第89回 4月(卯の花月)ボケ
ボケの花と実のイラスト、3月頃から咲きだすのがボケの花。庭木としても植えられ、赤や朱色、咲き分けなどと古くからの品種が多い。秋には小形のリンゴみたいな実をつける。
近縁種としては、中央アジア原産のマルメロや、中国原産のカリンなどもあって、おたがいによく似ている。マルメロは幅広の花びらで、薄いピンクの花、カリンの方は細い花びらで、はっきりしたピンクが目立つ。
マルメロやカリンは、硬くて渋いから生で食べることはできない。もっぱらシロップ漬けや果実酒に使われる。ボケの実は、こうした利用方法をあまり聞かないのは何故なんだろう?
田舎の畦道などには、丈が低いクサボケが咲く。シドミとか、ノボケなどとも呼ばれている。
ボケの花を開いてみて、ビックリしたのはメシベがないこと! オヤッ、今まで全く気にしなかったのだが、雌性花と雄性花との区別があったのだ。すると、これも昆虫がやってきて受粉する虫媒花ということになるのかな?
あちこち散歩しながら、ルーペで花の構造を確かめる。改めて以前に描いたボケの実をとりだす。当分は、この観察を続けながら、どんな昆虫が寄ってくるのか? メシベがついた花が季節の経過と共に発育していく状況を確かめ歩くのが楽しみだか、課題が増えてしまったというわけです。
春の季節は、どんどん進む。いつの間にか葉っぱが伸びて、花が咲いたことなど忘れてしまいがちだが、夏に向かって確かめながら歩くことにしよう!