori-kai | 2018-03-19 05:27

手賀沼の野鳥観察と濱野周泰先生の里山講座  高 野 史 郎

23日は節分、季節が移り変わる節目。今では特に立春の前日だけを節分と呼んでいる。この日の夕方、ヒイラギの枝にイワシの頭をつけ、門の前に飾る。節分には鬼打ち豆といって豆まきがある。原木の妙行寺のあたりでは、今でもこの風習が残っているらしく家々の門ごとにヒイラギを飾っていた。はて、中山の鬼子母神のあたりでは「福は内」だけと聞いたが、ヒイラギはどうなっているのだろう。
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あちこちのスーパーを3日の夕方に回ってみた。乾いたヒイラギの枝に飾り物をつけ、袋詰めした20ぐらいを売っていた。4日に確認に行ったが、もう取り払われて売り場にはなかった。ゴミとして廃棄処分されてしまったようだ。実物を買って、集荷する産地とイワシの頭の代用品を確かめたいと思ったのに後の祭り。

春の七草の時もそうだったが、旬の行事としてスーパーで扱わないわけにはいかないだろうが、生産者にどれほどの利益をもたらすのだろうかと気がかり。

新春早々の17日、千葉県の環境講座で「冬鳥に会いに行こう」の行事があり、久しぶりに手賀沼周辺でのバードウオッチングと、鳥の博物館で観察記録の話を聞く機会を得た。

10時から昼までの手賀沼北側の遊歩道で確認した野鳥の種類数は、多いグループで38種だった。午後からは我孫子野鳥を守る会の間野吉幸会長から、「手賀沼の環境と水鳥の変遷」のお話が圧巻だった。1970年代からの水質や周辺の環境変化と定点観測記録などを説明されたのである。

1972年ごろの記録では3万羽のカモが来ていたという。外来植物が増えていった記録も多数。水質浄化にホテイアオイを投入し、巨大に成長したそれを陸上に引き上げて富栄養化を防いだ時代もあった。2017年には、ハスが大繁殖しその群落が24ヘクタールにも達したという。ハスは酸素を大量に吸収するから、周辺のサカナが育たなくなるらしい。いまはナガエツルノゲイトウの繁殖がすごい。水陸両用で、水辺から上陸しツルを伸ばし茂っていく話も各地で聞かれる。この除去には4日間もかかって、78万円の費用を必要としたとのこと。

水がきれいな時代の代表的な水鳥がキンクロハジロ。反対にきれいになっていなくなったのがハシビロガモ。一方でコブハクチョウは1997年に一つ外が定着し次第に増加、2010年が最大で384に達したという。池の淵から陸にあがり、クローバーを食べる。田植えしたイネも食べてしまうので農家からは嫌われる。散歩するお客様からは歓迎されるという難しい課題だ。

40年余りも市民活動として定点活動を続け、種別・科別にグラフ化している。シギ科やチドリ科は浚渫や水位変動によって餌場となる中洲面積が減少し、殆ど観察されなくなった。バンは沼を囲む遊歩道の整備により人の往来が増え、安全な休息場所が少なくなったためか、長期逓減傾向が続いていたが、多少は取り戻しつつあるらしい。

人のかかわりも含め周辺の自然環境も変化し続けている。まだまだ当分はこうした調査を続けて行きたい。やめてしまったら、将来への記録がそこで途絶えてしまうからやめてしまうわけにはいかないとの事だった。

120日には、環境省生物多様性センターと日本自然保護協会が主催する「モニタリングサイト1000」の調査報告会が帝京科学大学で開催された。

モニタリング1000里山調査とは、100年の長期にわたり里山などの変化を記録し、生物多様性の保全施策に役立てるための環境省の事業。全国で1500人もの市民ボランティアや市民グループにより、すでに200万件ものデーターが得られている。

各地の事例報告などもあって盛り沢山の内容だったが、その中から、子どもたちを対象に環境学習をやっている先生の話がユニークで楽しかったのでご紹介しよう。

信州大学で絶滅危惧状態になっているシジミチョウの研究を続けていた女性で、関連企業の協力も得ながらシジミチョウの歌などもみんなでいっしょに作ったという。子どもたちが、観察記録などから作詞した歌は「お母さんは考えたよ、みんなで蝶が食べる植物を育てるよ。みんなの未来を信じて・・・」という音楽会になったのだそうだ。

この話は、後半の質疑応答でもずっと尾を引いた。「ここに集まっている人は、みんな自然が大好き。でも残念ながら社会全体では1パーセントの部類で、世の中の99パーセントの人は生きもののつながりなどに全然関心を持ってくれない、その人たちにも解ってもらうためにはどうしたらいい」という提案であった。あなたならば、どういう仕掛けを考え、どんなふうにして行く?

127日には、市川みどり会主催で濱野周泰先生にお出でいただき、市川大野駅の南、屋敷林の中に茂るタケの整理をテーマに里山再生事業の講座が開催され、市川みどり会、市川の森の交流会、市川市自然環境課職員などのメンバーがいつものいでたちで大勢参加した。

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                                里山再生実践講座:会場風景

                      

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第6回 里山再生実践講座


「タケの生態に学ぶ除伐と侵入対策」
講師:濱野周泰(東京農業大学教授)
市川みどり会会員の所有する山林をお借りして管理の困難な竹の侵入山林において実践講座。
日本各地で困っています「竹」をテーマとして行なわれました。
開催日 平成30年 1月27日(土)9:30~15:00(小雨決行)

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                                 (中央:濱野先生)

いま、雑木林に入り込んで茂る続けるタケの問題は、各地共通の悩みでもある。房総を走る車窓からの眺めもタケが林に入り込んでいる風景が多い。東海道新幹線からの景色も同じ。そんな課題をかかえての実践講座というわけである。もっとじっくりと濱野先生のお話をお聞きしたかったが、現場ですぐに作業に取り掛かった。参加された方々の事後の復習とその情報交換をお願いしたいと思っているけれどいかが?



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切り倒した竹に、ロープを引掛けて、、
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引く!

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ロ-プを引掛けて、、
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力を合わせて
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引く!
この2mロ-プが優れものです!!

市川市での自然環境調査では、古くは市川学園の石井信義先生が実施されたし、2002年には岩瀬徹先生が調査された折に、岡崎さんと共に市内各地を回って現存植生図を作るのにちょっとだけかかわらせていただいた。過去の調査と同じ分類にしたかったのだけれど、比較してみると大幅に変わっているのに驚いた。

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(濱野先生)

大雑把にくくると、樹林地は相当に減少している。樹林の構造が変化してしまった。松枯れによって松林がなくなり、落葉広葉樹林が増加した。タケ類が各地に増加し、樹林地に侵入してタケ優占の状態が増えた。林床にアズマネザサなども増加し、身近に林に近寄れないほどのヤブ状態になっているところも増えた、などとなる。

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竹の枝処理:破砕機

タケの粉砕機?の威力はすさまじいものだった。刈りとっとタケの枝が、みるみる粉砕されていく。8年ほど前、酒々井の雑木林管理のお手伝いした時には、ものすごい音がしたのに、ずっと静かになって効率もよくなってきているようだ。参加された皆さん、お疲れさまでした。


                   
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                                     作業前
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崩れを防ぐために、斜面と平行しての土留め作業がしめくくりとなる!
                                    
 作業後

2年後、2020年:経過観察を兼ねて、里山再生実践講座が開催されます。





by midori-kai | 2018-03-13 06:30

第86回 1月(正月)ヤブコウジとブロッコリー

【イラストの説明】

ヤブコウジとブロッコリー。なんとも変な取り合わせのようですが・・・、ヤブコウジは野生種、ブロッコリーは野菜です。

植物の組み合わせで、高い樹木と低い草などのセットで植生を名づけられたものがあるのを、この機会に思い出しましょう! 太平洋側に分布している照葉樹林帯には、「ヤブコウジ―スダジイ群集」という言葉がある。落葉広葉樹林帯では、太平洋側の「スズタケ―ブナ群集」、日本海側には「チシマザサ―ブナ群集」のように。

ヤブコウジは、地面近くを這うように茂って冬に赤い実をつける。お正月の飾りでよく知られているのがマンリョウ、センリョウなどだけれど、ヤブコウジはいまや知名度が低下しちゃっているのかもしれませんね。

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昔はヤブコウジを束にして、ミズゴケなどでくるんだ状態で鉢植えにして売られていたのですが。ヤブコウジは、地方によって、ヤマリンゴとかチンチロモチなどと呼んでいるところもあるようですよ。

林の中を散歩した時、どこかでヤブコウジを見つけたら、そこは自然度が高い場所だった可能性もある。里見公園の西側斜面では、鉢植えから逃げ出したノハカタカラクサ(トキワツユクサ)ばっかりが茂っている。誰かが植えたものが、大繁殖して前から茂っていた野草を追い出してしまった結果なのかもしれませんね。

「これ何の木?」といういつもの質問パターンだけでなく、どんな組み合わせで茂っているのだろう? と考える視点を持つと、楽しい新発見が生まれてくるかもしれません。

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一方のブロッコリー、カリフラワーとどう違う? 白いのがカリフラワーで、緑色なのがブロッコリーと思うと、どうやら全く勘違いのようになっている昨今です! ブロッコリーの方は、正常に発達した花序の状態で、時には花が咲き始めているものもある。カリフラワーの方は、小さな花柄や未発達のツボミなどを葉っぱでくるんだ状態で出荷されているようです。

どっちも、7月頃にタネマキして、3か月ぐらいで収穫される。発芽温度はどちらも20℃ぐらい、生育適温は15℃から20℃ぐらい。ということは、春まきして夏に収穫するのは難しそう。とすると、これらの野菜をスーパーで見かけるのは秋だけなのかな? 別の季節にも見かけるとすると、産地はどこなのだろう? 野菜類の栽培も、タネをまけばいつでも順調に育つとは全く限りません。

自然の景色と比べながら野菜畑をみると、四季の移り変わりと栽培方法の変化が感じ取れて楽しいですよ。ブロッコリーは、先端のツボミが収穫された後に、側枝花蕾(ソクシカライ)と呼ばれる横枝が1~2か月ぐらいで伸びやすい習性の種類もあります。

タネ屋さんのカタログには、いろんな色のカリフラワーやブロッコリーの種類が売り出されています。冬の野山の風景と、林の中の散歩と、街の中で売られている野菜などを比べてみるのを、今年の新しい散歩メニューに加えてみるのがお勧めです。



by midori-kai | 2018-03-13 06:27

さあ、2018年の始まりですよ!  高 野 史 郎

冬の寒い季節、家族お揃いで鍋料理などを食べましたか? 年末のお鍋の食材、ハクサイなどが意外なほどの高値でした。昨年8月の雨続きや、その後に日照不足の地域があって気温が上がらなかった、10月の台風などの被害などで、野菜の成長を遅らせたのが原因なのだそうだ。異常気象はもう誰もが慣れっこになって、半年前の細かい気温変動などは記憶に残らなくなっている。

年末に市川や船橋など、あちこちのスーパーなどをハシゴして、野菜類の産地と値段をそっとメモして歩いた。国産品のブロッコリーが300円だったのに対して外国産は半値だったが、品質と味にどんな違いがあるのか確かめなかったのが残念。輸入品は生産地の貴重な水を使って、それなりに苦労して作られたものだったろうに。運送費もかなりかかっているはずなのに、現地の生産者の手取りは、どのくらいの金額になっているのだろう。

日本産のハクサイは、4分の1や6分の1にカットされたものが売られている。その大きさで150円前後か。鉛筆ほどに細いアスパラガスは、季節が反対の南半球から日本に送られてくる。

半世紀前、農業用のビニールが開発されたなどで、遅霜による被害を気にしなくても済むようになった。それまでは、ジャガイモや果菜類の植え付けを気にしながら、少しでも早く栽培をスタートさせたいのだが、冷害が恐ろしい。農家の人たちは植え付け時期をきめるのに苦労していた時代だった。

(ちょうどその頃、蔬菜専攻の同級生が三浦半島の農業高校に就職していて、夏休みの高校生の実習手伝いを、汗ビッショリになって作業していた何年間かがあったのを思い出す。)

「夏の縁側で、エダマメを食べ始めたのは何月でしたか?」こんな質問を、食料自給率に関連させて、高齢者の集まりでの環境講座で話題にしたことがあった。

誰もそんなに確かに覚えていないようだった。昔の田植えは、6月だった。それが終わってから田んぼの畦に大豆のタネをまいた。夏休みの頃には、まだ大豆の花が咲いていないしエダマメとして収穫もされていなかった気がする。ビニールハウスが普及しているいま、今年こそは生のエダマメの収穫がいつから始まって、外国産の冷凍品がいつから出回るのか、1年中冷凍食品として在庫販売しているのか、調べてみることにしよう。

この冬、NHKラジオでは、毎年好評だった「夏休み子ども科学相談」の冬休み版を新設して、12月末からの冬休み期間中に放送を始めたのを、聞かれた方もいらっしゃると思う。

毎回数名のテーマ別の専門家が、小中学生などの質問に答える番組である。「冬休みこども科学相談」では、それまでの野鳥・昆虫・植物・水の中の生きもの、などのテーマに加えて、宇宙・怪獣、そして「心とからだスペシャル」が脳科学の専門家、心理カウンセラー、お坊さんなどが回答者になって登場した。

いつも感心するのは、大変なキャリアを持つ専門家が、一見他愛ないような素朴な質問に、難しい専門用語を使わないで、子どもたちの発言に共感しながら親切に噛み砕いて相談にのっている態度である。見習わなくてはと、なるべくメモをとって聞くようにしている。わからない部分は、すぐに我が家の本棚や図書館で調べないと、またたく間に忘却のかなたへ消えてしまう年齢になっているのだから。

恐竜は、子どもたちが関心を寄せる重要なテーマのようだ。700種ほどに放散進化を遂げた恐竜のほとんどは、カタカナ言葉の羅列なのだが、子どもたちがたくさんの種類を覚えていて、舌をかまずに滑らかに発音するのがすごい!

サウルス(トカゲのこと)、スピス(甲ら)、セラス(角)、プテリクス(羽毛)、ドン(歯)、ラプトル(略奪者)などなど。発見者が地名や人名、形を意味するラテン語を組み合わせて種名としている。獣脚目とか、鳥盤類、剣竜類とかが、すぐに実物のイメージと重なっているらしいのが驚きである。

「恐竜の体温が最近はわかってきたようですが、どういう方法で調べられるのですか?」という質問には、最近の論文発表の事情を説明されていた。

宇宙についての質問では、ブラックホールのこと、天の川銀河の寿命についてなどが質問の中心だったようだ。「ブラックホールは真っ黒い穴なんですか?その内側に地面があるんですか?」など、今まで考えたこともなかった!「お月様の地表で、野球が出来ますか?」という質問もあった。

また別の質問。学校の先生が「寒くなると、太陽がつるべ落としだから、早く帰りなさいといったけれど、季節によって、太陽の沈むスピードが変わるんでしょうか?」という質問も。

さて、あなたなら、どう考えて返事を返すのでしょうか???

千葉県では、環境学習アドバイザー制度を昨年春まで20年ほど続けて、市民活動グループなどに派遣していた。10年ほど前、当時の担当者から年齢別・時間別などで区分して、心がけていることやテーマ、プログラムについての問い合わせがあった。その時に提出した「極秘」のメモの一部をこの際、公開してしまおう!

年齢別区分について。

自分的には、3種類の対象に区分して、テーマや表現方法を変えている。

【お子様番組】:音読みの熟語は原則として置き換え、使わない。話し言葉でゆっくりと、相手の顔を見て反応を確かめながら、短いフレーズで解りやすく。(時には、素敵なヤンママがついてくる!)

【中学・高校の理科系先生】:自分は専門家で何でも知っているというプライドを傷つけないように。生活の実感や現場での経験が欠落しているのに、気がつかない人もいる気配。

【高齢者・熟年組】:生活経験は豊かで、参加するのには意欲的な人たちだが、思い込みが強く頑固な人も。科学的に順序だてて問題点整理が出来ない人もいる。自分の輝かしい経歴を周りの人にしゃべりたいだけの人もいるので、さりげなく交通整理が必要!

 こうした区分とは別に、相当にマニアックで猛烈勉強型の中高年女性軍団がいる。熱心になるほど頭は固くなる傾向も時に見られる。閉鎖生態系の中にすっかり入り込んで、酸素不足に硬直している人種が増加傾向にあるようすなのが、これからの新しい問題点か? 自分の考えに納得して欲しいために質問してくる人もいる。

また、一つのテーマに対する質問の返事は、とりあえずは、20秒・5分・30分と、相手の要求度に従って結論を完結に返事をしないと、長くなりすぎるのを注意する。相手をウンザリ・疲れ果ててしまわないように。

地球の歴史に比べれば、ヒトの一生なんてたかが知れている。せいぜい50年か100年の情報の蓄積しかないいだから、顔にタテジワなどを寄せずに、明るく生きていきたいもの。

ところで、「鏡餅の割れ多ければ豊作」という言い伝え、聞いたことありますか? 冬の季節、太平洋側が晴れた日が続き空気も乾燥する。昔の人は、冬が寒ければ夏は暑い。熱帯性植物のイネは、暑ければ豊作になると、つなげて考えていたといわれている。さて今年のお天気は? お米のできは?

【イラストの説明】

ヤブコウジとブロッコリー。なんとも変な取り合わせのようですが・・・、ヤブコウジは野生種、ブロッコリーは野菜です。

植物の組み合わせで、高い樹木と低い草などのセットで植生を名づけられたものがあるのを、この機会に思い出しましょう! 太平洋側に分布している照葉樹林帯には、「ヤブコウジ―スダジイ群集」という言葉がある。落葉広葉樹林帯では、太平洋側の「スズタケ―ブナ群集」、日本海側には「チシマザサ―ブナ群集」のように。

ヤブコウジは、地面近くを這うように茂って冬に赤い実をつける。お正月の飾りでよく知られているのがマンリョウ、センリョウなどだけれど、ヤブコウジはいまや知名度が低下しちゃっているのかもしれませんね。

昔はヤブコウジを束にして、ミズゴケなどでくるんだ状態で鉢植えにして売られていたのですが。ヤブコウジは、地方によって、ヤマリンゴとかチンチロモチなどと呼んでいるところもあるようですよ。

林の中を散歩した時、どこかでヤブコウジを見つけたら、そこは自然度が高い場所だった可能性もある。里見公園の西側斜面では、鉢植えから逃げ出したノハカタカラクサ(トキワツユクサ)ばっかりが茂っている。誰かが植えたものが、大繁殖して前から茂っていた野草を追い出してしまった結果なのかもしれませんね。

「これ何の木?」といういつもの質問パターンだけでなく、どんな組み合わせで茂っているのだろう? と考える視点を持つと、楽しい新発見が生まれてくるかもしれません。

一方のブロッコリー、カリフラワーとどう違う? 白いのがカリフラワーで、緑色なのがブロッコリーと思うと、どうやら全く勘違いのようになっている昨今です! ブロッコリーの方は、正常に発達した花序の状態で、時には花が咲き始めているものもある。カリフラワーの方は、小さな花柄や未発達のツボミなどを葉っぱでくるんだ状態で出荷されているようです。

どっちも、7月頃にタネマキして、3か月ぐらいで収穫される。発芽温度はどちらも20℃ぐらい、生育適温は15℃から20℃ぐらい。ということは、春まきして夏に収穫するのは難しそう。とすると、これらの野菜をスーパーで見かけるのは秋だけなのかな? 別の季節にも見かけるとすると、産地はどこなのだろう? 野菜類の栽培も、タネをまけばいつでも順調に育つとは全く限りません。

自然の景色と比べながら野菜畑をみると、四季の移り変わりと栽培方法の変化が感じ取れて楽しいですよ。ブロッコリーは、先端のツボミが収穫された後に、側枝花蕾(ソクシカライ)と呼ばれる横枝が1~2か月ぐらいで伸びやすい習性の種類もあります。

タネ屋さんのカタログには、いろんな色のカリフラワーやブロッコリーの種類が売り出されています。冬の野山の風景と、林の中の散歩と、街の中で売られている野菜などを比べてみるのを、今年の新しい散歩メニューに加えてみるのがお勧めです。



by midori-kai | 2018-03-07 06:40

第85回12月(師走)「きのこワンダーランド」

《イラストの説明》

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千葉県立中央博物館では、12月27日まで「きのこワンダーランド」の展覧会を開催しています。入場料は一般が500円、ただし65歳以上の人は証拠の品を持参すれば無料です。

常設の展示をまだ一度もご覧になっていない方は、1日がかりで是非! 博物館のその先には、生態園もあります。さらにその横には、青葉の森の公園が広がっているという盛りだくさんの地域です。

それにちなんで、だいぶ前に信州へ出かけた時の、キノコのイラストを登場させました。

山へ行ってキノコに出会うと、必ず聞かれるのが「このキノコ、食べられる? それとも毒ですか?」そして子どもたちは、すぐに足で蹴っ飛ばして壊してしまうのが残念無念!

キノコの名前を聞かれたって、よく名前を知らないものが大部分です。食べられるかどうかの区別だけでなくて、生態系の中でのキノコ類の位置づけ、短く楽しい話を身につけたいものだと思い続けています。この世に、キノコ類がなかったら、ゴミの山で大変なことになるんですよ。

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山へ行ってキノコを採ったら、必ず長年そこに暮らしていて、毎年キノコを食べ、しかも今も元気なお年寄りに、選び出して貰いましょうね!

日本列島には、何千種ものキノコが生えています。成長と共に姿かたちが変化して間もなく崩壊する。その下には「シロ」と呼ばれる菌糸の塊がある。

何十年か前には、キノコが植物の一分野とされていましたが、大違いです。もっと、キノコのいろいろを、楽しく調べることにしましょうよ。

キノコの名前は、全国区ではなく、地方区の選挙みたいといった人がいました。地域ごとに呼び名が違い、お料理方法にも地域の文化があるのだそうです。育つ環境によって、形も味も違うらしい。

キノコの世界は、不思議にみちあふれています。




by midori-kai | 2017-12-21 08:35

2017年が終わる、そしてすぐに新しい年ですよ!  高 野 史 郎


今年の冬の訪れは、例年よりも早い感じですね。ずっと前から、お正月休みの恒例で、市川とその周辺もふくめての市内全域を、幾日もかけて自転車パトロールしていたことがありました。車も少ないし、とにかく青空がきれい。和服姿の神社参りの人たちもいて、すがすがしい気分になりますから。

10年ぐらい前だったか、真間山弘法寺あたりで、まだ真っ赤になったモミジが残っていて、その横の新年飾りとが同居していた風景がありましたっけ。こんな年は、今までに1回だけでした。この時期、川向こうの行徳の神社には、落葉したイチョウの巨樹がたくさん見られます。

二俣新町の南、市川東浜先の三番瀬では、元旦というのにタンカーの出入りが頻繁なのに驚いたことがありました。1分間に1隻以上の割合で、南極探検の「しらせ」が係留してある桟橋近くに、次々と入ってくる。新年休みと無関係に、仕事している人たちも大勢いるのでした。

市川市内で紅葉の名所といえば、誰でもが大町の自然観察園のお山を連想するでしょうね、木道が続いている観察路沿いの、雑木林の多彩なグラデーションにも目を留めて欲しい。

どこかへ、紅葉見物にでかけましたか? 里見公園の北側先端も、本数は少ないけれどモミジがあります。松戸の20世紀の森では、小さな流れ沿いにモミジが茂っている。西日を受けての紅葉の輝きとともに、逆光を受けての幹からの枝分かれの形と、葉脈が血管のように全部見えるのですよ! 房総半島では養老渓谷がすごい、晩秋の景観もたくさんあるのが千葉県なんです。

冬は、雑木林の葉が落ちて、樹林地が明るくなり、未来の風景が目前に広がるような気分になります。日本列島の四季の素晴らしさ、そんなこの国の冬を実感しましょうよ!

1123日、久しぶりに千葉駅の先、県立中央博物館へ行ってきました。ここは何となく、自分にとって、里帰りみたいな気分に浸れる場所なのです。ちょうど文化庁の支援事業として、「きのこワンダーランド」が開催中でしたから。沼田眞先生が苦労された生態園も、しばらく見学に行っていなかった。そろそろ30年にもなるこの房総の林風景の再現も、当時とはずいぶん遷移が進んでいたのを懐かしい気分も含めて、小雨の中を散策したのでした。

博物館の展示会場で、2000年前後には自然保護協会のスタッフと、どう解説したらいいかの勉強会もやったことがあった。環境教育研究科の小川かほる先生の計画で、「ワクワク体験・地球をめぐる水」の展覧会では、夏休みの2か月間、展示解説や水の動きの実験装置など、毎日通っていました。それから三番瀬問題の演習とか、5年間ほどの間に、貴重な体験をたくさんさせてもらった場所だったのです。

博物館周辺の雑木林が、素敵な紅葉なのも胸がときめきました。生態園では、子どもたちも含めての俳句作りなどもやったらしい結果が、現物の樹木の下などに看板で作られていました。

その中のいくつか、「カメムシの双子赤ちゃんにかにか笑顔」「樹木にも老々介護の時代来る」「僕の名は若い葉っぱは白ダモん」などなど。

「これ、なんていう名前なの?」といういつもの質問パターンだけではなく、こういう楽しみ方を大人にも体感して欲しいと思ったのでした。

講堂での講演会「マツタケ栽培最前線」は、3人の専門家の研究成果発表でした。森林総研のマツタケ研究、近畿大学の人工栽培の進行状況、京都での里山再生活動との関連活動。菌糸の伸びる顕微鏡写真などを交えてのかなり高度な解説で、シンが疲れました。試験管やフラスコ内のマツタケ菌糸の行動が、酵素の化学記号やキノコ類の学名と共に登場するのです。まだまだこの先は長い道のりだな、を実感した3時間のお話でした。

24日は、「わんぱくの森 バス研修、先進事例の柏市をたずねる」に参加させてもらいました。最初の目的地は、柏市のこんぶくろ池自然博物公園。ここでの活動は、2011年に日本自然保護協会から第10回の沼田眞賞を受賞されています。このすぐ手前には「さわやかちば県民プラザ」があって、ここに千葉県の環境学習センターもあった関係で、こんぶくろ池にも頻繁に通っていたのでした。

久しぶりに現地を訪れ、まるで浦島太郎状態。20年前とまわりの環境がすっかり変わってしまって、記憶とつなげるのが大変でした。当時はまわりがゴミ捨て場状態の所もあった。今は管理事務所もできた。運営のための管理部門もしっかりされてきたようです。

組織づくりでは、①湧水と湿生環境の保全再生、②樹林地における貴重種を含む生態系の保全と植生管理、③市民活動・環境教育などへの活用、などが順次進められているようです。ご苦労様なことです。

いずれゆっくりと、時間をかけて現地の春の芽吹きの頃に訪れたいと思ったのでした。

早足でユリノキの並木道を急ぎ、次に訪問したのは沼南公民館だった「ひまわりプラザ」先の大島田里山クラブの森でした。一方の耳で活動されている方々のお話を聞きながら、手短かに林の階層構造と全体の見取り図をメモしました。

高木層は、スギ、シラカシ、モウソウチク、イヌシデ。中間の5mから10mぐらいの高さには、ヒノキやイヌシデ。低木層には、ヤツデ、ヒサカキ、アオキ、ヤマブキ、カクレミノなど。ヒイラギやコウヤボウキも少しあった。草本としてはシュンランやジャノヒゲなど。

高い木では、23mはありそうな感じ。市川の柏井地区、みどりの市民大学の実習林では、伐採したもの測ったことがありましたが、最高で18mだったと記憶しています。

低木層の植物が少ないのは、ここの管理方針なのか、もともと少なかったのか? 結果として、市川の里山の状況とは、かなり違った林になっている印象を受けたけれど、参加された皆さんの感想はどうだったのかな?

高く茂っているケヤキが、ちょっと高まっている土手みたいな場所にそびえていました。その土手みたいな高さに沿って、ケヤキの根が横になんと10mも伸びて見えているのにビックリ。太さが直径で10㎝以上もある。チラッと株元の向こう側を覗いてみたら、奥の方にも太い根がとぐろを巻いていた! あのあたり、地盤がよっぽど固いのか? その昔、土塁か何かの構造物があったのだろうかと気がかり。

幹線道路からの目隠し、ヤダケなどの茂みをどう残すか、等など、短時間だったけれど、たくさんの貴重なお話を聞くことができました。

次に移動したのは、手賀沼里山倶楽部の森。ここは、舟戸古墳群の一角で、6・7世紀頃の前方後円墳が大小20もあった場所なのだそうです。柏市や千葉県では希少になったラン類なども多数残っている。なぜか、年ごとに発生する場所が変わっていくとか。面積は約2ha、民有地なので会員が同伴の場合のみ立ち入りが可能なのだそうです。

落ち葉を掃除堆積したところからは、カブトムシが出てくる。イベントの時などには子ども達に蛹をプレゼント。虫は苦手というお母さんには、カブトムシになってから渡す引換券も用意しているそうです。入り口あたりに置いてあったトラックのジュラルミン箱型の荷台は、道具の収納庫に活用されていました。整然と片付けてあるのにもびっくりしました。

ここでの仲間同士の合言葉は、「地球・・?・・パチンコ?」。そのココロはキュウケイ。作業の合間には、みんなでコーヒーを楽しみながらの「休憩」。意見交換と合意形成のために、さりげない雑談の時間を、とても大切にしているとの事でした。

続いて、大津川をきれいにする会の里山活動紹介。手賀沼にそそぐ約8㎞の大津川の浄化に取り組んでいる方々の集まりです。いつも活動しているのは、女性も含めすべて70歳以上で12名前後。最も多い時には、60名が参加されていたとのこと。柏市には、「カシニワ情報バンク登録」という制度があるらしいです。

ここのすごいのは、機関誌の「せせらぎ」を創設以来毎月1日に発行し、一度も欠かしたことがないとか。恐ろしい努力の継続です。

平成29年度の目標には、①利用活動を拡大し、里山全体に親近感を。多世代にわたる人々のみどりの活動を通じて、森、川、田畑を一体とした里山の自然を目指す。②利用が可能な地域の環境・歴史文化資源の保全活動と利用手段の提供。日本的な情緒ある行事の実施。③多世代交流型コミュニティ、みんな集まれ柳の木、といった地域の活動団体と積極的な連携を図り、側面支援。

こうしたたくさんの思いを、おそらくは大変な負担をあまり感じないで確実に実行していることは、驚きです!

今回のバス研修、行く先々に足を運んでスケジュールを調節し、つながりをつけるのが大変だったでしょうね。下見したのは、大峡さん・松戸の深野さんだったのかな。ご苦労さん&ありがとうございました。もっと細かい資料などは、参加された方々が持っているはずです。




by midori-kai | 2017-12-21 08:24

第84回11月(霜月)深山含笑とホオズキ

秋も深まってくると、モミジがきれい! 晴れた日が続いて、昼と夜の冷え込みの気温差が大きいほうが鮮やかになるという話です。でも、霜が下りればそれで終わりという、はかなさもあるのが秋の淋しさ。

ところで、「深山含笑」ミヤマガンショウという奇妙な名前の植物、聞いたことありますか? 松戸のグループの案内で千葉大園芸学部をたずねた折りに、フランス庭園の片隅に植えてあった木の株元で見つけたのがこのラベルでした。そこにはラテン語の学名と、漢字表記、ミヤマガンショウのカタカナ表記が並んでいた。

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モクレン科のオガタマ属。常緑樹のようで、もう葉腋に3㎝ほどの花芽を並べてつけている。日本ではモクレン科というと、コブシやモクレンをすぐに連想してしまう。

モクレン属では、枝の先端に花芽をつける。その下の葉芽が何本か伸びて新しい枝となる。3月ごろ、葉が展開する前に花を咲かせるのはご存知の通り。山好きな人に好かれるタムシバもこの仲間で、すぐに近縁の何種類かの種名がすらすらと出てくるはず。よく見かけるモクレン科の常緑樹としては、タイサンボクだけです。

この深山含笑の株の近くには、赤紫に紅葉した古い葉と、枯れた木の実の残骸が落ちていました。帰宅してさっそく何種類かの図鑑を調べる。そして市川と船橋の大きな図書館にも足を運びました。やっぱり、漢名のこの植物の記載がないんです。オガタマ属は、世界に35種ほどあるはずなのですが、うが日本に自生していないのですから仕方ありません。

この仲間のカラタネオガタマは、中央図書館横の自転車置き場脇など数か所にも植えてあり、5月中旬に白っぽい小さな花を咲かせます。近づくと甘いバナナの香り。英名はバナナトゥリーなんです。このカラタネオガタマの漢名が「含笑」。中国では、女性が髪飾りに使うとか。

などと聞くと、この「深山含笑」は中国のどんなところに生えていて、どんな花を咲かせるのかが楽しみになりますね!

カラタネオガタマが3mぐらいの低木なのに対して、オガタマノキは高木ですが、市川市のどこに植えてあったか思い出せません。オガタマとは招霊(オキタマ)の訛りで、サカキと同様に神前に供える木として、神社に植えられる習慣が中国にはあるらしい。この深山含笑が、来春にどんな花を咲かせるのか、今から心待ちにしています。

もう一つは、駐車場脇の狭い植え込みに生えていたホオズキです。

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お盆の頃に花屋さんに出回る立派なものとは違って、ツツジや小菊の間にやっと生きていたような株でした。殆ど葉が枯れかかった株で、わずかに残された緑の葉がちょっと神秘的でした。

ホオズキの白い花が咲くのは、7月頃です。その花が間もなく萼の先端を延ばし、つながって子房の部分を取り囲む。宿存萼というらしい。それが秋には朱色に染まる。そして、最後には網目模様が果実の部分を包み込むんです。まるで「籠の鳥」状態です。

この植物、タネの散布方法をどう考えているんだろう、などと不思議な気分になってきます。このイラストでは根が真っ直ぐに下に向かっていますが、たぶんのその下では地下茎が横に伸びているはずです。タネで増やす方法は放棄してしまったのか、それとも、やがては籠の部分も朽ち果てて、何かの動物の食料になるんでしょうか? 深まる秋は、いろんなことを考えさせてくれる季節でもあるのですね。



by midori-kai | 2017-11-23 20:56

戸定邸の庭園や、かずさDNA研究所へ見学に    高 野 史 郎

9月は2回も大型の台風がやってきました。そして土日のたびに雨が降った。小学校の運動会は、3回も延期になったところもあったようです。でも雲間に見る十五夜の月は、やっぱり感激です。

心配していた11月3日の大洲防災公園での第42回市民まつりは、前夜の雨がやんでくれて、開催する頃には素晴らしい青空が見られて、うれしい開催となりました。

いつものように大変な人出です。出入り口がいくつもあるためか、カウントはしていなかったようですが、どのくらいの数の人が来てくれたのでしょうか? 行列を作っていたのは、きっとおいしい食べ物販売のブースだったのでしょう。苦労して展示物の準備を進めていたグループがこんなにたくさんあるのも、市川市の魅力なのかな?

市川みどり会や里山関連グループ、環境系の市民グループの活動などに触れるチャンスです。

《 戸定邸の庭園を見学 》

10月8日には松戸の市民グループの行事に参加し、丁寧な解説付きで戸定邸の庭を見学させてもらいました。何回となくこのあたりには出かけてはいますが、今回は最初の設計の基本計画に基づいての復元工事が予定されているとかの、特別公開でした。

ここは、徳川昭武の邸宅で1884年建設の木造平屋(一部は二階建て)、明治前期の上流住宅の姿を残しているとかで全国的の貴重なものなのだそうです。松戸市の寄贈された後、2006年にはここの建物が国の重要文化財に、2007年には「日本の歴史公園100選」にも選ばれています。

130年前の頃は、門前にスギやヒノキの並木が続き、当然ながら今よりもずっと静かな雰囲気に満たされた場所だったのでしょう。周辺の駐車場などの用地買収も終わり、ゆったりと食事しながら散策を楽しめるような計画も進んでいるとかで、復元工事の完成が待たれます。

芝生の庭の先に、左側はコウヤマキ、右側には今は2本しかないアオギリが11本あったらしい。そうした緑の枝越しに、遥かかなたの富士山や日光連山が見渡せたとか。屋根の下の雨が落ちるところには溝ができていて、玉砂利を入れてある所なども、昔どおりの寸法に復元するのだそうです。(落ち葉が樋に詰まるのを、経費をかけて、こうして防いでいたのですね)。

きれいに刈り込まれた芝生と由緒ある樹木と共に、サクラも植えてあったらしい。日本花の会に当時の写真を見せたら、ソメイヨシノだったとか。

ソメイヨシノの起源については諸説も多いのですが、ウイルソンが1916年にオオシマザクラとエドヒガンの雑種説を提案した。国立遺伝学研究所の竹中要がその検証実験を行い、その結果を1965年に発表した・・・というあたりが、確かな情報なのだろうと思われますが、今後更なる研究が期待されるということのようです。

ソメイヨシノについては、松戸市の関さんの森で、お母さんの誕生記念に苗を植えたのが1902年なので、今年で115年たっている計算となります。今年も元気で花を咲かせたはず。

小石川植物園には1876年(明治8年)に植えた記録があるので、今年で樹齢141年たっていることになる。弘前公園では1882年(明治15年)に植えたとの説明看板があって、日本最古のソメイヨシノをアピールしているという話です。ここのサクラは、リンゴ栽培の技術を活用して、かなり剪定して積極的に施肥もして、若返りを図っているという独特の栽培方法をとっているとかの話です。

巨樹を案内すると、必ず聞かれるのが「樹齢」なのですが、動物の寿命と植物の場合ではまったく意味が違います。巨樹になって、中心部分はとっくに死んで空洞ができていても、樹皮が元気なれば生き続けられるのが、動物とは違ってたくましい植物の生きざまというものなのでしょうから。

それにつけても、市街地の過酷な条件で生き続けている街路樹に、もう少しは心配りして欲しいと思ったりするのです。

この松戸市の行事、おそらくは20年ぐらい続けているので、ご常連の参加も多いのが羨ましい限り。ミニコミ紙などの開催通知で今回は100人以上が集まって、昼食をはさん午後までの散策を楽しんだのでした。

《 かずさDNA研究所の公開講座 》

10月末には、久しぶりにかずさDNAの研究施設見学と開所記念講演会に出かけました。市街地の真ん中で暮していると、房総半島にはまだまだこんなにもみどり豊かな自然が残されているんだとほっとした気分になります。

車窓から見る枝打ちもされずに放置された杉林に、モウソウチクが侵入しているのも気になるし、道端に増えている外来種の種類をメモしたりしながらも、広々とした緑の風景には、やはり癒されます。

今までの講演会では、DNAの構造や最新データーの紹介など、かなり頭が疲れる話が多かったのですが、今回はだいぶ変わって、種苗会社の野菜のタネの話と、千葉県がんセンター研究所の最新情報でした。

この会場でいつも驚くのは、学生服・セーラー服の今どき貴重な若者が大勢参加していることです。理科系の先生の研修会や、高校への出前講座がかなり賑わっている気配なのがうれしい驚きです。

千葉県野生生物研究会では、千葉に生息するニホンイシガメの雑種からDNAの抽出実験や個体群調査などをやったらしい。「日本の未来を変える?人工知能とは―」とか「芝生の常緑性を科学する」などの勉強会も開催されているようです。

近くの市の公民館共同開催の行事で「DNAと老人病の講座」を開催したので出かけたら、なんと100人以上が集まってきたのにビックリしました。こういう需要も増えているのですね。

セイタカアワダチソウにどんな昆虫が寄ってくるのかが気になって、今年はこの花の開花を待ち続けました。人の丈よりも高く茂って、あたり一面をまっ黄色にしてしまってはうんざりですが、夏ごろに1回草刈して、背が低い状態で咲くとそれなりに愛嬌がある感じ。茶色になりかけたイネ科の細い葉とミックスすると、すごくいい感じで、湿原の草紅葉を連想したりしたのでした。

それにつけても、最近はコンビニでも除草剤を売っているのが驚きです。近くの駐車場脇で、野草の季節変化を楽しんでいたら、6月に枯れてしまった! 珍しくもカントウタンポポが咲いていたので、それを追いかけていたのに、です。

何か月かがたって、やっと緑色を取り戻したと思ったら、またもやまっ茶色にされてしまってガックリ。野草が緑色に茂っている風景だって、デカクなりすぎなければ、それなりに楽しいのに、と思う方がおかしいのかな?




by midori-kai | 2017-11-23 20:49

第83回10月(神無月)セイヨウアサガオ と アケビ

 秋が深まるとともに、野原はちょっと寂しくなるけれど、まだまだ元気に咲き続ける花と、実がなるものとが見られる。10月を迎えて、ナシ農家もほんのちょっとの一段落、青い空・澄んだ空気。実りの秋はたけなわです。

今月はセイヨウアサガオの花と、アケビの実をご紹介しましょう。セイヨウアサガオは、午後になってもしぼまずに、霜が下りるころまで咲き続けてくれるのがうれしい花。

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原産地は熱帯アメリカで、日本に渡来したのは昭和10年ごろ。当時はドイツアサガオとも呼ばれていましたが、ドイツとは関係なかったと思われるのに何故? もっともアメリカアサガオの名前もありました。この仲間には外来種も多く、クズやヤブガラシ同様に林の樹冠を覆い尽くして茂るので、嫌われる存在になっている地域もあるんです。

光化学スモッグの注意報がひんぱんに発令されていた頃、オキシダント濃度が高まった状態で4時間曝されると、葉の表面に黒っぽい斑点ができ、やがて穴が開いてしまう植物がいくつかあった。この実験によく使われていたのがセイヨウアサガオの「スカーレット・オハラ」という赤い花の品種でしたが、今でも環境学習の一環として、この調査を続けている学校はあるのでしょうか? 

イラストに描いたアサガオの苗は、浦安市の環境フェアで購入したもので、空色アサガオ「ヘブンリン・ブルー」と呼ばれる品種だったはずなのに、咲いてみたら白い筋の模様が入るフライング・ソーサーという品種でした。名札の間違いは、鉢の植え替えなどで頻発する事故です。植生調査をやっている時も、大勢のスタッフがかかわって作業すると、思わぬ混乱が起こることもしばしばあるんです。

10年ぐらい前には、真間山弘法寺のそばに小さな花屋さんがあって、お墓に供える花を売っていました。その横に3月末頃から咲き出す白い花のシナミザクラが植えてあった。

花屋のご主人に聞いたところ「サクランボの木を植えようと思って、佐藤錦の名札がついている苗を植えたのに・・・」とのこと。コルトンプラザ横の公園に植えてあるウメは、緑萼梅リョクガクバイ)だったのに、梅の実収穫用の白加賀の名札がついていましたっけ。

このセイヨウアサガオ、緑のカーテンに使えばいいのに、と思っている植物の一つです。ゴーヤはたくさん実がなりすぎて、もう誰も食べてくれないと、ぼやいている人がふえてきた感じ。つる植物にもいろいろあるのですから、季節変化を考えながら、いろいろな組み合わせを考えるのも楽しいのでは、と思っています。

アケビの実は、市川大野駅の北側、武蔵野線のフェンスに沿って、カラスウリやツルウメモドキなどといっしょに茂っていました。こども環境クラブのナシの収穫体験の行事の時のことです。

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まだ緑色の果実で開いていない状態と、開いたばかりで中の実が熟し始めた頃のとを、いっしょに至近距離で見ることができたので大感激!

アケビは、いつもは高い木にからまっているし、つる植物が気ままに茂っているのを見られる場所が少なくなっているからなおさらのことでした。

昔の子どもは、この実を見つけると、すぐに齧った。甘い実を食べながらタネを吹き出す。それが種子散布の役割も果たしていたのかもしれません。花の時期には、どんな昆虫などがやってきたのでしょうか。

入学前の子どもたちが、今回は何人も参加してくれて、みんながはしゃぎまわっていました。ベビーカーを曳いて参加してくれたお母さんもいました。このあたり、5年ほど前は雑木林やナシ園だったのに、きれいに整備されたお墓になってしまって、昔の面影がどんどん消えていくのが残念でなりません。



by midori-kai | 2017-10-31 07:19
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
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