ようやく秋がやってくる? 高 野 史 郎

観測史上初めてという、新記録ずくめの気象災害が続いている今年です。例年はどのくらいの数字だったとのだろうと、理科年表を開いてみました。

国立天文台編によるこのデーターは、西暦年の1の年から始まる30年間の平均で表示されているので、今並んでいる数字は、1981年から2010年までの30年間のものです。

降水量は、東京が年間で1528ミリ、銚子が1660ミリ。大ざっぱにいって、人の身長ぐらいの雨が1年間に降るというのが今までの常識だったのです。今は1日に1000ミリも降ってしまうことが台風の度に起こるのだから恐ろしい!

月別に見ると今までは910月の降水量が多くて、この2か月だけが月間に200ミリ以上となっていた。最近は、この数字をはるかに超える雨が1回で降ってしまう。ひょっとすると、これから先は毎年この数字が並ぶことになるのかも知れないようなのです。

生物季節の調査も、方法は少し変わってきているものの、ずっと続けられてきています。ススキの穂の開花は東京で99日、イチョウの葉の緑が消えて黄色くなるのが1120日、イロハカエデの紅葉が1127日となっています。銚子では海風の影響で、これよりも半月ぐらい遅くなるのがいつものこと。さて今年の大町・自然観察園のモミジの見どころは、いつ頃になるのでしょうか? そして、市川で野生状態のススキが見られる場所も少なくなっている感じです。我が家の周辺は、外来種のセイバンモロコシの大群落ができています。

近頃は秋になっても、夕方以降の気温が下がりにくくなっている。急な霜で色づき始めた紅葉が枯れこむことはなさそうな昨今だけれど、きれいに色づく今年の秋であって欲しい。

ところで、7月に行徳の歴史と文化を伝えるふれあい伝承館がオープンされたのは、ご存知でしたでしょうか? 国の有形文化財に登録されている旧浅子神輿店の主屋などが整備され、きれいな休憩場所もできました。これを機会に、しばらくご無沙汰していた行徳地区を何回か歩き回ったのですが、恐ろしく暑かった! 行徳の大通りには街路樹が殆どない。日当たりがよすぎるんです。

昼間は南側からの強い日差しをまともに受けてしまう。江戸川沿いを歩く午後から夕方は、背中に西日が当たり続ける。脱水症というのはこういう場合で起こるのだろうな、それを身をもって実感したのでした。ここ何十年か、行徳地区の巨樹やサクラ調査で走り回っていたけれど、まちかど回遊レンタサイクルが廃止されて、ひたすら歩き回ることになってしまったというわけです。

伝承館オープンの日に、お神輿を担ぐ人たちの元気なのもビックリしたことの一つでした。昔住んでいた大野地区でお神輿を担ぐ人たちは、ナシ農家の大旦那さんとおぼしきかなり高齢の方が多かった。それが行徳では大違い。どこから集まって来られたのか、かなり若い人が多かったんです。地域別の年齢構成比みたいの、いつか調べてみなくっちゃ!

寺町の社寺の巨樹をめぐる風景の移り変りも、ずっと見てきました。民家や駐車場にせばめられて、地域の守り神とか、鎮守の森という感じではなくなって来ているのが残念です。権現道も、歩くだけで楽しい・懐かしい雰囲気に浸れるようなムードがあるといいのに。

今年も何回か関東の水がめといわれる、群馬県のみなかみ町へでかけました。あれ、ダムの水が少ない! 聞けば上流に集中豪雨が降り、満タン状態になって緊急放流する危険を未然に防ぐため、6割ほどの貯水量に制限しているのだとか。この地方では、6月ごろが山の雪解けとなりダムに水が集まる。その頃がちょうど下流の田植え時期になる。毎年同じ時期に何回かずつダムを眺めるようになって20年以上が経っているのだけれど、水をめぐる自然環境と人の暮らし方にも大きな変化が現れつつあるようです。

森林作業体験のこの夏の事件は、2か月ぶりに戸をあけた山の道具置き場に何とキイロスズメバチが巣を作っていたこと。作業道具を取り出せないで大騒ぎとなりました。

いろいろありまして、そこから取り出した蜂の子、さて誰がどうやって食べる? 講師役の営林署のベテランOBが鉄板を取り出して、食べる準備を。2センチほどの大きさのものが数百匹。足の形が僅かに見えるものもあって、ちょっと勇気が必要です。平気で何匹も食べた若い女性に感想を聞きました。「レアなのは、濃厚な蛋白質のかたまりという感じ、よく焼いたものの味は白子みたい」とのことでした。

サル、クマ、シカと野生動物の被害の話もたくさん伺うことができました。山の遭難救助についての貴重な体験話も。今年の秋のブナの実やドングリは、豊作なのでしょうか?




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by midori-kai | 2018-11-01 15:16
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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