第93回 8月(葉月)柱サボテンの花

柱サボテンの花

 サボテンの花で一番知られているのは、たぶん「月下美人」だろう。暗くなる頃に咲き始め、夜明け

にはしぼんでしまう数時間の花の命。これを普通の図鑑で調べようとしても、まずサボテン科の項目が

ない。理由は、日本の野生種ではないから! 半世紀前の古い牧野図鑑で確かめてみたら、ウチワサボ

テンとシヤコバサボテンの2種類だけが記載されていた。

 サボテン科の植物だけで、世界には1200種ほどが南北アメリカに分布しているらしい。このほかに、

ベンケイソウ科やザクロソウ科の仲間などの多肉植物が世界各地に、おそらく何千という単位の種類が

あって、このグループだけの愛好家が大勢いらっしやる。

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 要するに葉っぱが退化して、緑色の茎が柱やウチワ型や丸型などの固まりになっているグループ。ト

ゲトゲになっているものも多く、その中には、花を観賞するグループもある。

 近くの民家の庭先に植えてあるトゲトゲ8角形の、3mほどに株立ちで育っているサボテンが7月末

から咲き始めているので、絵を描くことにした。花の直径は12cmほど。オシベの数がものすごく多い。

 今年のように、真夏日が続いて雨が降らない年には、普通の植物ならば葉っぱがしなびて枯れ果てて

しまう。でもサボテンは平気!

 植物は緑色の部分で光合成する。その原料は、空気中の二酸化炭素と根から吸い上げる水分。光合成

と同時に植物は絶えず葉の裏から水分を蒸散させている。乾燥している時にはどうなる? これに対応

してサボテン類は、昼間は気孔を閉じて水分を節約し、蓄えた二酸化炭素で光合成をする。 CAM植物

とか、ベンケイソウ型有機酸代謝植物などといわれる。

 トゲトゲなのはどうして? 動物などに誓られないため! でも動物の中にはトゲトゲを平気で誓

って食料にしてしまうツワモノもある。サボテンのすぐ下に生えていれば、多少は暑さをしのげるし、

誓られる被害をまぬかれるものかもしれない。「寄らば大樹の影」と、思う植物もある。

 真夜中に咲くサボテンの花を眺めながら、そんな原産地の風景を、生きもの世界のつながりを想像し

ましょうよ。

 大町の自然観察園には観賞植物園もあって、入りロ付近にはサボテン類もたくさん植えてある。食虫

植物も並んでいる。温室の中で、餌にする昆虫はやってくるのだろうか? 夜に咲くサボテンの花に、

蛾が来てくれるのだろうか、などと考えると楽しくなりますね!


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by midori-kai | 2018-11-01 15:13
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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