鯉のぼりの季節、北国分の道の駅へ行ってみた!  高 野 史 郎

どこへ行っても、この春はいつもより半月早いという。429日の昭和の日、ここ20年ほどは自然保護協会の「障害者といっしょに」というゆっくりしたテンポの自然観察会に参加しているが、もうサクラの花がすべて終わって新緑状態になっていた。5年程前には、ソメイヨシノよりも遅れて開花する里桜のグループ、関山や普賢象、一葉、鬱金、御衣黄などが満開だった年もあったのに。

10年前頃には、ナシの花は4月になってから咲き始めると思っていた。いつの間にか、3月下旬から咲くようになってしまった。この夏は酷暑なのかどうか、雨はちゃんと降ってくれるのか、今から心配になってしまう。

上野の科学博物館には、低温にも強いイネの品種改良の歴史の展示がある。北海道でもおいしい味のイネが栽培されるようになるには、明治前後からの長年の苦労があった。それが今では、高温障害を起こさないイネの品種改良が進められるようになってきている。

里見公園では、519日に市川ローズフェアが開催されるはずなのだが、気の早いバラは4月末から咲きだしている。ローズフェアの頃は、二番花になっている頃だろう。

今年は420日から始まった「市川の緑地を知る体験教室」のお手伝いをちょっとだけしている。今回は、市内各地で里山活動をしている「いちかわ森の交流会」が主催し、花と緑のまちづくり財団とが共催する形で運営されている。6月までに6回の講座があり、毎回市内各地の緑地を歩いてつなげ、管理しているスタッフが案内するというユニークな形で始められた。

自分にとっては、ご無沙汰している市内各地の林の状況を、頻繁に通って作業している人たちから直接お話を聞けるという、まことにありがたい企画というわけである。

1回目は、里見公園から「水と緑の回廊」のコースで、じゅん菜池を経由し、小塚山公園まで歩いた。2回目は、松戸市に近い大野の森で昼食をとり、以前は竹林だった前畑緑地まで歩いた。10年前の林の状態の記憶がよみがえる。天候にも恵まれ、新緑が素晴らしい。こうした企画をもっとひろく、市民全体に広げる方法はないものかと思うことしきり。

それぞれの里山グループは、曜日を決めて月に2回程度集まって作業を続けている。こうした人たちによって市川の樹林地が支えられていることを知らない市民が殆どなのではないだろうか? あまりにももったいない!と今度もまた思った。何か名案はないものか?

しばらく市内北部の巨樹も見ていない。北国分の調節池はその後どうなった? このあたりは30年も前に炭焼きキャンプをやっていた炭の活用もかねて、国分川の水質浄化の実験などもやった場所だし、水辺に茂るガマの穂が、風に運ばれて住宅地の洗濯物についてしまうという苦情が市民から出たところでもあった。道の駅もできたらしい。行って見なければ!

北総線経由で北国分の駅に向かう。高架の鉄道から見下ろす市川北部のまちなみは、広々としていてあちこちに新緑の林が見える。なんとも幸せな気分になれる景観が広がっている。

天然記念物のハリギリがそびえる伊弉諾(イザナギ)神社は、その後どうなった? 近づくにつれて、ハリギリの枝振りがすっかり変わっているのに気がついた。枝先が枯れこんで落下する危険があったのか。社殿を取り囲むように植えられたサカキが、殆ど切られてさっぱりしちゃっている。どんな事情があったのだろう。こうした情報も、できれば解説して市民への関心を深めることにつなげて欲しいもの。

このハリギリが、市の天然記念物に指定されたのが昭和54年(1979年)424日だった。当時の記録では幹周りが2.62mとなっていた。何しろ高さが20mもあるのだから、風当たりも強いことだろう。四方から何本ものワイヤーで支えられている。つい最近、枝の先端がかなり剪定されたようで、すっかり淋しくなってしまっていた。

2003年には、千葉県委託事業で樹木医さんが市川の巨樹についても治療が施されたが、その中にこのハリギリも含まれていた。その報告によれば、高さは20.3m、胸高幹周が340㎝、根元周が570㎝。枝下高が570㎝で、見上げるのには双眼鏡が必要になってくる高さである。当時の枝振りの記録では、東側に5.3m、西側は一番枝が伸びていて9.5mとなっている。今はその半分もない。

治療には、土をやわらかくして根の呼吸を助けるため、空気管10本、施肥2㎏、木炭10リットル、モミガラ30リットルなどをやったようだ。今はもう、こうした情報を知っている人もおそらくは絶滅状態と思うとつらくなる。せめて10年に1回ぐらいは市内全域の緑地をパトロールして調査を継続させるとともに、市民に樹林の必要性をアピールして欲しいのだけれど、誰もそんなこと考えられなくなっている気配を感じている。

この日、北国分駅から歩きだして国分川の鯉のぼり風景を眺め、道の駅にも寄ってから総武線まで、6キロほどをつなげ歩く予定でスタートしたのだが、2年ほど見ないうちにすっかり景色が変わったのに驚かされた。国分用水沿いには、約100本の桜並木が、その先には曽谷小学校沿いに600mの桜並木もある。育ち具合はどうだろう。春木川あたりに住宅地が増えたのもビックリの連続。

東国分中の南側道路には、オーナー制度でサクラの若木が植えられた所もあったが、風当たりの強い場所だからサクラにとっては厳しい環境だ。雨が降らない夏には、カラカラになってしまいそうな小さな「植えマス」も心配だ。まわりはアスファルトで地面は40度を超す暑さになるだろう。風上側のサクラの枝先が、枯れこんでしまわなければいいのだが。

目指す道の駅は、当然ながら広い道路、外環寄りの場所にあった。ずっと気にしていたのは、この道の駅が、どんなふうに市川の情報を発信しているか?だった。多くの道の駅では、地元産の採れたて新鮮野菜や各種お土産品を並べている。手賀沼近くの道の駅では、周辺の野鳥や水質などの自然環境を紹介するスペースがある。

市川の場合、四季それぞれの産物ってナニがある? 地産地消をPRするものってなんだろう? 自動販売機には、ナシの花とナシが表面を飾っていたのがうれしかった。たくさん並んだお土産物のウラの生産地を見ると、鴨川市産のものが多かった。チーバクンのお土産もいろんな種類が山積みされていた。市川産のラベルのものは、なかったような気がする!

道の駅は千葉県下に29箇所あるのだそうだが、もちろん市川では初めてのもの。パンフレットは品切れとのことで、細かい事情は解らない! 駐車場は120台分と広い。トイレは男性用が10、女性用個室が20と多くなっていた。大洲防災公園などでも、女性用トイレは時に行列ができているから、よかった! この棟の天井の梁には、積層木材が使われていた。これらの管理は、国交省がするらしい。 

これから先、外環が開通されて、どんな活用につながっていくのかが楽しみ。



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by midori-kai | 2018-05-14 07:39
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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