さあ、2018年の始まりですよ!  高 野 史 郎

冬の寒い季節、家族お揃いで鍋料理などを食べましたか? 年末のお鍋の食材、ハクサイなどが意外なほどの高値でした。昨年8月の雨続きや、その後に日照不足の地域があって気温が上がらなかった、10月の台風などの被害などで、野菜の成長を遅らせたのが原因なのだそうだ。異常気象はもう誰もが慣れっこになって、半年前の細かい気温変動などは記憶に残らなくなっている。

年末に市川や船橋など、あちこちのスーパーなどをハシゴして、野菜類の産地と値段をそっとメモして歩いた。国産品のブロッコリーが300円だったのに対して外国産は半値だったが、品質と味にどんな違いがあるのか確かめなかったのが残念。輸入品は生産地の貴重な水を使って、それなりに苦労して作られたものだったろうに。運送費もかなりかかっているはずなのに、現地の生産者の手取りは、どのくらいの金額になっているのだろう。

日本産のハクサイは、4分の1や6分の1にカットされたものが売られている。その大きさで150円前後か。鉛筆ほどに細いアスパラガスは、季節が反対の南半球から日本に送られてくる。

半世紀前、農業用のビニールが開発されたなどで、遅霜による被害を気にしなくても済むようになった。それまでは、ジャガイモや果菜類の植え付けを気にしながら、少しでも早く栽培をスタートさせたいのだが、冷害が恐ろしい。農家の人たちは植え付け時期をきめるのに苦労していた時代だった。

(ちょうどその頃、蔬菜専攻の同級生が三浦半島の農業高校に就職していて、夏休みの高校生の実習手伝いを、汗ビッショリになって作業していた何年間かがあったのを思い出す。)

「夏の縁側で、エダマメを食べ始めたのは何月でしたか?」こんな質問を、食料自給率に関連させて、高齢者の集まりでの環境講座で話題にしたことがあった。

誰もそんなに確かに覚えていないようだった。昔の田植えは、6月だった。それが終わってから田んぼの畦に大豆のタネをまいた。夏休みの頃には、まだ大豆の花が咲いていないしエダマメとして収穫もされていなかった気がする。ビニールハウスが普及しているいま、今年こそは生のエダマメの収穫がいつから始まって、外国産の冷凍品がいつから出回るのか、1年中冷凍食品として在庫販売しているのか、調べてみることにしよう。

この冬、NHKラジオでは、毎年好評だった「夏休み子ども科学相談」の冬休み版を新設して、12月末からの冬休み期間中に放送を始めたのを、聞かれた方もいらっしゃると思う。

毎回数名のテーマ別の専門家が、小中学生などの質問に答える番組である。「冬休みこども科学相談」では、それまでの野鳥・昆虫・植物・水の中の生きもの、などのテーマに加えて、宇宙・怪獣、そして「心とからだスペシャル」が脳科学の専門家、心理カウンセラー、お坊さんなどが回答者になって登場した。

いつも感心するのは、大変なキャリアを持つ専門家が、一見他愛ないような素朴な質問に、難しい専門用語を使わないで、子どもたちの発言に共感しながら親切に噛み砕いて相談にのっている態度である。見習わなくてはと、なるべくメモをとって聞くようにしている。わからない部分は、すぐに我が家の本棚や図書館で調べないと、またたく間に忘却のかなたへ消えてしまう年齢になっているのだから。

恐竜は、子どもたちが関心を寄せる重要なテーマのようだ。700種ほどに放散進化を遂げた恐竜のほとんどは、カタカナ言葉の羅列なのだが、子どもたちがたくさんの種類を覚えていて、舌をかまずに滑らかに発音するのがすごい!

サウルス(トカゲのこと)、スピス(甲ら)、セラス(角)、プテリクス(羽毛)、ドン(歯)、ラプトル(略奪者)などなど。発見者が地名や人名、形を意味するラテン語を組み合わせて種名としている。獣脚目とか、鳥盤類、剣竜類とかが、すぐに実物のイメージと重なっているらしいのが驚きである。

「恐竜の体温が最近はわかってきたようですが、どういう方法で調べられるのですか?」という質問には、最近の論文発表の事情を説明されていた。

宇宙についての質問では、ブラックホールのこと、天の川銀河の寿命についてなどが質問の中心だったようだ。「ブラックホールは真っ黒い穴なんですか?その内側に地面があるんですか?」など、今まで考えたこともなかった!「お月様の地表で、野球が出来ますか?」という質問もあった。

また別の質問。学校の先生が「寒くなると、太陽がつるべ落としだから、早く帰りなさいといったけれど、季節によって、太陽の沈むスピードが変わるんでしょうか?」という質問も。

さて、あなたなら、どう考えて返事を返すのでしょうか???

千葉県では、環境学習アドバイザー制度を昨年春まで20年ほど続けて、市民活動グループなどに派遣していた。10年ほど前、当時の担当者から年齢別・時間別などで区分して、心がけていることやテーマ、プログラムについての問い合わせがあった。その時に提出した「極秘」のメモの一部をこの際、公開してしまおう!

年齢別区分について。

自分的には、3種類の対象に区分して、テーマや表現方法を変えている。

【お子様番組】:音読みの熟語は原則として置き換え、使わない。話し言葉でゆっくりと、相手の顔を見て反応を確かめながら、短いフレーズで解りやすく。(時には、素敵なヤンママがついてくる!)

【中学・高校の理科系先生】:自分は専門家で何でも知っているというプライドを傷つけないように。生活の実感や現場での経験が欠落しているのに、気がつかない人もいる気配。

【高齢者・熟年組】:生活経験は豊かで、参加するのには意欲的な人たちだが、思い込みが強く頑固な人も。科学的に順序だてて問題点整理が出来ない人もいる。自分の輝かしい経歴を周りの人にしゃべりたいだけの人もいるので、さりげなく交通整理が必要!

 こうした区分とは別に、相当にマニアックで猛烈勉強型の中高年女性軍団がいる。熱心になるほど頭は固くなる傾向も時に見られる。閉鎖生態系の中にすっかり入り込んで、酸素不足に硬直している人種が増加傾向にあるようすなのが、これからの新しい問題点か? 自分の考えに納得して欲しいために質問してくる人もいる。

また、一つのテーマに対する質問の返事は、とりあえずは、20秒・5分・30分と、相手の要求度に従って結論を完結に返事をしないと、長くなりすぎるのを注意する。相手をウンザリ・疲れ果ててしまわないように。

地球の歴史に比べれば、ヒトの一生なんてたかが知れている。せいぜい50年か100年の情報の蓄積しかないいだから、顔にタテジワなどを寄せずに、明るく生きていきたいもの。

ところで、「鏡餅の割れ多ければ豊作」という言い伝え、聞いたことありますか? 冬の季節、太平洋側が晴れた日が続き空気も乾燥する。昔の人は、冬が寒ければ夏は暑い。熱帯性植物のイネは、暑ければ豊作になると、つなげて考えていたといわれている。さて今年のお天気は? お米のできは?

【イラストの説明】

ヤブコウジとブロッコリー。なんとも変な取り合わせのようですが・・・、ヤブコウジは野生種、ブロッコリーは野菜です。

植物の組み合わせで、高い樹木と低い草などのセットで植生を名づけられたものがあるのを、この機会に思い出しましょう! 太平洋側に分布している照葉樹林帯には、「ヤブコウジ―スダジイ群集」という言葉がある。落葉広葉樹林帯では、太平洋側の「スズタケ―ブナ群集」、日本海側には「チシマザサ―ブナ群集」のように。

ヤブコウジは、地面近くを這うように茂って冬に赤い実をつける。お正月の飾りでよく知られているのがマンリョウ、センリョウなどだけれど、ヤブコウジはいまや知名度が低下しちゃっているのかもしれませんね。

昔はヤブコウジを束にして、ミズゴケなどでくるんだ状態で鉢植えにして売られていたのですが。ヤブコウジは、地方によって、ヤマリンゴとかチンチロモチなどと呼んでいるところもあるようですよ。

林の中を散歩した時、どこかでヤブコウジを見つけたら、そこは自然度が高い場所だった可能性もある。里見公園の西側斜面では、鉢植えから逃げ出したノハカタカラクサ(トキワツユクサ)ばっかりが茂っている。誰かが植えたものが、大繁殖して前から茂っていた野草を追い出してしまった結果なのかもしれませんね。

「これ何の木?」といういつもの質問パターンだけでなく、どんな組み合わせで茂っているのだろう? と考える視点を持つと、楽しい新発見が生まれてくるかもしれません。

一方のブロッコリー、カリフラワーとどう違う? 白いのがカリフラワーで、緑色なのがブロッコリーと思うと、どうやら全く勘違いのようになっている昨今です! ブロッコリーの方は、正常に発達した花序の状態で、時には花が咲き始めているものもある。カリフラワーの方は、小さな花柄や未発達のツボミなどを葉っぱでくるんだ状態で出荷されているようです。

どっちも、7月頃にタネマキして、3か月ぐらいで収穫される。発芽温度はどちらも20℃ぐらい、生育適温は15℃から20℃ぐらい。ということは、春まきして夏に収穫するのは難しそう。とすると、これらの野菜をスーパーで見かけるのは秋だけなのかな? 別の季節にも見かけるとすると、産地はどこなのだろう? 野菜類の栽培も、タネをまけばいつでも順調に育つとは全く限りません。

自然の景色と比べながら野菜畑をみると、四季の移り変わりと栽培方法の変化が感じ取れて楽しいですよ。ブロッコリーは、先端のツボミが収穫された後に、側枝花蕾(ソクシカライ)と呼ばれる横枝が1~2か月ぐらいで伸びやすい習性の種類もあります。

タネ屋さんのカタログには、いろんな色のカリフラワーやブロッコリーの種類が売り出されています。冬の野山の風景と、林の中の散歩と、街の中で売られている野菜などを比べてみるのを、今年の新しい散歩メニューに加えてみるのがお勧めです。


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by midori-kai | 2018-03-07 06:40
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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