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第19回 3月 濱野先生の講義メモ    高 野 史 郎

室内講座:講義風景
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「第1回里山再生講座」として3月10日に梨風東緑地で実施するはずだった実践型講座は、残念ながら雨のために中止となり、動植物園のレクチャールームで講義の形で実施されました。参加されたのは、市川みどり会のメンバー、そして里山倶楽部会員等約50名でした。
濱野周泰先生の講義内容は、午前中が「斜面林の管理」。昼食をはさんで午後1時からは、「造園家の目から見た震災の現状」そして後半は「大イチョウその後-鎌倉八幡宮の大銀杏再生から」でした。
メモを取っていない人も多かったようなので、午前中の里山講座は、なるべくそのまま復元しました。抜けている部分、お聞きした感想などを書き込んでいただけるとありがたいです。
午後の講座は、簡潔に要約させていただきました。
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by midori-kai | 2012-03-20 23:31

《 里山再生 》

講座予定会場(雨天の為、中止)
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今は人と木との土地の取り合いになっている。緑の文化度は人間性の現れ。
「生産緑地」は国土交通省の管轄で、かつて、緑地はいつでも宅地化できる場所という考えが基本にあった。3年前に前文の中身が変わり、緑を守ろうという視点も加わった。
緑地にとっての大敵は、近隣住民である。緑地を取得して住んでる人が緑の敵というのは本来おかしいが、近頃は、「樹木=落ち葉と日陰」という図式になってしまう傾向がある。
かつて土地を取得するということは、ステータスであった。欧米には「緑豊かな環境を買う」という認識がある。ドイツでは、道路近くと緑地のそばでは、値段に3倍ぐらいの差がある。道路沿いが安い!

山小屋を手に入れた。半分は湿地でミズバショウが見事に咲いていた。評価額の半分ぐらいで入手することができた。

ヤブツバキは暖温帯の表徴種だが、その下の場所にはかつて津波が来たこともあったのだろう。「ツバキの下には住むな」の言い伝えがある。
「北側に窓を作ろう!」日当たりがいいからと、南側に大きな窓を作ることが多いが、それでは前に広がる樹木の影の部分を逆光線で見ることになってしまう。夏は暑い。北側に大きな窓を作れば、樹林の南側、日が当たる面に植物の表情を見ることができる。

生産の機能から環境形成機能へ
昔は落ち葉を集め、笹を刈ってサツマイモの温床を作り発酵熱で苗を育てていた。石油などは使わないふつうの暮らしがあった。低く掘って落ち葉を積み、そこにミツバをまくと、1月には出荷できた。

国土が森に覆われる、房総半島はその典型。
地球の自転の関係から、大陸の東側は雨が降りやすい。日本は裸地を放って置けば森になる。「後は野となれ、山となれ」は降水量が多い日本だから成り立つこと。時間をかければ森になる。
人生よりも森のほうが長い。森林は孫の代になってやっと収入に結びつく。子どもの時代には収入がない。70年ぐらい経ってやっと収入となる。人の時間よりも樹木の時間は長い。時間軸の違い。

それに対して西側は冬雨気候。ヨーロッパでは、気温が高くなる時に乾燥するから、植物は手をかけないと育たない。
日本で、イングリッシュガーデンを作ると、雑草抜きが大変な作業となってしまう。昔はボーダー花壇といっていた。
関東では、標高800~1000mの箱根などでないと、宿根草の多いイングリッシュガーデンは作りにくい。大陸東岸の夏雨気候帯の植生 ヤマザクラやオオヤマザクラの花 「辻が花」はそのイメージで作られた。

落葉樹林から常緑樹へ  クヌギの再生
除伐して光が入り、明るくなると下草が生えてくる。生物多様性の確保。

山の集水域 酸性雨や倒木などの場所が、補植するなどして修復されないと、地下水がどんどん下がり、水の枯渇につながる。
松の間伐 枝葉が茂ると、ザイセンチュウにも強くなる。

良好な環境を作るための、作業の看板を作る 地域の人たちにもその思いを伝える
参加者の考え方を統一する・・・価値観の共有  思い思いにすると作業も虎刈りになる。
目的が曖昧になる。

対象地の確認  現存植生と将来像の設定 
 小グループで意見をまとめる・・・情報交換  方法が少しずつ固まっていく。
作業目標  役割  安全確認
レッカー車・高所作業車  人の力よりも大きいことを常に意識する  危険が大きい!

刈り取った竹の処理  積んで1年たってからみんなで踏みつける  
斜面と平行において落ち葉をためる
カントリーヘッジとして積まれた間伐材   ICUではまきとして喜ばれた  
景観の要素にもなるカントリーヘッジ

リクリエーション空間としての樹林整備  散策路を作る
防腐剤を使わないと3ねんぐらいですぐ土に戻る
針葉樹の林はリクリエーションに使いにくい 広葉樹を少し加える

主成分分析   木の本数 樹種数 枝下高 相対照度(2%) 1400から1800本・h

気候的極相を認識する   茂り過ぎないようにコントロール
ヒサカキ イヌツゲ トウネズミモチ ・・・鳥が食べて運ぶ
ツバキは時にカラスがいたずらして運ぶ

植物が消えた足尾銅山跡  まだPH3.8~4というところもある
地表に落ちたものは、地形による違いが大きい 放射能も同じ理由で地域差が大きい

植物の水を吸い上げる三つの力   根圧 蒸散 凝集
途中で加圧ポンプの役割を果たすのが、幹の途中に茂る枝や葉
貴重植物の見せ方
調査・観察をしていますよ ということを知らせるために横にメジャーを立てたりする
アマチュアはそれで遠慮する(植物で商売をしている人たちは、儲かることなら何でもしてしまう!)
木道の設置 40㎝以上に高い位置に木道を作ると下へ降りにくくなる傾向がある
目下、キンラン・ギンランの6年前のタネが発芽するかどうか、試験中

※濱野先生とも話したのですが、キンラン、ギンランの発芽率を上げるのは非常に難しいのです。現在の研究報告を記します。
『今井先生と、キンラン ギンラン の培養について話したことがあり
ましたが、とても難しいと言っていたことを 覚えています。
たしか、理由として キンラン ギンラン の類は、生育するにあたって、
共生するラン菌に
依存する割合が、とても高いのだとか。だから無菌培養では、ほとんど発芽困
難なんだそうです。ちょっと、記憶が曖昧ですが。
キンランについては、ごく最近になって、共生している菌が、一般的なラン
菌である腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成し、共生している菌であることがわかってきたそうですね。学校の周りの谷津でも、ササバギンラン キンラン が 自生しているらし
いので、今井先生も、今度見に行こうとしていました。種子を見ると何となくわかると
も言っていましたが。(残念ながら、私にはまだわかりません。)
中央学院高校  元木 恵』
私と濱野先生との共通の友人である今井先生の教え子からの報告です。今井は昨年、この世を去りました。(ここのみ加筆/宇佐美)

クヌギは「甲虫の昼食会」  オオムラサキ カブトムシ ノコギリクワガタ カナブン
スズメバチは、通り過ぎるのを待つ 現場から遠ざかる
不健全木も大切に  コゲラ アオゲラ

里山は 自然と共生するための知恵だし  他の生き物と対等の立場で
生きものが地球上で生活できるかどうか、今後の人類の活動にかかっている。
今の暮らしを持続させるためには、地球が4つ必要といわれている。
時間を4倍に引き延ばすしかないのかも。
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by midori-kai | 2012-03-20 23:24

《 震災の現状 》

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・陸前高田市には震災から55日後に入った。何の音もしない不思議な静けさ。サイレントスプリング!
・杭根のあるアイアカマツは強かった。被災地で残ったのはアイマツ。
・現地では30年ほど前から植生調査などをしていたが、植物の塩害や再生能力など、それまでの常識とは違った結果を知ることもできた。
・塩害でヤブツバキが枯れた。今まではかなり強いといわれていたのに。
・反対に、ケヤキは全部浸かった所で夏に新芽が出てきた。ハマナスも砂にうずまったのに強かった。
・オニグルミは復活してきた。マダケも5か月経って再生した。イネ科は全般に強い傾向がある感じ。
・ソメイヨシノが予想よりも強かった。片親のオオシマザクラの影響かも。

・1本松は、2か月後に再生計画が出てきた。(すぐに排水工事などをすれば、助けられたかもしれないが震災直後はそれどころではなかった。船頭さんが多くて方針を決めにくかった事情もある。
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by midori-kai | 2012-03-20 23:16

《 鎌倉の大銀杏 》

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手術後の幹の切断面
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・大きい木は、豊かな自然の象徴 神が宿るといわれて大事にされてきた。
・大きい木のためには、大きい空間が必要、水分の供給が大事。不足すれば先端から枯れる。根が伸びるに従い枝の先端までの距離が遠くなる。
・草と木の生長の違い。草は何回も生長を繰り返す。木は積み重なって育つ。木は横にも育つ。
・屋久島も杉が育っているのは東側。西は風が強い。
・大イチョウが倒れたのは、2010年3月10日の午前4時40分。倒れる40分前から音がしたという。
・倒壊時には風速13~14m、最大風速が18mだった。
・イチョウは倒れたけれど、階段も人的被害もなかった。根が殆ど腐っていた。昔のままの姿で再生することは不可能。
・神社側は、なるべく大きな状態で幹を残して欲しいという希望だったが、無理。
・結局3mほどに幹を切断し、処理をして植えなおした。35tのクレーン車を通すのに苦労した。
・若葉は日照に弱いので、寒冷紗で囲って保護している。
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5時からは東松戸駅直下の飲み屋さんに場所を移し、懇親会が賑やか開催されました。濱野先生ほか40人ぐらいが参加されたようでした。来年こそは、晴れて野外の講座となりますように!
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by midori-kai | 2012-03-20 23:13

高野さんが、市川市民芸術奨励賞を受賞されました!

2012年3月3日授賞式風景:高野史郎
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記念講演:「市川の自然を後世につなぐ」と題して講演されました。
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『11月末ころ、電話でお知らせがありました。
「ショウレイショウ」と聞いて、一度考え込みました。
こちらはとっくに、高齢、老齢です。
頂いたテ-マがとても重いです。
格調高く、お話しないといけないのですが、短い時間なのでイラストや写真で話題提供。
市川の自然の風景をお見せしながら話をすることにしましょう。』と記念講演が始まりました。
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by midori-kai | 2012-03-17 08:00

受賞インタビュ- 

(公益財団法人 市川市文化振興財団より)
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by midori-kai | 2012-03-17 07:54

高野さんは、この人ですよ!若いでしょ!!

高野史郎
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(P-PHOTO.COMより)
千葉県の環境学習アドバイザーとして、自然に関する学習会や見学会の講師として、あちこちで大活躍。自転車で観察して回り、草花のスケッチを続けています。

千葉大学園芸学部出身、昭和9年生まれ。市川市在住。広告代理店勤務や広告デザイン・編集の仕事に従事する傍ら、市川の豊かな自然に興味を持ち、長年にわたり江戸川の自然を守る市民グル-プで活動。1981年、千葉県自然観察指導員協議会を設立。デザイナ-としての経験を活かし、自然に関する写真展やイラスト展も継続的に開催しています。前千葉県自然観察指導員協議会会長。現在、(財団法人)日本自然保護協会自然観察指導員、市川市自然環境政策専門員。(公益財団法人 市川市文化振興財団より抜粋)
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by midori-kai | 2012-03-17 07:36
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
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