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第72回 11月(霜月)葉っぱクイズのスダジイと 「かおり」

図鑑の説明では、スダジイの葉は「全縁だが葉の上部には鋸歯がある」などと書いてあるものもある。葉っぱクイズでは、スダジイを鋸歯があるうちに区分したけれど、なんとも心配になって、スダジイが茂っているところのあちこちを、何回も確かめ歩くことになってしまった。
今まで見てきたスダジイの葉っぱは、全縁で、鋸歯がないものばかり見ていたような気がしていたので・・・。
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花の構造が環境の変化を受けにくいのに対して、葉は大きさなどの変異の幅が広いから分類の基準にはし難いといわれる。葉の裏側の色も金茶色が濃いものもあれば、殆ど薄緑で茶色がかっていないものもある。
強剪定された生垣のスダジイで鋸歯がはっきりしているのみつけて、ちょっと安心した。スダジイのイラストの右上の葉がその一例。
 もう一つのイラストは、9月末の八幡回遊展の際にコンサート会場で頂いたニホンナシの「かおり」。直径が12㎝もある立派なものだった。ナシの花は品種によって花びらが5枚ではないものもある。ナシ農家の方々は、花で区別がつくらしいが、葉っぱだけでも品種がわかるのだろうか?
 花の違いは、来春に確かめることにして、とにかく「かおり」の葉っぱだけでも描いておこう!
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 それから半月ほどたって、市川駅南口のロータリーで、ヤマナシが植え込まれているのが目にとまった。この苗、どこで仕入れて、誰が仕掛けて植えられたのだろう? それを気にしていたら、なんと大洲防災公園のバラ花壇の横にも植えられていたのを発見した。まだ若木で、花は咲かないのかもしれない。
 野生種のナシは、世界に10種ほどあるといわれているが、山中でのニホンヤマナシの花盛りの風景など、残念ながら写真でしか見たことがない。とりあえずは、野生種と栽培種の違いを、比較のために原寸で並べて描いてみることにした。
なお、水木洋子邸には、チュウゴクナシの鴨梨(ヤーリー)が植えられていて、4月上旬に花が咲く。        
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by midori-kai | 2016-11-08 07:34

深まる秋・大洲での「市民まつり」で考える 高野史郎

10月末にもなると、北の山から紅葉の便りが届き始める。中学校の野外活動のお手伝いなどもあって、群馬県の山奥、奥利根へ何回か足を運んだ。昨年来の冬はかつてないほどに雪が少なく、雪解け水が少なかったため、夏の水不足が心配された今年だった。
尾瀬に近い奥利根水源の森は、紅葉の真っ盛り。多様な落葉樹がそれぞれの色合いで秋色に染まって、胸がときめいたのだが、例年に比べるとイマイチ冴えないと地元の人はいう。夏の日照不足も原因であるらしい。
標高差によって、木の種類もどんどん変わる。ブナやダケカンバは、もう葉を落としたものもあった。ハウチワカエデが、真っ赤だった。コシアブラが透き通ったような黄色だった。すぐには色名での表現が浮かばないほどに、自然界は多彩なのだ。これから先、半年も続く冬への準備を急ぐ落葉樹にまじって、あちこちの深い緑はアスナロか。
房総の養老渓谷などはどうなのだろう。10年近く前、真間山弘法寺近くで新年の飾りの横に、真っ赤なモミジが残っていたことがある。今年の市川のあちこちの紅葉を、いつものように調べ歩くことにしよう。春の芽吹きが多様であるように、紅葉もさまざま。大町周辺の斜面林、コナラなどがシックな茶色に染まるのも捨てがたい。夕方の自然観察園に西日が当たって、少しずつ暮れていく気配を感じるのが好きだ。
カクレミノやサクラが、葉脈と周辺とを微妙に染め分けて、徐々に赤味を増しているのを確かめるのも楽しい。葛飾八幡宮などのイチョウ並木も、株によって、黄色になるスピードの違いがかなりある。風の流れなど、微気象の違いなのか、いつも気にかけながら昨年との違いが思い出せないでいる。

11月3日、大洲防災公園で「いちかわ市民まつり」が開かれた。今年で41回目にもなるのだという。市川みどり会のブースでは、落葉樹などの葉っぱクイズをやって、当たった人に風船を配っていた。何かを貰えるところはどこも行列ができる。
葉っぱクイズでは、誰でも知っているような樹木の葉っぱ、イヌシデ、コナラ、イロハモミジなど15種類を選び出して、クイズの問題にしたのだが、難しかったかな? 何かを調べようという人よりも、圧倒的に多いのが、何かを安く買おう・貰おうという人のようだ。
市街地が多い市川にも、まだ貴重な樹林地が残されている。そこへ出かけて緑の風を感じ、空を見上げて深呼吸。さりげなく、環境問題にも思いをめぐらせてほしいと願うのだけれど――。
あちこちの環境フェアなどでは、いつも準備する側にまわっているので、今年はお客さん側にまわって、あちこちのブースのヤジウマ見物を楽しませてもらった。ここでは、おなじみの団体の展示を覗いたりするとともに、ご無沙汰している人たちとバッタリ再会できる場所でもある。

自然環境課のブースでは、生物多様性にかかわる市民調査の展示をしていた。ブッポウソウの写真が飾ってあるのに驚いた。あれって、2003年までに実施された自然環境実態調査では、記録されていなかったような気がする。いつから現れるようになったのだろう。
「声のブッポウソウと姿のブッポウソウ」などと、NHKの放送で話題になったのは昭和10年だったはず。それまでは鳴き声の主が謎だった。「ブッポウソウ」と鳴いたのは、なんとフクロウの仲間のコノハズクだったのだ。
市川のどこで、この鳥が暮らしているのだろう? こうした地道な調査活動が続けられていることを、もっと多くの人に知ってほしいものと思う。もっとも、今はケイタイですぐに話題が広まってしまう。
こざと公園に珍しい野鳥がやってきたりすると、30分後には望遠レンズを担いだ人が大勢押し寄せてきて騒ぎになる。珍客にとってはそこが安住の地でなくなって、もう二度と姿を現さなくなってしまうことが多いという。

建物のリホームを仕事にしている会社の展示では、材木の見本を20種類ぐらい並べてクイズになっていた。15種類当てたら何かを貰えるという。これってすごく難しい。何枚もを貼り合わせたものもある。スギやケヤキはすぐに判るけれど、外材になるとまるっきり樹種の区別がつかない。
詳しい人に解説を頼んで質問したのだが、概論・一般論ばかりで、ちゃんと説明してくれないのだ。知人の木工家は、森に入ってわからない木があると、斧でちょっと削って木目を出して材の種類を判定する。何十種類もの木の種類の用途別解説をしてくれる。
浜松の楽器工場を見学した時、水分含量を13%以下までに乾燥させると狂いがこないと説明されたことがあった。ウーム、残念。
15種類どころか、5種類も見当がつかない。こういう質問をする人自体が、少数派なのかな。

「わんぱく広場」では、ボーイスカウトの大人たちが子どもたちとゲームを楽しんでいた。段ボール箱を積み上げて、そこに体当たりしている子もいた。
参加しているのは、どうもうちうちのメンバーばかりの様子。自然系の人の会話は、難しい顔をして話が長くなる傾向が強いのをいつも気にしている。レク系の人が気軽に参加してくれるといいのに、とずっと思っているのだけれど、それをつなげるとなると難しい。仲間同士の結束が強いと、異人種はそこに気軽に入っていけなくなる。お互いに気をつけたいもの。
子どもといっしょに、おどけてゲームをしているオトナの心境を、羨ましく眺めるばかり。

ここは防災公園、いつかは必ずやってくるという大地震のための施設である。トイレの順番待ちする長い行列を、今回もカウントしてみた。いざということになった時、うまく対応できるのだろうか? 大雑把にいって、人は2時間に1回はトイレに行くことになっているという。今回の参加者数は何万人なのだろうか? 非常用リュックの中に水は3リットル入れておくことが望ましいというけれど、トイレ問題は話題にしにくいし。
ある環境フェアで、人集めに100円で卵のつかみ取りをやったことがある。大行列ができるほどの盛況。万遍なく会場の解説を読んでもらうために、いくつもの団体に三択クイズを依頼したこともあった。でも子どもたちは、すばやく回答だけを知って賞品交換所へ走る。
もう3回もまわっちゃった、などという子も多数。テレビの視聴率と同じで、数字が多くなってくれないと困る主催者側の事情もある。
ナシの事情を詳しく知りたいと、JAの市川市本店へ出かけたら、銀行みたいにカウンターが並んでいた。別の場所で、ナシ事情に詳しい人に説明していただいた。
「セキショウシ」とか「セッカリ」という言葉が連発される。もっと判りやすく、紙に書いて説明してほしいとお願いした。人工授粉のために中国から輸入される花粉が「雪花梨」で、その増量剤が「石松子」だという。その本体が何で、どこがどれくらい輸入しているのかはついにわからずじまい。
セキショウシは、どうやらヒカゲノカズラの胞子らしい。セッカリは、商社が輸入してくれているが細かいことは知らないという。どんな品種の花粉なのだろう。
ナシの花粉も、冷凍保存するとかなりの年数に耐えるらしい。大賀ハスだって、2000年の眠りから覚めたのだという。自然界の不思議は、調べるほどに判らない事がどんどん増えてしまうから困る。
ナシの品種も、新しいものが増えていく。ナシ農家の苦労も大変なのだろうな、と思うばかり。
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by midori-kai | 2016-11-08 07:27
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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