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第100回 3月(弥生)鉢植えにして8年経ったマンリョウ

 15年ぐらい前には絶滅危惧状態という噂もあったマンリョウが、あちこちの雑木林に増えているのが目立つ。どうやらこの赤い実が、冬の餌のない時期にはヒヨドリなどの貴重な食料になるようで、そのタネが雑木林に運ばれているらしい。

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このイラストのモデルになったマンリョウは、8年前に知人から譲って貰った時は15cmほどの小さな苗だった。鉢植えにして、毎年の成長量を記録し続けているのだが今はもう50㎝以上にも育った。7月頃に白い花を咲かせ、秋には赤い実に熟す。何事もなければ花の咲く時期には、前の年に咲いた花が実になって、その両方をいっしょに見ることができる。

新芽は晩春頃から伸び始める。毎年少しずつ大きくなる筈なのだが、それを続けてどこまで伸びることが可能なのだろう? 葉の寿命はどうやら3年ぐらいと思われる。木質化した細い幹の下部から脇芽が出る気配は、全くない習性のようだ。

とすると、このマンリョウの成長の限界とか、寿命とかはどう考えたらいいのだろう。昨年の成長量は、斜めに延びるシュートが5cmほどだった。落葉樹では冬芽の部分が芽鱗痕(ガリンコン)として茎にあとが残るが、常緑樹の仲間は連続的に成長するからつなぎ目がわかりにくい。民家の垣根などで、他の木に囲まれているような条件では、身の丈ぐらいにひょろひょろ伸びているのもみかける。

アジサイなどでは、古い幹は茶色になって枯れ果てて、株もとから出る若い枝に順次交代しながら長生きしていくのが見られるのだが、その点では不器用な生き方が身についているのかなと思ったりする。幹の下部で切断した場合には、そのまま枯れこんでしまうのかどうなのだろう。

2年前の冬、その年の実と前年からの2年越しの実とがいっしょに見られる状態になった。絵を描き始めた。4Bの鉛筆でほぼスケッチし終えた早朝、何とベランダに置いたマンリョウの赤い実はすべて食べられていてショックだった! 

たぶん、ヒヨドリが見つけたのだろうが、30ぐらいあった実を1羽で全部食べたのだろうか? 夜明け前の薄暗いうちにベランダに来たのだろうか、謎は深まる。




by midori-kai | 2019-03-09 03:37

冬枯れの雑木林で  高 野 史 郎

ウメに続いてカワヅザクラが2月から咲いている。市川大野駅に近い万葉植物園では、2月末に福寿草が咲いていた。でもまだまだ、雑木林の芽吹きには、もう少し春の日差しが必要なようだ。

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                              河津桜 (カワヅザクラ)

しばらくご無沙汰している市川各地の雑木林が気になって、大町なし街道沿いの里山や堀之内貝塚などを見て歩いた。殆どが市街地化された市川だが樹林地が残されているんだと、ちょっとだけ安心する。自然に顔がほころんでくるのを感じる。

冬の雑木林を歩いていて思い出すことがいくつかある。環境学習が小学校の課題になり始めた2000年頃のこと。環境学習担当の先生が「冬の林なんて、何にもみるものないもんね」といったのがアタマにきて、文句を言ってしまった。それ以来、その先生は口をきいてくれなくなった!

またあるとき、里山グループの長老!たちと歩いていた折「冬の雑木林っていいですねえ」とふともらした言葉に感激した。まだまだ日本も捨てたもんじゃない、という気分になった。

「韓国の林を訪ねる森林ウオッチングの旅」というツアーに参加した時にはこんなこともあった。大寒か立春の頃だったか、道端でポリタンクにつめた水を売っている。コップ1杯日本円で50円ぐらいだったか。この季節に木が吸い上げる水を飲むと、健康で長生きするというのだ。何人もの林の専門家がいたのだが、「こんなにたくさん水を吸い上げるはずない、水増ししているに違いない」などといっているのが聞こえてしまって、現地を案内するということになった。

かなり歩いて到着したのはダケカンバのような木肌が立ち並ぶ林。穴をあけてビニールパイプを差し込んである幹から、ポトリポトリと水が流れて下のタンクに落ちていくのだ。みんな唖然としてしまった! みんなは先を争うようにその水を買い求め、神妙な顔をして飲んだことはいうまでもない。

ちょっと青臭く、かすかにうす甘い感じがする水だったが、その効果のほどはよくわからない。ともあれ、春の樹木が信じられないほどの水を吸い上げるのをその場で見て、うなってしまったというわけであった。

堀之内貝塚公園も、まだ春の訪れには遠い冬木立の風景だったが、自然のままに放置されたエノキの葉、クヌギの落ち葉などを踏みしめながら歩き、時々空を見上げた。まだ枝先は膨らんでいる兆候は見られない。

カントウタンポポは今も健全だろうか、年によって移動する傾向も見られたマヤランは、今も咲いているのだろうか。林の中ほどには「ドングリの森育成中」の場所もあって、思わずにんまりとする。ニイニイゼミが大量に羽化する木もあったはず。

フクロウがいた小さな森と小さな祠は、腐りはてていたのが残念だったが。今はこの樹林地のすぐ前を外環が通っている。かつてはネギ畑があった。太いソメイヨシノの並木もあった。林の中にコブシがほんのりと咲いていたりして、のどかな田園風景が広がっていたのだった。

この地域、歴史博物館に考古博物館と見どころは多い。もっと大勢の人が、この地に足を運び向かいから今へと、地元の自然環境全体に想いを広げていって欲しい。




by midori-kai | 2019-03-09 03:22

第99回 2月(如月)冬のハイビスカス

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ハイビスカス

5年ほど前に、市川みどり会の研修会で頂いた鉢植えのハイビスカス。10月までは次々とオレンジ色の花を咲かせてくれたが、秋の訪れとともに花が小さくなり、古い葉から落ち始めたので室内に取り入れた。ハイビスカスは、ハワイ地方の野生種などを基にして改良が進み、ハワイ州の花となっている。それをたどると中国が原産地なのかもしれないという説もあって、学名までが「ハイビスカス・ローザシネンシス」となっている。種小名は、何と「中国のバラ」なのだ。

最近は低温にも強い品種がたくさん出ているが、この花は10度ぐらいが成長の限界のようだ。30年ぐらい前は、完全な温室植物でもっと寒さに弱かった。鉢植え用にするハイビスカスは伸長抑制剤を使って、大きくなり過ぎないようにされている。頂いたこの株も4月になれば、またたくさんの花を咲かせてくれることだろう。

イラストの右側は、冬のデンドロビウム。ランの仲間は大所帯だが、その中でもセッコク属(デンドロビューム属)は1000種もの種類を持つ着生蘭の大きな属だ。この寒さの中で秋の終わりごろから花芽が膨らみ始めた。どうやら2年目になる茎が花芽をつけ、次の年には枯れてしまう。その頃になると株もとから新しい芽が伸び始める。こうした形で常に新しく、世代交代を繰り返しているらしい。



by midori-kai | 2019-02-25 07:58

 山崎先生が自然環境グループの活動記録まとめる  高 野 史 郎

今年の1月は殆ど雨が降らないで、乾燥しきった期間が長く続いた。大地に植えられたものは根も深く延び、何とか水分を吸収する方法も取れるだろうが、プランターなどに植えられたものは、すっかり乾ききっていた。夏の季節なら葉がしおれてしまうからすぐに気がつくが、冬に水やりする人は少ないようだ。あちこちで、寒さと乾燥とで枯れかかっている植物たちを見つけた。

2月早々になって、やっと少しはまとまった雨が降る兆しが出てきた。ロウバイ、サンシュユ、ウメなどが咲き出している。

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                              (枝垂れ紅梅/市川市大町にて)

すると今年のサクラいつ咲くの?という質問がでてくる。お花見の行事に関係してくると、年度末の3月に咲くか、4月にずれ込むかが重大問題だ。

この15年ほど、市川各地のソメイヨシノの咲き始めを記録し続けているが、2013年の3月18日に咲き出したのが一番早かった。さて今年は、どうなるのだろう?

気象庁のデーターでは毎年の変動が大きいから、30年間の平均で発表されている。それによるとソメイヨシノの開花は、東京で3月26日が咲き始め、4月3日が満開となっている。さて、あなたの周りのソメイヨシノが咲き始めるのはいつなのか調べて欲しい。

ところで、市川学園で長年教鞭をとられていた山崎秀雄先生が、大変な資料をまとめられたのをご存知だろうか? 市川市には自然環境系の専門家が大勢いらっしゃる。その活動の一つが市川市自然環境研究グループで、1971年12月に立ち上げられ、代表が岩瀬徹先生、事務局には石井信義先生が担当されていた。その40年ほどの活動記録が、山崎先生の編著という形で昨年末に発行されたので、ぜひ図書館などで手にとって熟読していただきたいと思う。

1960年代から、市川南部の埋立地などでは地下水の汲み上げなどによる地盤沈下が深刻だった。高度成長期に自然破壊が進む中で、大町の長田谷津に公園を作る話が持ち上がった。谷津田は水には恵まれているものの、湧き水は水温が低く、日当たりも時間が限られるから平田よりも収穫量が落ちる。減反政策の候補になりやすい条件が揃っている。当初は、サイクリング道路の建設や自転車の乗り入れなどの計画もあったらしい。

1978(昭和53)年には、当時の髙橋国雄市長宛に市川市自然教育園(付、自然博物園)構想案を提出している。膨大な資料を整理しての200ページにも及ぶ活動記録から、ほんの一部分だけを紹介させていただこう。

◆市川市は自然と文化の香り豊かな街といわれてきた。市川市内外には自然研究者や愛好家が多数在住や勤務しており、活発な活動を続けていてその蓄積も大きい。

◆すでに歴史・考古学関係では博物館があるが、自然関係には及んでいない。博物館単独の施設ではなく、野外観察地域を含めた自然教育園的な総合施設が望ましい。

◆さらに将来、新浜の野鳥保護地域、江戸川河川敷などを含めたネットワークが出来れば、現代的命題である環境教育の場として市民の要望にこたえることできるし、新しいまちづくりの試みとして先鞭をつけることが出来よう・・・。

これらの計画書は、自然関係の各分野の専門家が長期間にわたって実態調査の報告と、建物の大きさや展示テーマの一覧表など、詳細を極めている。

本の前半は、行政などへの働きかけ、要望書などの収録、行動の記録など。市川自然展の第1回は、1979年8月に当時の市川市社会教育会館(今の市川公民館)で開催されている。

第Ⅱ部では、自然環境講座の抜粋など。この第1回は、岩瀬徹先生の「雑草の暮らしと人間」、第2回は「市川の緑地の特徴」石井信義先生、そして第6回には「市川の干潟と海の生物」風呂田利夫先生、第11回には「市川市の地形」杉原茂夫先生と続く。30回を迎えた自然講座では、沼田眞先生を迎えての記念講演も開かれた。

これらの集まりの際に配布された資料が復元されて掲載されているので、今となっては貴重なデーターとなっている。

ユニークなのは、山崎先生が「どうしても伝えたいこと:(謄写印刷・温故知新)」で当時の印刷の苦労話を紹介されていること。若い人たちには想像もつかない面倒な作業が続けられて講座資料などが作られていたのである。青焼き・鉄筆・ヤスリ板などの道具の紹介。版下つくりには鋏とのりが必要だった時代がつい最近まであったのだ。

石井先生からバトンタッチされた岡﨑清孝さんの観察会資料の紹介もある。最後には、石井信義先生夫人の節子さんから「次世代の子供たちに貴重な自然を残したい思いから」のエッセイが載せられている。今回の著書をまとめるための資料は、石井節子さんの保存にかかわるものが多かったといわれる。

記録は、誰かが大変な苦労をしてまとめないと散逸され、不確かな記憶の断片となり、やがて忘れ去られてまた同じような過ちが繰り返されないとも限らない。

「交渉ごとは根気よくすることであるが、地方自治体のような大きな組織を動かすのは大変、交渉窓口になる担当の部長課長がその気になることが大切。担当が代わった場合には、その都度提出済みの要望書などのコピーを渡し説明をする。それと同時に、協力を惜しまないことを伝え、ともに行動して信頼関係を築くことが大切である」と山崎先生は締めくくっている。




by midori-kai | 2019-02-24 07:47

第98回 1月(睦月)タラヨウ

タラヨウ

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葉の裏側に鉛筆など尖ったもので字を書くと、やがてそこが黒くなるので葉書の木ともいわれる。東京駅北口にある中央郵便局の裏側にも植えてある。

しっかりした葉っぱは、小さいトゲが鋭いので触ってみるとすぐにわかる。高さは10mにもなるという。近畿以西の暖地の山などに自生しているのだが、縁起を担いでかお寺などにも植えられている。探してみたら、市川でも6か所で見つけた、高さは3mぐらいか。

傷つけると黒くなるのは、細胞内の酸化酵素が空気に触れたから。その昔、経文を書いたといわれるヤシ科の貝多羅樹(バイタラジュ)になぞられて多羅葉の名が付けられたといわれる。

京都では、火事の類焼を防ぐことで庭に植える習慣もあるとか。古い本には、「葉はお茶の代用になる、材はロクロ細工に利用される」と書かれているが、いつごろまでそんな利用があったのだろうか?実用化された例をご存知の方、是非お知らせいただきたい!



by midori-kai | 2019-01-17 04:01

クリスマスから…フルーツの話! 高 野 史 郎

冬至を過ぎて、ほんの少しずつだが日差しが伸びてきた。暗く長い冬が終わったと、北欧の人たちが待ちわびた春の兆しとしてお祝いした。それがクリスマスの行事と重なったという説もあるようだ。

クリスマスの花といえば、ポインセチア。和名は何と猩猩木、ショウジョウとはオランウータンのことで、真っ赤な顔に見立てたらしい。ちょっと納得し難い面倒な話です。最近は形の変わった品種も出回っている。

クリスマスのデコレーション同様に、いつこの花が店頭から消えるのかと見守っていたら、1225日過ぎに消えて、お正月飾りの売り場に変わった。商品ロスが話題になっているが、この花もそれと同じ運命をたどって捨てられてしまうのだろうか。

17日には、七草粥の材料としてパックにつめた七草がスーパーなどで売りに出される。最近は値段にも妙に端数がつくのだけれど、赤いダイコンなどが入っている高級品は400円ぐらい、普通の品は300円台か。それも17日夜には店頭から姿を消してしまう。もったいない! パックの中で、何日も経過した葉っぱは、もう生気を失っているから返品というわけにはいかない。栽培出荷した人たちは採算が合うのだろうか。

12月に県立中央博物館での千葉シニア自然学校主催「植物たちには、話題がいっぱい!」の特別講演会に参加した。講師は楽しい授業で評判の田中修先生(甲南大学)。話題は、涙の出ないタマネギとは?

なぜ石焼イモは甘いのか、なぜソメイヨシノは葉が出る前に花を咲かせるのか?などなど。

パワーポイントで親切丁寧に解説していただき、本当に話題がいっぱいだった。びっくりしたのは、殆どの受講生たちが、静かに聞き入り、几帳面にメモをとっていたこと。これは今どき、まさに驚異的な光景だった。最近はノート代わりにスマホの活用が増えている時代だから、なおさらのこと。

「ファブリック・キノコ栽培」ってご存知だろうか? キノコの原木栽培は重くて、高齢者の作業には負担がかかりすぎる。オガクズに糠などを混ぜてビンに入れ、キノコを栽培すると大量の使用済みオガクズが出てこの処分に困る。そこでオガクズの代わりに綿100%のオシボリに、米糠の抽出液を加えて栽培する。このオシボリは洗濯して何回も再利用できるのだそうだ。もう製品化され出荷もされはじめているらしい。

こうした講座などに、もっともっと多くの参加者が集まって、思い込みが多くなりがちな高齢者の意識回復に活用してくれればいいのに!と思うことしきり。

近くの小売店が少しずつ消えていき、コンビニやスーパーが買物客で賑わう。毎日の食材探しと献立に苦労は絶えないけれど、たくさん品物が並んでいればその場でメニューを考えられるから都合がいい。そんな事情もあってか、街から八百屋さんと果物屋さんが店じまいして少なくなった。日本では果物が高い。いまだに贈答品の名残を残しているのかもしれないが。

野菜と果物とどう違う? この質問は野菜畑を案内すると必ず聞かれるパターンの一つ。ところがお役所関連の専門家の解説は、どうも一般消費者の常識と外れている感じをずっと持ち続けている。

専門家の話では、木になるのが果物で、草の仲間が野菜と区別される。でもパイナップルやバナナは木ではなく、草の仲間だ。どちらも果物で、野菜ではない。イチゴは紛れもない草の仲間。しかし世界的に見るとベリーと総称される木本性のキイチゴが、外国では古くから栽培されている。普通のイチゴはキイチゴと一緒にされて、果樹扱いされる傾向が強い。

農学部系の学校では、温室は花卉研究室の縄張りだから、高湿度に弱いヨーロッパ系のブドウ栽培は、雨よけのためにガラス室で作られたりする。果樹研究室ではなく、花の担当者で管理を担当する。

そんなわけで、毎日の暮らしのセンスで区別してみましょうよと、環境学習の話題にしたりしているのですが・・・。生で食べる:加工して食べる。おかずにする:食後に食べる。甘い:甘くない。などなど。これはどっち? 君の家ではどうやって食べる? などと生活習慣から区別してみる。

メロン、ナス、バナナ、トマト、キュウリ、トウモロコシ、スイカなどで考えて表にまとめたりすると、ユニークな結論が出てくると思うんだけどいかが?

ここにも民族の習慣などが関係してくる。トマトは、外国では生で食べるよりも、煮込むなどしてから食べる分量のほうが多いらしい。すると、サラダではなく、おかずのうちか。

年末に海外旅行して果物の本を持ち帰った友人がいた。「おいしい熱帯フルーツの本」と思い込んで買ってきたのに、帰宅して開いてみたら植物分類別の木の実の解説でウンザリしたと。

植物の花が咲いたあとの結果が、みんなフルーツなんです。あ、この「結果」という言葉も、果樹栽培では実のなること。実を成らせる枝を、結果枝・結果母枝などと呼んでいるようですよ。

メシベの子房が受精後に肥大したものが真果(シンカ・true fruit)で、その外側といっしょに肥大成長したのが偽果(ギカ・false fruit)と果実の分類では表現している。ナシもリンゴも偽果という扱いです。キュウリもトマトも、タネを食べるのではなくその外側全体を食べる! 外国旅行で持ち帰った英語の本は、こうした理由のずれから起こったものなんですね。「つまらない本を買っちゃった、あげるよ」というのがこの話の結末でした。

いま、国際問題になっているクジラも、漢字では魚ヘンで鯨。広辞苑では「魚のような形をした大型哺乳類の総称、油や肉は食用に、骨は細工物に使われる」となっています。クジラを食べる習慣がなかった国の辞書では「海で暮らす愛すべき貴重な大型動物」と記載されているのかも知れない。食文化はそれぞれの国の長い習慣と結びついている。合意形成が難しい領域のようです。




by midori-kai | 2019-01-17 03:53

第97回 12月(師走)ツワブキ


ツワブキ 語源は「ツヤのある蕗」という意味らしい。

ヒマワリが真夏の暑い日差しの下で景気よく黄色の大輪の花を咲かせるのとは対照的に、ツワブキは冬に向かって咲く。福島以西の本州から台湾などの海岸近くに分布しているという。分厚い葉っぱだから、これならば潮風にも耐えられるだろう。

葉裏は少し薄い緑で、産毛のような茶色の毛を密生させている。舌状花は10枚前後か、地域によって花の大きさにも違いがあるようで、あちこちを比べながら調べてまわった。花数や大きさは、たぶん栄養状態によるもので、葉の数と正比例する傾向が見られるのか?

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花全体の大きさは5㎝から7cmぐらい。中心部の筒状花をルーペで見ると、メシベ・オシベの多様な状態を見ることができて結構楽しめる。アブラムシがついているけれど、この花に寄ってくる昆虫はどんな種類? イラストの右上には、雌花と両性花を並べて描いた。常緑の宿根草だが、タネからの発芽を確認したことはなかった。身近な植物も、見過ごしてしまわないでしゃがんで、じっくり会話してみることをお勧め!



by midori-kai | 2018-12-13 20:14

年の瀬、各地の行事に参加しての締めくくり  高 野 史 郎

早いもので、もう12月になってしまった。月日のたつのは早いものなどとみんながいう。今年の市川の紅葉はどうなのだろう。葉先がちょっと枯れて、モミジの赤の発色も冴えないかもしれないな。

塩害で茶色に枯れた葉っぱのその後の状況を、先月からずっと追いかけている。東浜先の三番瀬へも行ってみた。海を望む護岸下の砂浜に茂る防風林のクロマツがない所では、内側のカイズカイブキがやはり南側が目立って枯れこんでいた。

「茶色の葉がちゃんと落ちないで、枝についたままなのどうして?」と何人にも聞かれた。いつものように秋が少しずつ近づいてきたのならば、葉の栄養分をなるべく体内に戻して葉柄に離層を作り、ヌケガラに近い状態にしてから葉を落としたのだろうが、今年は想定外か、その時間的余裕がなかった。落葉樹たちは、かなりつらい状態でこの冬を越すことになるのだろう。

●宇宙船の食べ物事情

現代産業科学館で10月から開催している「宇宙(そら)の味~宇宙日本食と食品保存技術」を見に行った。JAXAで認証されている宇宙日本食ってどんなもの? 災害時の備蓄食品のことやら、宇宙船での資源循環・リサイクルはどうなっているのだろうと気がかりだったから。

宇宙船のような閉鎖空間で、生命維持の方法はどうなる? これを考えると何とも殺伐とした心境になってしまうのだが、人体をめぐるエネルギーの入力と出力などを調べることになる。1日分の酸素がおよそ800g必要で、二酸化炭素を1000g出す。体内の水収支は・・・?というように。

水も再生利用しなければならない! 液体の排泄物を飲料水に変えるのだ! 半世紀ぐらい前に、こうした基礎研究が進められ開発されていった長い歴史の積み重ね。排泄物からクロレラを培養したらどうなる?でもそのまま食べるのは消化も悪いし気持ちが悪い。クロレラをミジンコに食べさせ、それを魚に・・・というようにぐるぐる回していくと、生態系は止めどなく複雑な回路になってしまう。

宇宙船状態の環境でどんな動物が飼える? 闘争的にならず、雑食性で粗食に耐え、宇宙船酔いしないもの。食用としておいしく良質の蛋白質のもの。ブタよりもウサギのほうが船酔いしない傾向が見られるらしい、などなどの研究もあったようだ。いまこの地球では、食品ロスが問題になっている。災難時の対応などと結び付けて考えると他人事ではない!

ところで、いままで宇宙は無重力と単純に思い込んでいたのだが、飛行する400㎞の高さでは地上の重力の9割程度となるという。つまり無重力なのではなく回転する遠心力とのバランスの結果で、微小重力環境というのだそうだ。宇宙船の中で缶詰を開けても、それが目の前に浮いているのが不思議。こうした環境で、ブタやウサギだったらどんな心境になるのだろう。シダレザクラを持ち込んだら、枝先はどっちに向かう? 

ともあれ、あの狭い宇宙空間の中で、この活動を支える大勢のスタッフを信頼しきっていての乗船となるのだ。宇宙飛行士の金井さんは、稲荷木小学校の卒業生なのだそうだ。

千葉市での植樹に参加

1124日には、イオン環境財団が主催する800名大募集の「千葉市植樹」に参加した。海浜幕張や鎌取駅がバスで参加する人の集合場所で、そこから会場までバスで連れて行ってくれるというからありがたいこと。植える場所は千葉市若葉区の泉自然公園。あそこに植樹する場所なんて残っていた? 

溝腐れで幹が変形したスギを伐採した場所を、野鳥の楽園に再生しようという説明で納得した。千葉市長なども来られて開会の挨拶。イオンのこどもエコクラブ関係者など大勢で賑やかな集まりとなった。植える樹木の種類は、コナラ、イロハカエデ、マユミ、ガマズミ、ウメなどの8種類。ポットで育て40㎝ぐらいに育てたものが用意されていた。

どんな年齢の人が、どこから集まってくるの? 苗の植え付けについて、リーダーはどんな説明をするのだろうと興味しんしん。植える場所には1m間隔ぐらいに石灰で印がつけられ、そこに8種類の苗をランダムに植えていく作業だったのだが、あっという間に終わってしまってかなり欲求不満状態に。

何回も参加したというイオンの人の話では、前回は荒地を耕すことから作業を始めたので大変な苦労をしたのだと。かなりの密植なので、数年後にどうなるのか確かめに行かなければ。

市街化が進む市川では、そんな場所はどこにも残されていないけれど、最近は古木・巨樹が暮しづらい環境になって個体数の減少が続いているのを気にしている。緑のゾーン計画を、次世代の緑をどう育てていくかの視点が必要だろう。

中央博物館で「こども環境会議ちば」

122日には、県立中央博物館などを会場に「こども環境会議ちば」が開催されたので応援に出かける。集まったのは、千葉県のこどもエコクラブで活動するグループの子供たちとサポーターなど60名あまり。各グループの紹介やらこの1年間の活動報告とそれをまとめた壁新聞の展示など。今回の講師は、中央博物館の林浩二先生。

参加した小学生たち、殆どの子が下を向いてメモを見ながら小さな声での発表となってしまうのがいつもながら残念! 大人が忘れてしまっている若々しいセンスでの、明るい発言が期待されるのに。

林先生の講評では、三段跳びを例に挙げて、ホップ:何をしましたか? ステップ:こんなことを感じました! ジャンプ:もっと知りたい、次にはこんなことを調べたい。自分には何ができる? みんなに呼びかけるためにはどんなふうにしたらいい、などとつなげていって欲しいとのお話で、三段跳びの実演までしてくれた。

市川からは、家族ぐるみで活動している「ななちゃんず」が、環境活動をカルタにまとめて発表してくれた(石川菜奈ちゃん一家の温暖化対策取組みが、121日号の広報いちかわに掲載されているので是非見て欲しい!黄色の表紙の広報№1605)。

いま中央博物館では「房総丘陵はすごい」の企画展をやっている。世界最大のトドの顎の骨の化石などが展示されている。1224日まで。

帰り道、青葉の森の紅葉の進み具合を眺め歩いた。青い空をバックに赤や黄色、茶色と多彩なグラデーションが素晴らしい。何人もの日曜散歩の人たちが通り過ぎていく。驚いたのは、その殆ど全部の人が歩きスマホに夢中なのだ! カップルまでが、それぞれ下を向いて歩いていく。どうも、かなりおかしな状況になっているようだ!




by midori-kai | 2018-12-13 20:02

第96回 11月(霜月)イヌサフランの花


イヌサフランの花

ナシ畑や霊園もある市川大野駅に近い道端の草むらで、イヌサフランのピンクの花を10月に今年も見つけた。

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毎年何回かは歩いている場所で、ナシの新高が収穫期を迎える晩秋に、突然のように咲き出している。花の時期にはヒガンバナと同じように葉がない。誰かが畑の縁に球根を植え付けたものらしい。野草の茂みの中なので、すごく目立つ。

イヌサフランは、属名がコルチカム。半世紀以上も前、種無しスイカを作るのには、この植物から取り出されるコルヒチンによって作り出された。通常の細胞分裂を阻害して倍数体を作り出す働きがある。作られた4倍体の花に、普通の2倍体のスイカの花粉を付けると3倍体スイカができる。これが種無しの秘密の仕掛け。

4倍体にすると大きくなるものが出てくる。カーネーションなども大型の花になる! 大きいことはいいことだ!と、倍数体を作れば立派になっていいことづくめ、と思われたのだが、自然界はそんなに簡単なことではないとわかって、いつの間にかブームは消えてしまった。

このコルチカムは、花の咲く時と葉が出る季節とが半年ずれる。机の上に球根をころがして置いといても花が咲くという不思議な植物である。

そんな習性を持つのだが、古くは通風の薬などとしても利用されていた。しかし、毒と薬は紙一重、多量に服用すれば免疫機能が低下し腎臓障害やひどい下痢など、かなり危険を伴う薬であるらしい。

長いメシベは濃い赤紫でオシベの葯は黄色、オシベが3本ということはアヤメ科の証拠で、花壇の春を飾るクロッカスや、薬用にするサフランとは花の形はそっくりだけれど、6本のオシベを持っているからユリ科というわけで、他人のそら似。分類は紛らわしいことになってしまう。

まだ枯れた球根(正しくは鱗茎)から、葉は出てこないので、参考のためにイラストには薬用植物で無毒のサフランを描き添えることにした。右下の写真は、昨年のイヌサフランの花の終わり頃のもの。



by midori-kai | 2018-11-14 20:28

北西部の天然記念物をめぐる、そして大洲の市民まつり   高 野 史 郎

昔は二百十日などという台風を呼ぶ言葉があった。立春から数えて210日目で、いまの91日にあたる。この頃が台風来襲の時期だったそうだが、今は何回も超大型がやってくる。10月の24号・25号では各地にひどい被害をもたらした。雨が少ない風台風だったので、塩分多量の風が、葉っぱにべったり、茶色になって葉が枯れた木々も多かった。大町のナシ農家もこの被害にあって、ナシの花の狂い咲きも見られたという。

どんな場所の、何の木の葉が茶色になったか? 市川各地から浦安の海岸の方まで見て回った。やはり、落葉樹のケヤキ、サクラ、プラタナスなどの被害が大きかったようだ。35年ぐらい前だったか、降水量が少ない風台風で、潮風に強いタブノキの葉までが茶色になっているのに驚いた記憶がある。それにしても、砂浜に咲くハマヒルガオなどの海浜植物が、吹きさらしの場所で育っているのだから逞しい。

狂い咲きのメカニズムはざっと次の通り。多くの落葉樹などでは、来年の花芽や葉芽は7月頃から準備に入る。早とちりしないように、葉では抑制作用があるアブシシン酸と呼ばれる植物ホルモンを分泌して、冬芽が完成され越冬準備になるまで待ったをかけている。ところが、ブレーキ役の葉っぱが落ちて、タガが外れてしまった!というわけ。

しばらく市川の北西部に出かけていないので、北総線の北国分駅から歩き始めることにした。まずは市川市の天然記念物のハリギリがある伊弉諾(イザナギ)神社。駅からもかすかに見える枝先が元気なさそうな気配。近づいて見上げてビックリした。かなり枯れこんでいるのだ。1979(昭和54)年の指定当時は、胸高幹周が2.62mだったが、もう3mを超している。幹が太くはなったが、枝先は少なく衰退が目立つ。根元の周囲は針金で囲ってあるのだが、ここが落ち葉の捨て場になって30cmにもなっているのがやはり気になる。根が呼吸困難になっていなければいいのだが。

西側の通りに戻って、歴史博物館や堀之内貝塚に向かう道路にはポプラみたいな樹形のムサシノケヤキが南に向かって並木になっている。木の葉もかなり痛んでいる。

この地域には天然記念物が集まっているのだから、そこをつなげて歩く気になって、細い道を何回も曲がって禅照庵へ。ここには、県内最大級といわれるラカンマキが元気に葉を茂らせていた。ここから裏山にかけては、自然状態に近い感じで茂っている樹林地が残されている。シロダモ、ヤブツバキ、ケヤキなど。このラカンマキは小型ながら300年を超すのではないかと、いまは亡き岡﨑清孝さんと話し合った記憶がある。

ここから西南に向かって、外環を通り越した通路沿いにある愛宕神社は、二本並んだイチョウがやはり市の天然記念物で、1983(昭和58)年の指定。二株の間が2m弱で、この根元の間を踏みつけるように歩いて奥の愛宕神社に向かうことになるのがちょっと痛ましい。奥までは細い参道が続きクヌギの並木があるのだが、民家に日陰を作るのでぶっつりと胴切りされている。今は住宅地が込み合うせまい敷地で、緑をどう残したらいいのか、つらい選択を迫られる課題となっているのも実感しよう!

ところで、市川市民のどのくらいの人がこれらの天然記念物のこと、気づいているのかなと気になってきた。葛飾八幡宮の千本公孫樹はよく知られている。が、その他は殆ど知られていないのでは? 役所のどこが管轄しているのだろう。簡潔な解説が欲しいとずっと思い続けているのだが。

113日には、大洲防災公園で恒例の市民まつり。大変な賑わい。市川みどり会では「この葉っぱは何の木?」のクイズ。テントの天井に風船がたくさん!つっかえた状態で並んでいる。この風船欲しさに家族連れの行列ができていた。

箱の中にパウチされた葉が詰まっていて、10種類ぐらいの一覧表から何の木だか当てるもの。これを機会に近くの林へ出かけて、実物を確かめに林へ出かける人が大勢現れてくれるとうれしいのだが、残念ながら風船を貰って終わりの人が殆どなのだろうな!

ともかくこれだけ大勢の人で賑わっては、防災公園の樹木にとっては根元を踏み固められて災難なことだ。ここの樹木の塩害はどうなのだろうと気になって、隅々まで調べまわった。

ケヤキはやっぱり全体の葉が茶色になっていた。10mぐらいありそうな背が高いポプラは、風当たりが強い南側がやはり茶色になっていた。左奥にはバラ園があって、ここには市川駅南口のロータリーと同じくマメナシが植えてあるのに気がついている人、殆どいないのでは。

何とこのマメナシ丸い葉もかなり痛んでいて、先端が特にひどい。ここでもナシの花の狂い咲きが10輪ほど見られた!




by midori-kai | 2018-11-14 20:20
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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