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第103回 6月(水無月)ヤドリギ

ヤドリギ
高い木のてっぺん近くに、まん丸の緑の茂みを作っているヤドリギ。冬の季節の落葉樹だとこの茂みがはっきり見える。いつかすぐ近くでこの不思議な植物の暮らしぶりをじっくり見たいものだと思っていたが、やっとその機会に恵まれた。
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5月末に実施された三菱UFJ環境財団主催のふれあい楽習の奥利根でのこと。ダム工事にともなう土捨て場に緑の復元を目指す作業の一環で、とりあえずは土づくりのために肥料木として植えられたヤマハンノキを間伐したのだ。この先端近くについていたヤドリギは、直径40㎝ほどのかたまりだった。
果実は薄黄色で丸い。野鳥が食べると糸を引くようなねばりがあって、鳥の糞がうまく木肌に付着すると、タネはそこから発根して枝の内部にまで侵入し、ヤドリギの成長が始められる! 
葉は常緑だから、多少は光合成しているのだろうが、水分供給は寄生した樹木から貰っていることになる。伐採したヤドリギには実がついていたから雌株なわけで、どこかに雄株があることになるのだが、それは見ていない。開花は2から3月というから、もう花の時期は終わっていたのだろう。
常緑なので、ヨーロッパでは冬の時期には家畜の飼料にするという。イギリスでは実のついた枝をクリスマスの飾りに使う風習がある。それほど珍しい存在ではないようだが、1年の生活史の一部始終を確かめたい気持ちが深まってくる。

by midori-kai | 2019-06-18 06:40

各地の環境フェア、高校生大活躍の薬草園ツアー   高 野 史 郎

 5月末には異常に暑い日が続き、北海道では40度近い日があった。もう「観測記録上で初めて」などという報道も聞き飽きた感じ。
日本に来た東南アジアの人たちは、何日もシトシトと降る日本の梅雨に驚いていた頃もあった。熱帯雨林の地域では、ひどいスコールでも慌てて駆け出すこともなく同じテンポで歩いていて、傘をさしたりもしない。雨はすぐにやむし、アロハシャツもすぐに乾くからと気にしないのが不思議だった。
ツバメが駅構内のかなり奥のところに巣を作って、せっせと子供たちのために餌を運んでいる。エスカレーターの横をすり抜けて、入り口から15mもの奥の改札口近くまでツバメ返しで急カーブして、餌の配達に往復している。どういう脳の働きなのだろう。
6月といえば下旬には夏至だ。夜明けが早くなった。夏至の頃の日の出は4時半、日没が夕方の7時ごろ。12月末の冬至では、夜明けが7時近くで日没が夕方の4時半になる。それぞれに2時間半ものずれがあるのだ。生きものたちは、気まぐれに毎日変わる気温にとらわれることなく、日照時間で季節を確実に捉えているという。季節は、10年前とすっかり変わってしまったことも多くなった。

6月は環境月間でもあるので、各地で環境フェアなどが開かれる。市川付近の数か所の市も含めて30年近く参加や見学を続けているので、会場や運営方法の違いが感じられて面白い。会場への案内は市民に広く伝えられているだろうか? 主催する行政と、参加する市民グループとのつながり、協賛する企業との連帯意識などはうまくいっているのだろうか?
主催者側は、それぞれの持ち場があるから、開催当日の現場の状況をゆっくり眺めている余裕などない。でも誰かがそれを担当して全体の構成を、市民目線で眺め歩いて、次のステップにつなげてほしいといつも思う。
毎回気にしているのは、駅などから会場へのコース案内が殆どされていないこと。どうやら立て看板の設置がかなり制限されている事情もあるらしい。20年間かかわっていた公民館での環境フェアでは、当日の早朝からのぼり旗や矢印の案内表示を立て、終了直後にそれを回収するという方法を続けていた。市の発行する広報でも、関心のある人はその領域の記事を丹念に探して読むが、今は情報が溢れていて、かえって広報なども熱心に見る人が少なくなっている気配も見られるようだ。
会場のテントの内側に座っている人たちの、表情観察も興味深い。すぐに通行人の問いかけに対応できるよう笑顔を絶やさない人と、あと何時間ここにいればいいの、という疲れた感じで座っている人と。
市川市の環境フェアの会場は、ここ数年はコルトンプラザで開催されている。それを知らない買い物客も多いから、あの長い会場での全体をPRするのはかなり難しそうだ。一番奥のコルトンホールで市民グループが17のブースで展示しているのに気がつかない人も多い感じなのが気がかり。顔見知りのご常連だけが集まるだけでなく、この機会にもっと市川の環境情報を明るく楽しく発信してほしい。

すぐ近くの高等学校で「薬草園をめぐるツアー」の記事を広報で見て申し込み、参加したのでその報告もしておこう。この学校の前身は当初、市川市にあったらしい。いろいろな経過を経て、今は普通科の他に園芸科があるという。そして農業クラブが「薬草園復活プロジェクト」を立ち上げ、メンバー13人が活躍中というのだ。
自分にとっては、高校時代なんてもう70年も前のことだ。我が身のまわりはみんな老老介護を抱えている世代で、10代の人たちとのお付き合いなどなくなってしまっている。若い人たちが自主的に運営しているという企画に、大いに関心が深まっての参加である。
土曜日の1時半に学校に集合、10人ずつの班に分かれて前後に生徒さんが付き、いくつかの公園や地域の歴史を語るおじさんの話を交え、最後は学校に戻って薬草園見学とスミレの花びらを使ったストラップ作り、そして薬草園見学とハーブの粉を練りこんだ手作りクッキーのおもてなし。
こっちは一介の参加者だから、しゃしゃり出ちゃうわけにも行かないと、慎み深く静かにしていたが気がかりなことを、ちょっとだけ書かせていただこう。
①大きなクスノキが茂っている公園で、巨樹リストに入っていることなどを説明したのだから、落ち葉を拾って、匂いを嗅ぎ、確かめるようなつながりがあればよかったのに。②暑い日だった。参加者の多くは地元の高齢者だったから、水分補給の時間を。③生徒さんはみんな一生懸命だったが、遠慮がちにしゃべりながら歩くので声が聞こえない。照れているのか、初めての大人集団との対応で緊張しているのかな?
薬草園は、温室や野菜畑が広がる1画で、思ったよりも小さかった。16種類だったかの植物が大きく育っていた。カラシナは背丈ほどに伸びタネをつけた状態だった。
気になったのはどこの薬草園でも見られる傾向なのだが、ラベルの表記が古い時代の牧野図鑑にこだわっていて、かえって混乱を招く傾向が見られること。たとえば「サルビア」の表記。植えてあるのは香辛料のセージだった。
戦時中は敵国語でカタカナ表記が禁止されていた事情もあって、みんな和名に置きかえられた歴史がある。だから、マーガレットはモクシュンギク、ダリアは天竺ボタンというように。
そうした時代背景の中で、花壇に植えられる赤い花のサルビアは、図鑑ではヒゴロモソウと表記され、香辛料のセージが属名そのままで「サルビア」と書かれていた歴史を背負っていたのだが、若い生徒さんはその辺の事情を知る由もない。
salvia属は,図鑑ではアキギリ属となっている。このグループの日本の自生種は、キバナアキギリ、アキノタムラソウなどと9種類か。世界には約500種があり、花壇などで見られるサルビアの仲間もいまはたくさんの種類がまちを彩っている。
4時半に終了。最後は、スタッフ一同の生徒さんが前に並び、深々とお辞儀をしてくれた!

by midori-kai | 2019-06-18 06:37

第102回 5月(皐月)ジャーマンアイリス

5月というと昔ならば端午の節句、鯉のぼりに菖蒲湯と動植物がらみの話題も多い。アヤメの仲間の花も一斉に咲き始める。今月登場させたのはジャーマンアイリス、和名はドイツアヤメ。
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アヤメの仲間の花を見ると、誰もが「いずれがアヤメ、カキツバタ」という。ちゃんと伝えておこうとアヤメ属の生態から説明し始めると、長い話になってしまう。相手は、季節の挨拶みたいに口にしただけだったのだ。
アヤメ科の植物、世界におよそ70属1500種以上と恐ろしく多い。日本の自生種も10種ぐらいある。きれいなものは愛好家が熱心に育て新しい品種も次々と作られていく。日本のものは根茎つまり株分けで増やすものが主流だが、世界的には球根みたいな繁殖方法をとるものの方が多い。その中で、球根性(ただしくは球茎)の種類は、乾燥した地域に適応した生活型といわれている。
花の形からは、ヒゲが生えているタイプとそうでないものがあって、ひげ型の代表格がこのジャーマンアイリス。紫や黄色のほか、淡いピンクやオレンジ色などと多彩でレインボーアイリスなどともいわれ世界的にフアンも多い。
ところでこの形の花、メシベとオシベはどこにある? 虫媒花だが、虫たちはどこから蜜を求めて花の内部へと侵入する? サクラの花や菜の花とはまったく違う構造のようだ。植物と昆虫の共進化の長い歴史がこうした形になって現れたらしいから驚きである。
さて、あなたは、どこからこの花の不思議な仕組みの解明に取りかかろうか・・・?

by midori-kai | 2019-05-11 06:08

風薫る5月、落葉樹の芽吹きも深緑へ  高 野 史 郎

野草たちの花も一段落し、葉桜もその陰に小さなサクランボをつけているのに気づく。こざと公園に、そして道の駅近くの国分川調節池に、鯉のぼりが風にそよぐ。
 この時期、季節の進み方は実にめまぐるしい。市川のサクラの健康状態を30か所で記録し続けているが、ソメイヨシノはもうすっかり葉桜になってしまった。日本列島を北上し続けたソメイヨシノの桜前線は4月末に最後の花を咲かせて終わり、北海道でオオヤマザクラ(エゾヤマザクラ)にバトンタッチして5月にサクラが咲くのだから、日本列島の長さに驚いてしまう。
4月29日は昭和の日、この日は自然保護協会で「ネイチュアフィーリング」と呼んでいる障害者といっしょの自然観察会が開かれていて、今年で30年になった。つまり、30年間のこの日の状態を比較できるわけだが、7年前ぐらいには、まだ何種類もの里桜の花を見ることが出来たのに、ここ数年はすっかり葉桜になってしまって、殆どすべてのサクラが終わってしまっている。
ナシの花同様に、気候異変はこんなところでも実感できるというわけである。

◆国立公園のトイレ事情
この日は、芝生広場のずっと先、千駄ヶ谷門寄りに日本各地の国立公園や環境省の出店などもあるので、最新情報を求めてあちこちをハシゴするのを楽しみにしている。
今年立ち寄ってみたものの一つに、国立公園トイレマナーの展示があった。「日本の水はとてもきれいです。湧き水を飲むことを楽しみにしている方も多いと思われます。ツアー中にトイレの場所がわからずに自然の中でトイレをしてしまうと、湧き水が汚染されてしまいます。世界でも有数の日本のきれいな水を守るためには、排泄物を持ち帰る必要があります・・・」。携帯トイレ用品の展示である。
このメーカーは国立公園のオフィシャルパートナーにもなっている。ウームとうなってしまう。望ましい解決方法は、可愛いパッケージで包装された500円のそれを買い求め、常に携帯することになるらしい。まだ設置場所は少ないが、日本の国立公園の中には、トイレブースという小さなログハウスのような場所が増えつつあるという。
ある著名な女性登山家は、砂漠の中を何日も歩いた時の状態を話してくれた。トイレなどはもちろんどこにもない。だからと女性には長めの巻きスカートの持参を勧めていた。(男性の場合はどうなるのだろう?)。マングローブを調べに沖縄へ行った時、ハマボウの茂みが身を隠す場所になりその葉が使える、慣れてくると3枚の葉で処理できるという話をしてくれた女性ガイドさんもいた。ハマボウは、黄色い花が咲くハイビスカスの仲間。
世界各地で植物調査していた探検家の先輩は、空き缶1杯の水を背中側から徐々に流し、少し残した最後の水で左手を洗う術を獲得した! 実に気持ちいいと自慢していたが、とてもその訓練をする気になれない。
毎年11月に開かれる大洲防災公園での市民まつりでは、女性用トイレに長い行列ができていたことがある。国分にできた道の駅では、女性用トイレが男性用の2倍の数が設置されているのを確認して安心した。夏の尾瀬では、夜行バスで到着した団体が最初にする活動はトイレ前での行列。そして持参したお弁当を食べる。3時間ほど近くを散歩してそれで終わり。山小屋には何の利益ももたらしてくれない。
地震列島の日本では、災害はつき物のようだ。避難生活が始まれば最初に起こるのがトイレの問題。車イスの人たちが遠出する時も、最初に考えるのがどこにトイレがあるかの確認で、前日から水分を控えるという。もとより健康にいいわけはない。
いま日本の紙おむつの生産数は、赤ちゃん用が年間に14億枚、老人用がその半数といわれる。水分含有量が多いから重い! 介護施設では、大量の水分を含んだそれが出される。ゴミ回収は週3回から2回になった。きれいな水の確保とともに、よぎれた水の処理も大きな課題になっている。

by midori-kai | 2019-05-11 06:03

第101回 4月(卯月)大町会館のオオシマザクラ

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大町会館のオオシマザクラ

大町会館前に、宇佐美さんが安行から取り寄せたサクラの若木2株を植えたのが2016218日でした。玄関前には竹箒のように真上に枝が伸びる“天の川”、そして建物前の日当たりの良い所に植えられたのが“ボンボリ”です。まる3年を経過しましたが、毎年の成長量と開花が楽しみです。

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天の川
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                        ぼんぼり
会館前に並ぶソメイヨシノに混ざって、3月末に白い花が二分咲き程度になっている株を見つけて驚いた! 近づいて寸法を測ると、花の直径が4.5㎝あった。花と同時に明るい緑の葉を開く。青空をバックにするとそれが一段ときれいで、見とれてしまった。

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【4/13撮影】

このオオシマザクラ、潮風が厳しい伊豆七島などが原産とされている。三浦半島や房総にも見られるのは、薪炭林として古い時代に植えられたものだろうということで、タキギザクラの呼び名もある。

改めてこのオオシマザクラの木肌を眺めると、ソメイヨシノとは感じが違う。花の時期だからこそ、確かめるチャンスがあることを再認識したのでした。

ところで、41日には新しい和暦が発表されて、とたんに「リョウブ」を連想してしまった! 漢名では「令法」など、万葉集にはハタツモリで登場しています。田畑の面積に応じて計算される作物の本数などを意味していて「畑積もり」。植物の語源って、社会情勢や生活などと複雑に絡んでいるようです。

リョウブ飯は行者の食物としても知られている。よく乾燥するとこの葉は長期の保存食料となり、救荒食糧として利用されていたのだといわれる。はて、どんな植物か思い浮かぶでしょうか? 民家の庭に植えてあるのをよく見かける。なんていう木ですか?と聞くと、サルスベリと返事が返ってくることもしばしば。樹皮が剥げ落ちると斑模様ですべすべなのです。さて、市川大野の万葉植物園にもあったかな? これを機会に、万葉集と縁が深い市川市の歴史を思い出して見ましょうよ!



by midori-kai | 2019-04-12 06:28

国際森林デー2019 & 行徳野鳥観察舎への期待  高 野 史 郎

3月末にソメイヨシノが咲きだして、桜前線が日本列島を北上中! 北海道ではソメイヨシノは寒すぎて育たず、オオヤマザクラ(エゾヤマザクラ)が登場して5月上旬頃まで咲き続ける。

皆さんはどこへお花見に出かけたのでしょうか? 急に暖かい日が続いて開花が早まりそうになったり、寒い日が続いてやきもきしたり。三寒四温とか、花曇り、花冷えなどという言葉もあります。

今年は3月末から4月早々にかけて、東北で雪が降った。ドライバーの人たちがもう大丈夫と思ってスノータイヤをはずしたら、雪が降ってあわてたとか。まだ農業用ビニールが開発されなかった半世紀以上も前、4月上旬までは農家の人たちは大変な苦労をしていた頃を思い出します。ジャガイモを植えたいけれど霜にやられたら大変。トマトなどの果菜類の苗も、早く畑に植えたいけれど空を眺めて思案にくれる。そんな時代もあったのでした。

ところで国際森林デーって、ご存知でしたか? 森林や樹木についての意識を世界中に広めていこうという記念日で、201212月の国連総会で決議創設されました。日本でもこの運動を盛り上げようと、323日に新木場の木材・合板博物館で「みどりの地球を未来へ次代へつなぐ森林と木の文化~」のテーマで開かれたので行ってきました。

会場に入るなり、セーラー服の女子中高生が大勢いる。東南アジア系の人たちも大勢。いつものこうした会議とは雰囲気が大違い。後でわかったのですが、セーラー服の一団は合唱コンクールで金賞を受けた豊島岡女子学園の生徒さんたち、そして駐日大使館の職員や留学生グループが「ふるさと」を歌ったり、ダンスを披露してくれたのでした。

司会進行はミス日本みどりの女神の二人、英語の通訳も勤めてくれて国際会議の雰囲気が盛り上がります。宮田亮平・文化庁長官と牧元幸司・林野庁長官との対談も楽しいお話でした。後半は、各グループに分かれての木工教室や森の教室「ドングリ君と森の仲間たち」、熱帯動植物の折り紙教室、館内見学などへと引き継がれて行事が進められました。

昨年成立した森林経営管理法のもとで、日本の森林は新しい時代を迎えているようです。戦後に植えた人工林が50年を迎えて、伐採の時期が来ている。日本の木材自給率は36%を超えて、ここ20年間に2倍を超えた。ところが事情はかなり複雑です。

木材需要がふえているのは製材用のA材ではないのです。木材は利用方法によって4種類に区分されているらしい。A材:製材用、B材:合板用、C材:製紙用、D材:バイオマス発電用燃料の区分です。

値段が高いA材は売れないから林業家の収入にはつながらない。伐採後も再植林されない森が増えているという。森林所有者が積極的に管理しない森林は、市町村が預かり業務委託することが可能になったというマイナス面も出ているといわれています。

住宅着工件数も減っているから、林業家の収入はまた減り続ける。我が家の周り、新京成や武蔵野線沿線の小さな空き地やナシ畑が開発され、住宅地ができると見に行っています。この柱は何の木? 長さは? 合板は外国産のカラマツ(ラーチ:Larch)かな?などと。世の中、うまく回っていかないようなのが、なんともつらいです。

行徳の野鳥観察舎の蓮尾純子さんから、2月の市議会で野鳥観察舎の後継施設建設費が承認され、3月下旬には近隣住民への説明会も実施されたとの連絡を頂きました。旧施設の解体工事が終わり、手前の駐車場から先が通行禁止になって、野鳥病院へ行くのも終末処理場をぐるっと回って行かないと近づけなかった不便さも解消されたようです。

この春から、新しい野鳥観察舎の建設が始められるようですから、まずは明るいニュースです。施設の広さは延べ床面積が400㎡、2階建てで上から見ると8の字型のユニークなデザインです。無限な可能性をイメージして、優美な曲線で来場者が回廊を周遊しながら自然とのつながりを体感してほしいという願いがこめられているそうです。

1階は、管理事務所、カフェテラス、更衣室、シャワー室、倉庫など。2階は観察スペース、多目的スペースなど。まだ細かいことは関係機関と協議中で、変更されることもあるとか。かなり狭くなったようですが、近郊緑地での作業後の着替えなどがどうなるのか、野外での若い人たちとのふれあいの場、多様な来館者とのかかわり方など、気になることはたくさんあってもまずはうれしいことです。

一番気がかりなのは、ここが「行徳近郊緑地特別保全地区」と地図上にも明記されているのに、殆ど全く市民にはこの位置づけが知れ渡っていないこと。ここは自然度の高い保全地域なのか、市民誰でもが自由に遊んで楽しむリクリエーション地域なのか、理解されていないのがなんとも気がかり。広く市民に開放して、自由に歩きまわれるようにとの要望が絶え間なく出され、花壇の花やカワヅザクラが名物になったりするんですね。これは日本の自然公園法、国立公園指定の頃からの問題点です。

確か第1条には、「優れた自然景観を維持するとともに、積極的な活用を図り…」などとあったはず。これって危険な綱渡りなんです。戦前は、厚生省の体力局の管轄に自然公園法がおかれていたようです。外国観光客を期待して、日光が193412月の指定、伊勢志摩が1946年、新しいのが2016年の「やんばる」、2017年の奄美群島だったかな? 改めて、自然公園法を読み返えさなくっちゃ!

行徳近郊緑地は埋め立ての歴史を抱えながらも、市街地が増え続ける市川市内で今は殆ど唯一の、未来へと続け、生物多様性が成立し続ける可能性がある場所だと思うんだけれど――。




by midori-kai | 2019-04-12 06:18

植物スケッチを見ながらお話を聞く会

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by midori-kai | 2019-04-10 05:53

第100回 3月(弥生)鉢植えにして8年経ったマンリョウ

 15年ぐらい前には絶滅危惧状態という噂もあったマンリョウが、あちこちの雑木林に増えているのが目立つ。どうやらこの赤い実が、冬の餌のない時期にはヒヨドリなどの貴重な食料になるようで、そのタネが雑木林に運ばれているらしい。

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このイラストのモデルになったマンリョウは、8年前に知人から譲って貰った時は15cmほどの小さな苗だった。鉢植えにして、毎年の成長量を記録し続けているのだが今はもう50㎝以上にも育った。7月頃に白い花を咲かせ、秋には赤い実に熟す。何事もなければ花の咲く時期には、前の年に咲いた花が実になって、その両方をいっしょに見ることができる。

新芽は晩春頃から伸び始める。毎年少しずつ大きくなる筈なのだが、それを続けてどこまで伸びることが可能なのだろう? 葉の寿命はどうやら3年ぐらいと思われる。木質化した細い幹の下部から脇芽が出る気配は、全くない習性のようだ。

とすると、このマンリョウの成長の限界とか、寿命とかはどう考えたらいいのだろう。昨年の成長量は、斜めに延びるシュートが5cmほどだった。落葉樹では冬芽の部分が芽鱗痕(ガリンコン)として茎にあとが残るが、常緑樹の仲間は連続的に成長するからつなぎ目がわかりにくい。民家の垣根などで、他の木に囲まれているような条件では、身の丈ぐらいにひょろひょろ伸びているのもみかける。

アジサイなどでは、古い幹は茶色になって枯れ果てて、株もとから出る若い枝に順次交代しながら長生きしていくのが見られるのだが、その点では不器用な生き方が身についているのかなと思ったりする。幹の下部で切断した場合には、そのまま枯れこんでしまうのかどうなのだろう。

2年前の冬、その年の実と前年からの2年越しの実とがいっしょに見られる状態になった。絵を描き始めた。4Bの鉛筆でほぼスケッチし終えた早朝、何とベランダに置いたマンリョウの赤い実はすべて食べられていてショックだった! 

たぶん、ヒヨドリが見つけたのだろうが、30ぐらいあった実を1羽で全部食べたのだろうか? 夜明け前の薄暗いうちにベランダに来たのだろうか、謎は深まる。




by midori-kai | 2019-03-09 03:37

冬枯れの雑木林で  高 野 史 郎

ウメに続いてカワヅザクラが2月から咲いている。市川大野駅に近い万葉植物園では、2月末に福寿草が咲いていた。でもまだまだ、雑木林の芽吹きには、もう少し春の日差しが必要なようだ。

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                              河津桜 (カワヅザクラ)

しばらくご無沙汰している市川各地の雑木林が気になって、大町なし街道沿いの里山や堀之内貝塚などを見て歩いた。殆どが市街地化された市川だが樹林地が残されているんだと、ちょっとだけ安心する。自然に顔がほころんでくるのを感じる。

冬の雑木林を歩いていて思い出すことがいくつかある。環境学習が小学校の課題になり始めた2000年頃のこと。環境学習担当の先生が「冬の林なんて、何にもみるものないもんね」といったのがアタマにきて、文句を言ってしまった。それ以来、その先生は口をきいてくれなくなった!

またあるとき、里山グループの長老!たちと歩いていた折「冬の雑木林っていいですねえ」とふともらした言葉に感激した。まだまだ日本も捨てたもんじゃない、という気分になった。

「韓国の林を訪ねる森林ウオッチングの旅」というツアーに参加した時にはこんなこともあった。大寒か立春の頃だったか、道端でポリタンクにつめた水を売っている。コップ1杯日本円で50円ぐらいだったか。この季節に木が吸い上げる水を飲むと、健康で長生きするというのだ。何人もの林の専門家がいたのだが、「こんなにたくさん水を吸い上げるはずない、水増ししているに違いない」などといっているのが聞こえてしまって、現地を案内するということになった。

かなり歩いて到着したのはダケカンバのような木肌が立ち並ぶ林。穴をあけてビニールパイプを差し込んである幹から、ポトリポトリと水が流れて下のタンクに落ちていくのだ。みんな唖然としてしまった! みんなは先を争うようにその水を買い求め、神妙な顔をして飲んだことはいうまでもない。

ちょっと青臭く、かすかにうす甘い感じがする水だったが、その効果のほどはよくわからない。ともあれ、春の樹木が信じられないほどの水を吸い上げるのをその場で見て、うなってしまったというわけであった。

堀之内貝塚公園も、まだ春の訪れには遠い冬木立の風景だったが、自然のままに放置されたエノキの葉、クヌギの落ち葉などを踏みしめながら歩き、時々空を見上げた。まだ枝先は膨らんでいる兆候は見られない。

カントウタンポポは今も健全だろうか、年によって移動する傾向も見られたマヤランは、今も咲いているのだろうか。林の中ほどには「ドングリの森育成中」の場所もあって、思わずにんまりとする。ニイニイゼミが大量に羽化する木もあったはず。

フクロウがいた小さな森と小さな祠は、腐りはてていたのが残念だったが。今はこの樹林地のすぐ前を外環が通っている。かつてはネギ畑があった。太いソメイヨシノの並木もあった。林の中にコブシがほんのりと咲いていたりして、のどかな田園風景が広がっていたのだった。

この地域、歴史博物館に考古博物館と見どころは多い。もっと大勢の人が、この地に足を運び向かいから今へと、地元の自然環境全体に想いを広げていって欲しい。




by midori-kai | 2019-03-09 03:22

第99回 2月(如月)冬のハイビスカス

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ハイビスカス

5年ほど前に、市川みどり会の研修会で頂いた鉢植えのハイビスカス。10月までは次々とオレンジ色の花を咲かせてくれたが、秋の訪れとともに花が小さくなり、古い葉から落ち始めたので室内に取り入れた。ハイビスカスは、ハワイ地方の野生種などを基にして改良が進み、ハワイ州の花となっている。それをたどると中国が原産地なのかもしれないという説もあって、学名までが「ハイビスカス・ローザシネンシス」となっている。種小名は、何と「中国のバラ」なのだ。

最近は低温にも強い品種がたくさん出ているが、この花は10度ぐらいが成長の限界のようだ。30年ぐらい前は、完全な温室植物でもっと寒さに弱かった。鉢植え用にするハイビスカスは伸長抑制剤を使って、大きくなり過ぎないようにされている。頂いたこの株も4月になれば、またたくさんの花を咲かせてくれることだろう。

イラストの右側は、冬のデンドロビウム。ランの仲間は大所帯だが、その中でもセッコク属(デンドロビューム属)は1000種もの種類を持つ着生蘭の大きな属だ。この寒さの中で秋の終わりごろから花芽が膨らみ始めた。どうやら2年目になる茎が花芽をつけ、次の年には枯れてしまう。その頃になると株もとから新しい芽が伸び始める。こうした形で常に新しく、世代交代を繰り返しているらしい。



by midori-kai | 2019-02-25 07:58
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
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