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紅葉で燃える秋、こどもエコクラブの行事など   高 野 史 郎

もう忘れかけているけれど、今年の夏は暑かった。それを受けてか、市川名物のナシは例年よりも10日ぐらい熟すのが早かったとか。キンモクセイの花も早く咲いた。10月末の沖縄の最高気温は、まだ30度近くもあるのに、北の山からは初雪の便りも聞かれる。日本列島も広い。この秋の市川の紅葉は、いつ頃だろうか?
秋は自然関連の行事も多い。市川で実施されている行事をレベルアップしていくためにもと、なるべく各地の行事に参加し、情報交換するよう心がけている。そんないくつかをご紹介させていただこう。
9月23日、もう20回目にもなる「エコメッセ2015 in ちば」が幕張で開催された。千葉で最大級の環境活動見本市である。会場入り口には各社のエコカーの陳列、会議場の奥の部屋ではミニSLが走った。ブースの数は100以上で、最近は大学の研究室やグループの参加が目立ってくるようになった。子ども達といっしょに考える体験型の展示もめっきり増えた。市川市関係の展示はゼロ!
会場に着いたら、歩き回る前に配布資料に目を通し、自分なりのポイントを絞っておかないと、人波に疲れてしまったりしてもったいない。参加団体は、たった1日のために大変な苦労をしているのだから。どんな準備をして、どう展示したかの参考にもなることだろう。外側から見ると、クールに、もっとこうすればよくなるのにというのに気がつくものだから、それを自分たちの活動に結び付けたい。

10月4日(日)には、谷津干潟で県主催の「こども環境会議ちば」が開催された。この集まり、業務受託が時々変わり、今年からは小学館集英社プロダクション「ShoPro」の担当となった。どう連続性が保たれるのかと不安だった。というのは、子供たちの活動を支えるサポーターには地域の熱心な大人が大勢いるのだけれど、子どもたちはどんどん育って中学生になれば抜けていく。
市町村の担当者もなぜか毎年新人が受け持って、慣れると別のところへ異動してしまい、実績が積み重ねられないことの繰り返しだから・・・。
自然系市民グループで熱心に活動している人は、定年後・子育てが終わった世代が多い。10年たつと65歳で始めた人は75歳になる計算。昔も今も、子供たちの未来とをつなげる中間世代の参加が少なくて、数十年間のブランクがある傾向がとまらない。文化が伝承されていないのです。
千葉県といっても南房総までも含めればすごく広い。県内各地から「こどもエコクラブ」のメンバーが集まってほしいのだが、谷津干潟を知らない人も多いのか、今年集まったのは6団体50名ほどと例年よりも少なかったのが残念。でも、10時から昼食をはさんで3時まで、バライティーゆたかにメニューが進行したのに安心した。
いつも思うのだが、環境系のスタッフは、とにかく真面目で、子どもたち目線で楽しく進行するのは得意じゃない人が多い。それが、今回の進行スタッフは、ジャンケンやゲームでうまく盛り上げながら、自然への接点につなげて行ってくれた。講座とか観察会に参加する大多数は高齢者だから、子どもたちといっしょに遊ぶのには慣れていない。つい解説型の一方通行になりやすいのだ。
参加グループの紹介のあとの体験活動では、干潟の野鳥などをテーマに、導入10分、班ごとの観察が45分、振り返り・まとめが15分という時間配分だった。
昼過ぎの「生き物のハイテクを探せ」では、①カワセミ島・②めがね島・③ハネ島・④タタキ島の4か所に道具を並べて、こどもたちに順次移動しながら体験してもらうプログラムが組まれていた。
①はヨーグルトの蓋から表面張力の実験で、ハスの葉っぱではきれいな水玉ができる。カワセミの嘴のかたちとの関係も面白い。②はオナモミのタネをルーペで観察、ひっつき虫の構造。③は飛ぶ時に音がしないフクロウの羽とカモの羽との比較、モルフォ蝶の構造色の仕組み。④では丈夫なミツバチの巣とダンボール、ゲンコツで思いっきり叩いてもへこまない! 4グループに分かれて、順に回って顕微鏡やルーペを使ったりして確かめた。
これらのプログラム、事前の打ち合わせには、かなりの時間をかけて、用意するものや解説方法などに苦労したことだろう。
この集まり、日曜日だったが、県内各地のお役所担当者からの見学参加はゼロだった。出生率の増加も見込めないきびしい現実の中で、20年たったら、30年後にはと、いろんな方法で若い世代の活躍を促していきたいと思う。子どもグループと行政の担当者とが、顔が見えない人同士で、事務処理だけになっていく傾向が心配である。

半月ほど前には、ディズニーランドの近くのホテルで、高齢者の健康寿命に関する市民公開講座があった。場違いの登場と思っていた開催地の市長さんが、「健幸都市をめざして」と数字を駆使して講演された。健康ではなく「健幸」としたのが市川市との違いか。字・丁目別に高齢者の比率を出し、将来の展望と特養ホームの表が出てきたのに驚いた。かなり先のことまで考えているようなのです。
また、ある新聞には、私の好きな木の人気投票が出ていた。季節の関係もあるだろうが、そこではサクラ、イチョウ、キンモクセイ、ウメ、ハナミズキの順となっていた。あなたの好きな木は何? 市川のどこで見られる? まちなかの街路樹は、どんな枝振りで茂っている?
このアンケートで「人はなぜ木にひかれる?」の設問に対して「樹木は、ヒトよりも圧倒的に強く、地球を代表する生きものに思える」「大震災で我が家が全壊した時、残されたのがナンテンだけだった」など。こうした思いの人が多ければ、この延長線上で、地球規模の温暖化問題などとの課題にもちゃんと向き合えるのでしょうね。
北総線の矢切駅に集合して、松戸の斜面林から里見公園まで歩く行事にも参加しました。栗山浄水場近くの斜面林上部は特別緑地保全地区です。なのに、道沿いでは乱暴に横枝が伐採されて痛ましい! 専門家が作業したのならば、枝のどの場所で切れば次の新芽はどこから吹くか、これから先どういう状態に茂っていくのか、考えることができたでしょうに。
でも、久しぶりに見る柳原水門の辺り、江戸川沿いの河川敷のヨシ・オギなどの群落の広がりは見事です。旧坂川を包む両側の風景もダントツの素晴らしさ! もっと多くの人にこうした昔ながらの風景を楽しんでほしい。

10月末に閉幕したミラノ万博は、「地球に食料を、生命にエネルギーを」がテーマでした。CGを使っての日本の四季や農村風景、和食の展示が大好評で「技術革新と自然が一体となった調和のとれた多様性が絶妙」と評価されたという。何時間も入場を待つ人の行列ができたそうだから驚きです。市川も過去の遺産とともに、市街地の中の自然をどう共存させていくか、長いスパーンでのゾーン計画が課題でしょうね。
秋が深まっていきます。紅葉が見られるのは市川のどこで? モミジばかりが秋の風物ではない! 茶色になったコナラの葉や、風に揺れるオギの白い穂もいいものです。大町や里見公園、行徳橋周辺の河川敷の風景など、市川も広いのですよ。残り行く秋の風景を、風を感じながら歩きましょう! 
落葉樹の枝先には、もうとっくに来年の花芽を宿して、春のおとずれを待っているのです。 

by midori-kai | 2015-11-09 08:55
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
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