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第123回 2月(如月)赤い実がついたアオキ

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アオキ

 雑木林で茂り過ぎると嫌われるアオキだけど、冬枯れの景色の中での赤い実は、ちょっとしたアクセントになって楽しませてくれる。4月頃に咲き始める花だって、注意深く見るとけっこう精巧な作り! 雌雄異株なのは誰でも知っている?

 実の直径は12ミリぐらいで、ヒヨドリが大きく口を開けば吞み込める大きさ。葉の表面はツルツルだけど、裏返すと葉脈のつながり方もしっかりしている。

 形がいびつな実は、アオキタマバエが産卵したためかもしれない。葉に黄色のお斑点があるのは、園芸品種の逃げ出し。

 日本ではいまいち評価が高くはない植物だけれど、外国では病虫害もほとんどなく、日陰にも耐えるインドア植物として好評なんですよ。日本海側には、冬の間は雪の下でうずくまって越冬するヒメアオキが分布している。



# by midori-kai | 2021-01-30 20:14

 春はそこまでやってきている・・・?!  高 野 史 郎

 長い冬がやっと終わって、待望の春が今年も本当にやってくるのでしょうか? 梅の花はもうあちこちで咲いている。ロウバイのつぼみも膨らんでいる。陽だまりではホトケノザやオオイヌノフグリなどが咲き始めた。ここしばらくは三密を避けての自粛ムードだけれど、どこかに春が…”を期待して明るくまいりましょうよ!

 

 飛沫感染を避けるためマスクの着用が今や常識に。でも幼稚園などではいろんな副作用が保育士などを悩ませているという。食事はよく噛んでから飲み込むのが当たり前だが、時にトラブルが起こっているらしい。大人の表情を見ながら子どもたちは生活方法を学習するので、マスクをした顔では笑顔や口元が見えないので困るのだそうだ。

 「ハーイ、もぐもぐ。よーく嚙んでからゴックンね」の行動は、人間の場合は学習して覚えるものらしい。カルガモやアヒルなどが、親の後を追って一列になって行動するさまは、ほほえましくよく新聞ダネになる。孵化後の一日二日ぐらいは、初めて見た大きいものの後ろを追う行動で「刷り込み」と呼ばれている。(この習性は数日後に消滅しないと、誰にでもついてまわり、危険な状態になってしまう!)

 市川市には国府台に聴覚特別支援学校があり、校庭の大きなケヤキの所や近くの緑地などでの活動をお手伝いしていたことがある。難聴の生徒さんもいるから全員に口の動きが見えるように、大きく口を開いてゆっくりお話して下さいとよく注意された。語尾の結論が小さい声になると、意味が伝わらないから、主語と述語を区別してはっきり発音してほしいとも。

 福祉施設などでは、高齢者の方に耳が遠い方もいらっしゃる。野外では風向きに注意して、風上方向からゆっくりしゃべるように心がけるように今はしている。介護の場合も、万一転倒したら事件。後ろ側からベルトを持つか、横から腕を支えて事故防止しながら、どう密着を避けるかが難問だ。

 子育ての場でのマスクについては、顔の表情が伝わるような透明部分もあるマスクの開発も進められているという話だ。

 いつになったらこの厳しい状況が収まるのだろうか? 日本でのオリンピックの開催は可能なのでしょうか? ところで、パラリンピックの競技で、ユニバーサルリレーという種目をご存じ?

 男女4人のチームで、4種類の障害者が助け合うリレーなんです。視覚障害者、手足などの欠損、脳性マヒ、車いす、この4人がチームプレイで走る。伴走者との綿密な協力関係が必要になるものもある。失われたものを愚痴るのではなく、今ある力を最大限に活用しようという精神がいいですよね。

 自然の話とちょっと離れてしまったかな? だいぶ暖かくなってきました。日ごとに夜明けが早くなってきた。早朝の雑木林とか川沿いの開けた風景とか、人混みではなくて気持ちが大らかになる場所って、市川にはたくさんあるのをもっと知ってほしいと思っているんですが・・・。どなたかそういうマップを作って、運動不足・ストレス解消と自然への目覚めにつなげてくれるといいのに。




# by midori-kai | 2021-01-30 20:07

第122回 1月(睦月)黒松とオオカマキリの卵のう

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龍安寺のつくばい。徳川光圀(水戸黄門)の寄進といわれ、方丈の北側にあるが、実は本物は非公開の茶室「蔵六庵」に置かれてあり、写真(方丈にある一般公開されているもの)は精確に作られた複製品。このつくばいには四方に文字が書かれており、中央の水穴を「口」の字として共用し、「吾唯足知 (われ ただたるを 知る)」と読むことができます。この意味は「金持ちでも満足できない人はできないし、貧乏でも感謝の心を持てば満足できる」ということなのだそうです。



# by midori-kai | 2021-01-30 02:55

第121回 12月(師走)ホウレンソウと金町コカブ

 手児奈堂に向かう大門通りのお店で、無農薬有機栽培の野菜を販売していたのでさっそく買い求めて、絵を描くことにした。なんと今どき珍しい三角形の葉っぱの日本ホウレンソウと金町コカブだ。久しぶりのご対面。

 半世紀も前、当時のホウレンソウは日照時間にかなり敏感で、春の日差しと共にすぐにトウが立つので、いつの間にか丸い葉っぱの西洋ホウレンソウが栽培の主流になった。

 生野菜はすぐにしなびてしまうから、遠距離輸送には向かない。東京の周りは、練馬大根、滝野川牛蒡、金町コカブ、矢切ネギと野菜生産地が取り囲んでいた。牛蒡も人参も細長かったから、深く耕さないといけない時代だった。

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 この生産農家の資料には、こんなことが書かれていた。

「安全へのこだわりは、膨大な手間と試行錯誤の連続です。・・・農水省の発表では、日本の耕地面積の99.5%は農薬や化学肥料を使う慣行農業で・・・安全にこだわるほどに困難な道のりが続く・・季節本来の味をぜひご賞味ください」と。

 例えばダイコン、今や98%が青首系になって、地域特産の地野菜は2%ともいわれる。

 我が家には、タネやさんから200ページものカタログが春秋2回送られて来る。1ページに写真が15枚から20枚ある。合計で千単位の写真数だ。小袋に入れての通信販売では、売残って捨てられるタネの数も膨大な分量だろうと余計な心配もしてしまう。

 近くの業務スーパー、値段が違うカボチャや冷凍野菜の産地を確認するのが習慣になっている。この世界もまた、難し課題をたくさん抱えているのを実感している。

 



# by midori-kai | 2020-12-31 23:16

2020 年の締めくくり 竹林整備の報告など    高 野 史 郎

 今年も終わりが近づいて来て、なんとなくソワソワ。多難だった1年も終わりが近づいてきたんですね。この冬から来春以降の天候と、コロナ禍の予測は見当もつきませんが。

 1113日、大野町4丁目の杉田さんの山林で市川みどり会主催の竹林の整備作業がありました。講師はもちろん濱野周泰先生。

 このあたり、禮林寺や駒形大神宮にはかなり頻繁に来て、動植物園や自然博物館へのコースにもしていたんですが、しばらく見ないと風景が変わってしまう。はて、このあたりはつい数年前まで住宅は建っていなかったはず。だがどういう状態だったか思い出せないのがなんとも残念。

 当日の参加は里山作業のメンバーも交えて総勢は30人ほどだったか。ご常連でいらっしゃらなかった人もいるので、先生のお話の概要などを報告しておきましょう。 

 現場は上下の道に挟まれた三角形の場所。下の道のすぐ前は駐車場になっている。かなりの急斜面で、そこに孟宗竹がぎっしりと茂っている。濱野先生の案内で一回りして林縁に茂る樹木の状態なども眺めてから、上の道に戻って今日の作業手順など解説の始まり。

*  

 都心などを大きなお椀型のドームでかぶせてしまうと、緑がないからその内側に住む市民は15分ほどで窒息してしまうといわれている。市街地でも3割は緑が必要だ。

 そのためには地域住民の協力が不可欠で、嫌われない緑地の整備、ゴミ捨て場にされないような作業が必要になってくる。あそこの林はきれいだねと、周りの人から喜ばれるような作業を進めていきたい。

 竹林の外側に出た小さい竹は、地域の人たちが七夕に使いたくなるように残すなどの配慮も考えてほしい。

 今ではもう、落ち葉を活用するような生活習慣は市街地に残されていない。外側に落ち葉や枝を積んでおくと、ゴミ捨て場と勘違いする人も出てくるから、林の内側にきれいに積むようにする。

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 林の構造は、ソデ群落・マント群落といくつも状態が組み合わさってできている。林縁部に茂るムクノキなど、高木になる広葉樹は取り除く。ハゼノキなどはそれほど大きくならないし秋の紅葉は林のアクセントになるから残しておこう。

 切り倒したい竹の選抜。稈が黄色になったもの、粉を吹いているものなど古くなった稈を見つけ出して取り除く。

 竹の地下茎の説明。一直線状に並んで節間が同じようなものは地下茎でつながっていると思っていい。みんなでそれを確かめる。また、地下茎が地上に出ているものは、土が固くて地中で伸びにくい時に現れる。

 若い地下茎の先端に障害物を置き、曲げたものを鞭根(ベンコン)と呼び、昔は鞭につかったのだそうだ。

(戦前と戦後の説明を、童謡をたとえに動物生態学の立場で聞いたことを思い出した。戦前の童謡では「スズメの学校」で、先生はムチを振り振りちーぱっぱ。戦後になって「めだかの学校」では、誰が生徒か先生か、に変わったと。)

 お昼の弁当は、「うちのがいつも買ってくる500円のとは大違い」という豪華版で、市川みどり会の宇佐美さん、ごちそうさまでした。(こういうありがたい配慮があることを知らせておくと、自粛で運動不足、ストレスを抱えている若者が突然目覚めて、参加するきっかけになるかも、などと甘い期待も生まれてくる?)

 昼の休憩後は、引き続き竹の整理。自走式の粉砕機がうなりをあげて硬い竹をバリバリと粉砕していくものすごさ。緑の粉が山のように積まれていく。

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 大峡さんが、「この竹の粉末、お茶にして飲むといいんだよ」とすくって持ってきてくれた。幾日か乾燥したものを、お茶のようにして飲むのだと。帰宅してから二日ほど日干しにしてから神妙に飲んでみた。ちょっと昆布茶のような香りがした。何かの効能があるはずと信じることにしよう。

 若い人たちは元気いっぱい。急斜面を竹を引きずって上り下りするのはかなりきつかったのに。葉がついた竹は粉砕機に差し込んでいく。太い稈は斜面に平行に積んでいく。市川みどり会の方々、さすがは手慣れたもので身のこなしが鮮やかなのだ!

 1年後2年後には、林床にアズマネザサなどが茂ってくのかもしれない。竹林の中にサルトリイバラやタブノキなども少数派ながら茂っていた。風散布でもないし、タネはどこから運ばれてきたのだろうか?

 お開きは3時近く。この近くに住む人たちが、明るくなった竹林を借景として楽しんでくれると嬉しいとの濱野先生の締めくくりだった。

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# by midori-kai | 2020-12-31 23:11

第120回11月(霜月) 花が終わったヒガンバナ  

 

 花の季節が終わってしまうと、すぐに見捨てられがちだが、そこからすぐに来年の準備に取り掛かる植物だって多い。ヒガンバナもその一つ。

 俗名が一番多いのではといわれるヒガンバナ、「葉みず花みず」というのがある。つまり、花の時期には葉っぱがなく、葉っぱの時期には花が咲かないという意味。

 9月末のこと、片隅の鉢の底に小さ過ぎてどう処分しようかと思っていたヒガンバナの球根を見つけた。ラッキョウぐらいのが20ほどあって、投げ込まれた状態で根が出始めている。燃えるゴミにしてしまうのも申し訳なく、ひと並べにして薄く土をかけた。

 すぐに葉っぱが伸び出して、半月遅れの10月中旬に花が咲きだした。花茎を伸ばし花を咲かせたのが6本。どうやら球根の大きさに準じて花茎の長さも違うらしい。イラストは1028日の状態。

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花が終わったヒガンバナ

 ヒガンバナで思いだすのは、植物の進化にユニークな説を出されていた前川文夫先生の随筆。89日の原爆投下後の長崎などを調査された。当時、これから先、生物は育たないといわれていた。放射能による遺伝的な変異がどうなっていくかが話題になっていた。

 爆心地に近い浦上駅あたりでは、まるでショウジョウバカマのように低く、みすぼらしかったといわれる。爆心地に近づくに従って異常な形が増えていく。掘ってみると、腐れ残った鱗茎だけがあった。「花の原基にあたる部分は地表下数センチの場所で完全にいかれてしまったのである」と。 

 ヒガンバナの仲間には、いろんな不思議がつまっている。日本に生えているのは3倍体だからタネは実らず、花は間もなく枯れていく。だが中国大陸のヒガンバナは2倍体なので実を結ぶ。

 よく見られる赤い花の他に、シロバナヒガンバナと、黄色のショウキズイセンがある。(ショウキランとも呼ばれるが、同じ名の多年生無葉ランがあって紛らわしい)。そして、遺伝的には赤×黄色でシロバナヒガンバナが出てくると証明されているという。どうして語源に鍾馗様が登場するのかもよくわからないようだ。

 日本のヒガンバナにはタネが実らないのだから、誰かがいわゆる球根を持ち運び、どこかに植えないと分布は広がらない。これにもまたいろんな説があって謎は深まるばかり!

(注)前川文夫 http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/M/maekawa_h.html



# by midori-kai | 2020-11-13 05:28

深まる秋 そろそろ1年の締めくくり     高 野 史 郎


 北国では紅葉から初雪情報も聞かれるようになった。コロナに明け暮れた今年も、もう年の瀬が迫ってくる季節になった。房総半島に広がる田んぼは、もうとっくに収穫が終わっているだろう。しばらく見ていない半島の山々の景色も眺めたい。

 折から、袖ケ浦の郷土博物館で「ごはんの作り方」という面白いテーマの出し方で企画展をやっているので見学に行った。作物学の実習で縄を張って田植えをしたりしたのも70年近くも昔のこと。

 かつては、一人が年間に2俵ぐらいのお米を食べていたのが、いまはその半分になっている。1俵などとといっても、今や全く通用しなくなった。1俵=16貫で60㎏の計算がすぐに出てくる人は、かなり高齢の人だろう。

 展示は、春夏秋冬の季節を追っての民間行事が写真やイラストで紹介されている。会場の真ん中には当時の農機具の数々。

 今でこそ工場が立ち並ぶ袖ケ浦だが、戦後の食糧難の時代には海岸線を埋め立てて食料増産計画が進む予定だった。海岸線に沿って堤防を築き海水を抜いて順次に田んぼに。干拓計画が国営事業として認可されたのが昭和28年(1953年)だった。干拓地で稲の試験栽培もされたのだが、いつの間にか工場誘致に変更されてしまった。

 それ以前を振り返れば、明治時代にも苦労が多かったらしい。明治27年は完全な空梅雨で、2か月も雨が降らず、雨乞いに霊験あらたかといわれる榛名山へ神水を求めて村人が出かけた記録などもある。写真で見る当時の田んぼは、複雑な多角形で、作業効率も悪かったことだろう。水が抜けない湿田でも困る。水争いの訴訟も絶えなかったようだ。

 農薬もなかった時代だから、夏には虫送りと呼ばれる行事があったと。ヒノキの枝葉を丸く束ねてお神輿をつくり子どもたちが担いで回る。その上に飾られた鳳凰は、孟宗竹の皮を使ったもので、細身のグライダーのようにかっこいい! 頂いたオヒネリが子どもたちのお小遣いになったそうだ。

 帰り道、バスは1時間に1本あるかという状態。駅まで5キロほどを房総の山々を右手に見ながら歩くことにした。スダジイがもこもこと逞しく茂っている。道沿いには、小さな起伏がススキ・オギ・ヨシの住み分けとなって面白い。

 ところで、千葉県で開発されたお米の新品種「粒すけ」をご存じ? 県内作付けの6割を占めるコシヒカリは、収穫期の長雨や強風で倒れやすいのが難点。そこで13年もの苦労の末に生まれたのが粒すけ。茎が短くて倒れにくい。程よい粘り気で大粒、もうスーパーなどに出回り始めた。新米の前評判はいいらしい。スマホ片手になどでなく、しみじみと秋を味わってほしい!  




# by midori-kai | 2020-11-13 05:25

第119回10月(神無月)新高&かおり


 大町の梨街道のこと、市川市民ならみんな知ってると思っていたら、川向こうの市民から「大町には梨街道っていうのがあるんですって?」と聞かれて愕然とした! ショック!

 そこで葉がついている状態のナシの絵を登場させることにした。食べる時には、縦割りすることが多いから、タネの数までは確認していない人も多いことだろう。

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 横断面を見ると、子房は5室に分かれ、それぞれにタネが2つずつ入っていることを確認できる。これって、リンゴと似ているなと気づいてほしい。そして、あ、サクランボはタネが一つで、サクラの仲間と、ナシやリンゴとは違う仲間なのかなということにも。

 宇佐美さんの梨販売所には、かわいい女の子のイラストの幟が風に揺れていた。「エ?このキャラクター、いつからあったんですかぁ」と聞いたら、だいぶ前からと。結構知られていたらしい。すいませんでした。初めてお目にかかった! 

 大町りこちゃん、というのだそうです。知っていましたか?



# by midori-kai | 2020-10-08 13:38

収穫期の大町梨街道を行く    高 野 史 郎

 ナシの収穫期も後半に入った9月下旬、やっと涼しくなったこともあって、3カ月ほどご無沙汰していた大町梨街道へ出かけた。北総線の大町駅から、いつものように梨街道を西に向かって歩き始める。大町会館のサクラと、わんぱくの森ものぞいて、市川大野まで歩くとしよう。

「今年のスイカはちっともおいしくなかった。天候のせいかしら」という話をあちこちの場所で聞いている。近頃のスーパーには1年中、リンゴやカボチャやサツマイモが並んでいて、野菜の旬がわからなくなっている。今年の大町の梨の出来はどうなのだろう? お礼肥えの準備か堆肥を積んだ場所も何カ所か見た。梨農家は、もう来年の準備が始まっているのだ。

 いつもの年なら、幸水が終わって、豊水やあきづき、そして新高が店頭に並んでいるはずなのに、シャッターを下ろしている販売所があちこちにあるのに驚いた。

 市役所主催の環境フェアや、こどもエコクラブの体験梨狩りなども、すべてコロナ禍で中止となってしまった今年である。

「コロナ対策のため試食のご用意はありません」「品薄のため、予約のお客様のみに販売しております」などの張り紙もある。どうやら今年の異常気象は、梨農家にとっても受難の年であったことにようやく気付いた。

 とにかく歩き始めて、梨の販売所に並んでいる品種を確認する。かおりやあきづきを並べてあるお店もちょっとだけあったりする。あちこちの細い路地のような場所に入って、行きどまりの梨畑を見学したりした。もう完全に収穫が終わっている所と、まだ袋掛けしたナシが残っている所もある。

 わんぱくの森にも入って、誰もいない雑木林で空を見上げて、秋の気配を感じたりもした。

 角右ェ門梨園をのぞいてみたら、ちょうど宇佐美さんが販売所から出てきたところだった。今年の天候異変のお話を聞く。新芽が開く前の早春、霜の害があって、花芽が痛み開花数も少なかった。

梅雨時の日照不足、その後には猛暑と雨が降らない日が続いた。品種による収穫期の違いが、例年とはかなり違ってしまったとのことだった。早春の霜のことなど全然気がつかなかった。地域によってかなりの差があったのだろうか。

 街の奥様方から「これから先も異常気象は続くでしょうし、来年は昔の天候に戻るという保証はないんだから、野菜や果物だって、育ちにくい世の中なのよ」などという話を聞いたりする。はて、どうしたらいいのだろう?

 スーパーで買い物に来ていた東南アジア系の外人さんが話しかけてくる「とにかく野菜が高くてかなわないよ」と。早朝の収穫作業にかかわる技能実習生の来日予定がだめになったこともあるらしい。

 日本列島の南岸に沿って流れる黒潮は、北大西洋のメキシコ湾流とともに、世界有数の海の中の大きな流れだ。深さは1000mにも及び流れの真ん中は秒速2m以上もあるとか。それが2017年ごろから海水温が上昇し大蛇行がひどくなった。魚は意外なほど水温に敏感で、クロマグロの仔魚は25℃前後が適温で、28℃になると死亡率が高まるといわれている。

 半面で、かつては死滅回遊魚とか死滅型分布といわれていたスズメダイやハナダイなどの熱帯生まれのきれいな魚たち、夏の勝浦の海中公園でも見ることができる。それらの越冬報告が増えてきている。最近はしばらく潜っていないが、温暖化は水中の生きものにも影響を与えているようだ。

 晩生の梨、季節の最後を賑わせてくれる新高の収穫は10月上旬ぐらいまで? どうか高温障害などを起こしませんように! 来年は、梨にとっても明るい年でありますように。




# by midori-kai | 2020-10-08 13:32

第118回 9月(夜長月)ツルボ

 ツルボ

 夏の終わりに咲くツルボ、ご存じだろうか?

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 日当たりのいい草原や畑の畔などに咲くユリ科の多年草。周りの草が茂っているところでは、先端しか見えないかもしれない。古い墓地などにひっそりと咲いていることもある。

 だから、夏草の茂りが暑苦しくて目障りで一斉に草刈りされたりすると、消えてしまうか、執念でまた伸びるか? そっと根際を掘ってみると、スイセンのような形の小さな球根が見える。なぜか葉っぱは2枚と決まっているらしい。9月末になると、みどりの実がまたかわいい。バッタが飛び出したかな、虫の鳴き声に耳を澄ましたことがあったかな?

 小さな花は、しゃがみこんでルーペで見るとそれぞれが小さな造りが結構デリケート。などといった表現をすると、「草花ですか、雑草ですか?」という質問を受けることが増えた気がする。

 どうやら、草花はかわいいから大事にしてあげるもの、雑草は予定外の邪魔者だから絶滅して当然、という共通認識があるらしい。

 春先は、木々の芽吹きとともに、黄色や紫の花が一斉に咲きだすから、みんなきれい! それに比べると夏から秋にかけては、イネ科などの草が増えて、きれいな花を咲かせる虫媒花は減っていく傾向が見られる。そうした移り変わりもまた、季節を感じさせてくれる風物詩なのだろうに。

 ところで、秋の七草、ご存じですか? その中で、今も市川で見られるのはどれ? 野生状態では絶滅して見当たらないものがどれ? 秋は、生きものたちにとっても次の世代へと、思いが深まる季節なのです。



# by midori-kai | 2020-09-07 10:25
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
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