里見公園で樹木の名札付け & 市川の黒松のこと  高野史郎

猛烈に暑かった今年の夏、そして観測記録が始まって以来という集中的な豪雨など。恐ろしかった今年の夏も、ようやく終わりを告げたのでしょうか。9月の訪れとともに、朝夕には涼しい風が吹くようになって来ました。例年通りに、お彼岸の頃にはヒガンバナが咲き始めることでしょう。
前回は、夏休み行事として大町の「わんぱくの森」と「教育の森」の子どもたちと楽しむイベントの紹介をしました。里見公園では、8月21日に「親子で樹木の名札付け」の行事が実施されたので、そのご紹介。主催は公益財団法人「花と緑のまちづくり財団」です。
講師の諸先生は、森林インストラクターの方々。皆さんどっかで見た顔と思ったら、緑の市民大学の 修了生たちで、猛烈に勉強熱心な人たち。作業している時とは違った、優しいまなざし? ニッコリ笑顔で、楽しく公園の樹木の話をしてくれた後で、公園の中へ。あらかじめテープを巻いた樹木に名札を付けていきました。
無邪気な小学生の子どもたちを相手に、レベルの高い話を、判りやすく優しく話すのは至難の業なんです。4班に分かれての名札付けが終わってからは、事務所の2階へ。お母さんたちからのちょっと難しい質問にも、さすがベテランの講師の方々、スマートに回答していたのが印象的でした。
事前に配られたチラシは、マンガチックで楽しい! (フツウの役所が作ると、なかなかこうはいかないものなんです)。山崎製パンが協賛されて、担当の方が終始見守ってくれました。飲みものや新製品のパンなど、各種差し入れにも大感謝!

30年以上も前のこと、高尾山や御岳の環境学習にかかわっていました。親子づれで山登りする人たちにも、二極化がみられていた印象が強いのです。
お父さん・お母さんがニコニコしていて、子どもの声までがはずんでいるグループと、「いやだいやだ、こんなに歩くの嫌だ! 疲れちゃった。おんぶして。いつ、おみやげ、買ってくれるんだよう!」とぐずっている組と。笑顔の家族グループは、風の音・青空を見上げて喜んでいる。新発見が次々とある。ブツブツ組みは、そうなってはくれません。
これってそのまま、家庭内で親子の会話がある家族と、そうではなさそうな家族が想像できそうです。子ども頃の自然体験が極端に減っている今、自然を楽しむ人が、もっともっと増えて欲しいと思うことしきり。
環境系の市民グループが軒並み高齢化している。若いサブリーダーが育っていない。これらが、断絶することなくつながっていて欲しいのに。(おじいちゃん・おばあちゃんと、孫の関係に似ているかな? 中間に位置する両親は、仕事や家事で忙しくて、それどころではないのかもしれないけれど)。
市川市は、全国組織の「こどもエコクラブ」の登録数も活動も、千葉県下で最高レベルの熱心な地域なんですが、それを育む環境は多難です。学校では、「1年間やって、どういう成果が現れたか見え難い」から、それに授業時間を割くことに理解が得られないとよくいわれる。目標数値とか、達成率などを数字で現せないのが、環境学習のつらいところです。
雑木林などで作業しているボランティアグループは、子どもたちのために、こうしたチャンスをもっと増やしたいと思っている。でも安全管理や自然環境の末永い保全を考えると、オーバーユースは避けたい。どうバランスをとるか、難しいという課題もあります。

市川市の木は「クロマツ」。市川市の自然のキャッチフレーズは「クロロとバララ」です。誰もがいうように市街地の中に茂るクロマツは、市川の貴重な財産。でも、市民グループ同様に少子高齢化が見られるの、ご存知の通り。クロマツの若い苗が育っていない。30年・50年先が思いやられます。
幹の太さは、ほぼ樹齢に比例します。環境省で定めた巨樹の条件は、胸高幹周が300㎝以上。つまり、直径にして約1mです。外環工事などでクロマツが切られると、なるべくすぐに出かけて、大きさと年輪数を数えるようにしていました。健康状態も推察できそうです。
市川市内に、巨樹に該当するクロマツの大木はないものかと、ずっと探していました。やっと見つけたのが地蔵山墓地。この株も戦争中の松脂採取で、幹の切り傷がケロイドのように残っていて、かなりいびつ。幹がまん丸ではないのです。幹周りは310cmぐらい。
ところが、この最高齢と思われるクロマツが、この夏に切られてしまってショック! 切り株の年輪数を数えたら150ありました。年輪幅はかなりバラツキがある。多難な時代を、何回となくくぐりぬけてきたものと思われます。150歳の人は、まず市川にいらっしゃらない。このクロマツが生まれたのは、まだ日本が、ちょんまげの時代だったのかもしれない。明治の前からの事情を、ことごとく眺めてきたはずの市川の住人です。いろいろな事情はあったのでしょうが、がっくりです。また1本、歴史の証人が市川から消えていった。

市川のクロマツを、なんとか立派に育て守っていこうという市民グループがいくつかあります。その一つ、市川クロマツ会が「新たな芽吹きのお手伝い」のテーマで、アイリンクタワー45階で9月15日から29日まで写真展を開きます。日出学園の小学生たちが、タネから育てたクロマツの写真なども公開されます。また、27日の土曜日2時からは、「市川の松の民話を聴くつどい」もあります。宮久保の「袖かけ松」の話になるらしい。是非ぜひ、お出かけください!
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by midori-kai | 2014-10-07 23:55
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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