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梅雨が明けたら 今度は酷暑だ!    高 野 史 郎

 日照不足に悩まされ、今年の梅雨では野菜もナシも受難が続いた。7月末のぎりぎりに「梅雨が明けたと思われる」という気象庁の控えめな発言、そしてその直後から恐ろしい猛暑が連続して続いた。外を半日歩くと、もう背負ったリュックの背中側までぐっしょりと汗でぬれる。畜産農家では、乳牛も食欲低下で牛乳の出が悪くなった。大型扇風機を何台も並べて、24時間回し続けているとか。

ちょうど1年後には、オリンピックが始まる。マラソンなどは暑さ対策で朝のスタートとなるらしい。それを支える大勢のスタッフは、早朝からの準備となるだろう。30度を超える温度ばかりでなく、おそらくは90%という飽和状態の湿度に悩まされることになるのだろう。日本の夏は蒸し暑いのですよ。

◆もう雨は、ちょうどよく降ってはくれない時代に

相変わらずの豪雨災害も各地で頻発している。マスコミで伝えられる避難場所の状況は、考えるだけで落ち込んでしまうほど。最低でも一人1日に3リットルの飲用水が必要といわれる。それを少なくとも3日分、できれば1週間分はほしいといわれている。重さだって相当なものです。準備できますか?

日常の暮し方から考えれば、それだけで済む水の量ではないことは誰もが知っている。水の必要量は個人差が極端にあるらしいが、炊事・洗濯・風呂・トイレでそれぞれに50リットルずつ使っているといわれる。昔のトイレは1回に20リットル必要としたが、最新型は1.8リットルと、かなりの省エネに改良された。実際の避難所暮らしではどんな暮らしが成り立つのか、考えると恐ろしくなるから、当分は大丈夫だろうと勝手に解釈してごまかしているわけなのだけれど。

そんなことを考えながら、市で発行しているハザードマップを広げ、真夏の昼下がり、大洲と広尾の防災公園を歩き回った。災難がやって来るのはいつも突然で、天気や時間帯は無関係ないのだから。

◆防災公園へ行ってみよう!

大洲防災公園は、広さが2.8ヘクタール。秋には市民まつりが開かれているから、場所は知っている人が多いだろう。でも竈にもなるベンチとか、災害時には非常用トイレになるマンホールなどは、おそらく誰も実際に使ったことがない! 

市民まつりと違って、災害時には連絡バスなんて来ないんですよ。役所の担当者がすぐに現場に到着してくれて、てきぱきと群衆整理してくれるとは限らない!

広尾防災公園の方は、総武線沿いで暮らす人にとっては知らない方も多いことだろう。地下鉄東西線の南行徳駅から歩くと、20分ぐらいかかる。防災公園として開園したのは平成22年(2010)のこと。こちらは広さが3.7ヘクタールとかなり広く、真ん中部分は芝生広場になっている。ここは市川市の南端に近く、島尻・新井の先は浦安市当代島となる。

浦安市の郷土博物館では、館内の小さなホールで地域の歴史などが上映される施設があり、昭和241949)年8月末に関東を直撃したキティ台風の記録などもある。当時の浦安町全戸数の3240戸のうち、床上浸水が2419戸と報告されています。明日はわが身、となるかもしれない!

◆ハザードマップも見ておこう!

 この際、ハザードマップも確かめておきましょうよ。市川市の小学校には、校門のところに海抜の高さが表示されている。あなたが暮している場所の安全度は?

縄文時代には、じゅん菜池や堀之内なども海とかかわりが深かったのだろう。堀之内の考古博物館には、昭和33年に平田の工事現場で見つかったコククジラの骨格標本が天井から吊り下げられている。今から5000年ぐらい前のことだったらしい。

ハザードマップでは、過去のデーターから地震や津波などの被害予想が図示されている。いざとなったときの避難場所はどこ?などを確かめておこう! そこにはどんな設備が揃っているの? 公民館には備蓄倉庫があったりするけれど、緊急時に誰が鍵を持って駆けつけてくれるのか、知りませんねえ!

ご参考までに、具体的なお話を少しだけ。

もう数十年も前、ネパールへ旅行していたグループが、台風とストライキで飛行機が飛ばない。帰国予定が5日ほど狂ってしまった。

彼女らを襲った最初の困難は、なんとトイレットペーパーだった。ホテルの備蓄ゼロ。お互いに、わが身の事情が優先されるから助け合ったりはしなくなる。非常持ち出しのリュックに、トイレットペーパーは必需品です! なお、高級なティッシュは水に溶けにくく、トイレ詰りの原因に直結することもお忘れなく! 

3.11の際の船橋市での事例。船橋漁港近くの小学校が避難場所になっていたけれど、そこは海抜1mぐらい。そこも浸水被害がひどくなって、真夜中になってから少しは山側の公民館にと、続々と数千人が押し寄せてきたんです。そんなことは全く予測していなかった。マットも毛布も何も用意されていなかった。慌てて手配しようにも、渋滞で車が動けない。そんな事態を想定していなかったのですね。その日は、たまたま、講座を担当していて現場にいたわけでしたが・・・。

江戸川区は、長年洪水対策に苦労して来た地域です。今も市役所前には台風時の水位を示す三角形の高い柱が立てられている。キティ台風の潮位:+3.15m。大正6年の最高潮位:+4.21m。高潮対策の基準潮位:+5.21mなどと。

市川市でも行徳地区や総武線沿いは標高が5メートル以下なんです。気象災害はますます増加しそうな昨今です。明日はわが身。防災公園の現場も行って確かめてみよう。ハザードマップも、いざという時に備えてチェックしておこう。

問題は、担当の方々の熱心さと予算の裏づけ、そして市民の関心度の組み合わせとなるのでしょうか。昔は、台風は9月になってから来ると思われていたようですが、今は夏のはじめから押しかけてくる時代になったんです。雨は適量が万遍なく降ってはくれない。この傾向、ますます増加していきそうという恐ろしい時代が来ているようですよ。





by midori-kai | 2019-08-25 06:21
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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