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第70回 9月(長月)キブシ

キブシ
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絵のモデルさんは、UFJ水源の森のキブシ。
早春の林縁などに、薄黄色の花を咲かせ、ほんわかとさせてくれる。
落葉樹だから、葉がついているのは今年伸びた枝のはず。
まだ夏が終わったばかりというのに、来春の用意は進んでいる。
緑色の実は、たぶん今年の春に咲いた花のその後・・・。
あれ、この実は、秋に落ちてしまうのか、雪の中で越冬することもあるのかな?
雌雄異株だから、実がついているのは雌株。すると雄株は今、どんな状態?
花の時期に、雄花・雌花をルーペで確かめたことなかったな!
種小名のpraecox は、「早熟の・早咲きの」などの意味。
お花屋さんでは、しばしば「黄藤」と伝票に書かれたりする。
いけばなのお師匠さんは、花だけを見て、マメの仲間と勘違いすることもあるらしい。
藤の仲間・マメ科だったら、花が咲いた後には、莢(さや)になるはずなんだけれど。
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by midori-kai | 2016-09-28 05:47

夏の行事いろいろ、エコキャンプ・森林体験など   高 野 史 郎

 今年も猛暑で雨が降らず、根の浅いツツジやアジサイは枯れてしまうのか?と思っていたら、8月下旬の迷走台風などで各地に大雨で被害も多発! ほどほどに慎み深く――とはいかない異常気象が常習化しつつある昨今ですね。
夏休み期間中とあって、お子様番組の他に、高齢者向きのプログラムなども結構多い。参加したいくつかについて、ご参考までに概略を紹介させていただこう。鴨川、富浦、館山、市原など各地をまわったが、駅前通りが閑散としている所も多くて、つい市街地の多い市川周辺との比較になってしまう。

《 清和県民の森で子供たちのエコキャンプ 》
「清和県民の森」をご存知だろうか? 南房総のド真ん中、木更津と安房鴨川の中間あたりに位置し、三島湖や豊英湖、高宕山などに囲まれて3200 haの広さをもつ。房総の山々の殆どは一通り歩き回ったが、谷が深く、尾根伝いの道は狭く、ひどく厳しい。エコキャンプの講師役を頼まれて、真夏の暑い日にテーマ探し方々下見に出かけた。上り下りの多い山道を、4時間歩いて汗びっしょりになった。
この1泊2日のキャンプは毎年開催され、ご常連の子供たちも多い。参加は小学生が約50名、大学生などのサポートスタッフが10名、本部の仕事などを受け持つベテランが6名ほど。
資料は進行プログラムに沿ってのリーダー用と、キャンプでの注意条項をふりがな付きカラーコピーの小学生用とが、実に周到な配慮で作られていた。
ユニークだったのは、1日目の夕方「とりの解体見学」が含まれていたこと。「参加したくない子は、近くの散策などをする」となっていたのだが、30人ほどの子どもが、ちょっと遠巻きに、吊るされた茶色のシャモの周りに座って集まった。
生きものはみんな、砂や石などの無生物を食べて暮らしているわけではないし、「たべる」を体験することも必要なのでは、というわけである。解体指導の講師は、年に10回ほど、こうした趣旨で幼稚園なども回っているという。趣旨説明が、毎回困難を極めるという。
「最初にお願い。静かに見守ってほしい。絶対にかわいそう、などといわないこと!」
頚動脈を切る。吊るされた状態で激しく羽ばたいて鳴き、静かになった。「脳から緊急事態を知らせる情報が、体中を駆け巡りました。いま、絶命しました」。みんなは、声をひそめ静かに見入っていた。自分がこの年齢の頃だったら、どんな反応を示しただろうか?とふと思った。
羽毛を抜き、皮をはぎ、解体作業が続く。順次、部分ごとに切り離されていく。鳥の仲間には、ヒマラヤを超えて渡るものもいる。哺乳類では、空気袋のような肺が呼吸の主役だが、鳥では肺の周囲に気嚢(きのう)と呼ばれる組織があって、吸っても吐いても、肺には常に新鮮な空気が流れる独特の構造ができている。頚気嚢・鎖骨間気嚢・後胸気嚢などのいくつもがある。
また、胸骨には竜骨突起と呼ばれる垂直方向の骨があって、翼を打ち下ろす役の大胸筋と、翼を引き上げる小胸筋とがセットになっている。筋肉は引っ張ることはできても伸ばすことはできないから、骨との接着点が違う筋肉が2枚重ねになっている。これが、胸肉とササミの区別である。
部分ごとに順次にトレーに並べられ、「シャモはブロイラーと違って皮が固いから、細く切っていきます」と皮付きの肉は5㎜幅ほどに切られて、夕飯のチキンカレーの材料に収まった。後半になると子どもたちも積極的に手伝うようになった。「近くに鶏肉屋さんがあるからよく知っている」といいながら、解説役に回る女の子もいた。

三浦半島で精力的な活動を続けていた柴田敏隆先生のキャンプ報告(未来を開くこどもたち:1991)を本棚から引っ張り出して比べてみる。子どもたちの作文集、吊り下げられたニワトリのイラストに添えて、感想が書き込まれていた。
「ニワトリを3羽しめた。そのうち1羽のけい動脈を私が切った。誰かがこの作業をしなければ、私たちは生きていけない。まだあたたかいニワトリの足をつかみながらなんともいえない気持ちになった。沢山の生命の犠牲の上に私たちは生かされている。それが自然なのかと思った・・・ニワトリさん、成仏してください」。

《 北国分から堀の内を歩く 》 
まだ夏の盛りの暑い日の早朝、北国分駅から歩き出して、イザナギ神社の市指定天然記念物、ハリギリを半年振りに見る。近所の檀家の方か、4人ほどが竹箒で掃除していた。ここはいつもきれいに箒の目が立てられている。(きれいに掃除されてしまうと、申し訳ないけれど落ち葉や実の形を確かめられないで困ってしまうことも多いのだが)。
見上げるハリギリは、樹高18m、周囲の樹木からワイヤーで引っ張られている。かつての印象よりは、葉が小さくなったように感じられた。老齢のためか? 枝先の枯れ込みが気になる。社殿の裏側に回ると、大きな切り株が多数。昔はここも鎮守の森として、鬱蒼とした巨樹に包まれていたのであろう。
北国分から堀の内までの南に向かう道路は、ポプラのような樹形のムサシノケヤキの街路樹が並ぶ。この冬に枝先をつめるように剪定された。そこから吹き出した枝が、上を向くのかやがて垂れ下がるかが気がかりだった。
農大の濱野先生のお話では、ムサシノケヤキは種間雑種などではなく、ケヤキの中から選抜されたもので数系統あるとのこと。最初に樹形を見たときは、ポプラかムクノキかと思った。葉の横幅が広く、秋の落ち葉を拾って確かめたら、大きくごわごわしていた。花が咲いて、ケヤキのように実がなるのかどうか、まだ見てはいない。
直線道路の突き当りから階段を下りて堀之内緑地に入る。ここは10年ぐらい前か、岡崎清孝さんと歩き調べた場所。ハリギリやトチノキなども混ざっている雑木林。この林、いつ頃からこういう状態だったのだろう。トチノキの大きな実が、ここに運ばれた可能性にどんな方法があっただろう、などと話しあったのが思い出される。
堀之内貝塚では、マヤランを探したが見当たらない。年毎に移動する傾向があるらしい。名残りのキツネノカミソリが歴史博物館近くの古い神社横だけに咲いていた。外環工事を見下ろすイヌザクラ近くには、メヒシバなどイネ科の野草がすんなりと茂っていたのに思わず微笑んだ。市川にまだほんの少しだけ、野草が伸び伸びと育つ場所もあったのだった!

《 奥利根・谷川、森林体験ふれあい楽習 》
もう20年ぐらい続けている三菱UFJ環境財団主催の自然ふれあい楽習に、今年も参加している。いつもは奈良俣ダム近くの財団の「水源の森」でプログラムが展開されるのだが、今回は初めての試みとして、谷川岳山岳資料館前に集合して、天神平や一の倉沢へのコースが組まれた。話には聞いているけれど行ったことがなかったから、このチャンスのぜひというわけで、参加申し込みは、すぐに締め切り状態になったとか。
当日は、予想されたよりも早く台風の余波がやってきた。歩き出した頃から雨! 登るにしたがって視界が広がり、感動的な素晴らしい展望、高山植物も咲いている・・・となるはずだったのだけれど、常に現実は厳しい。雨にけぶる視界。ヤッケに身を包み、雨宿りする場所もないままに、お弁当を広げて食べるという貴重な体験をすることになってしまった。
これもずいぶん前の話だが、尾瀬へ行って、3日間雨続きだったことを思い出した。靴下を3足持っていた。それが最後には、もう登山靴の中も外も水浸しで、ひたすら歩いたことがあったっけ。
2日目は、いつものようにダム工事の後始末で、ハンノキの林で林業体験。
講師の先生方は、営林署時代から地元の山を知り尽くしている超ベテランの人たち。その昔、山官とか森林官などという言葉があった。戦後は、荒れた山に緑を復元しようと山の奥深くまで杉苗を植えたりする拡大造林の時代があった。そんな時代背景の中での現場を知っている、あるいは最後の人たちなのかもしれない。
ダム建設では、より分けられた土の要らない部分が谷間のブナの林などに捨てられた。土捨て場というらしい。そのやせた土に、根瘤バクテリアがつき空中チッソを固定する働きがあるハンノキを肥料木としてとりあえず植える。肥えた土1㎝を作るのには100年かかるといわれる。35年ぐらい経過したハンノキは、その場で玉切りされ、やがて腐り土作りの役割を果たすことになる。そのあとには、おそらくミズナラやブナが植えられて、かつての林がよみがえるのであろう。
黒部ダムでは流域面積が広いのに対して、谷川岳周辺は険しく流域面積が狭い。水需要が多い都市部の水がめの役割を持っていて、この近くには構造が違う8つのダムが建設された理由なのだそうだ。
間伐体験のあとの2日目の午後には、いつものように財団の水源の森に移動した。オオバクロモジを使っての楊枝作りなどをみんなでする。広場横の小川あたりには、大雨で氾濫した川沿いに金網製の蛇籠が並べられていた。林の中を散歩する。キブシがもう、来春に咲く花芽をつけていた。
スケッチしながら、あれ、キブシって市川に生えていたっけ?と気になってきた。帰宅するなり「自然環境実態調査報告2003」のページをめくる。記載が見当たらない。どこにでもありそうなごく普通の植物も、微妙に住み分けているのを思い知らされた。
このプログラムは、10月末にも実施される。尾瀬に近い「奥利根水源の森」が予定されているらしい。紅葉の時期で混みあうだろうが、楽しみだ。
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11月3日には、大洲防災公園で市民まつりが開かれる。
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市川みどり会のブースでは、「木の葉っぱクイズ」も予定されている。どんな樹種を選んだらいいのだろう。街路樹の種類も多い。市街地の中ではアスファルト固められて、木の根っこは行き場がない。
北部の柏井・大町などには、それなりに自然度の高い樹林地が残されている。葉っぱの区別だけではなく、そうした場所へ足を運ぶキッカケを、いろんな場で作っていきたいものだ。
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by midori-kai | 2016-09-28 05:40
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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