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第80回(水無月)ガクアジサイとホタルブクロ

梅雨の頃になると、白い花・紫の花が目立ってきます。春先に咲いた花は、もう緑色の実になり始めているものが多い。ムラサキシキブなどは、長い枝先に次々と花が咲き続けて、花から実への変化が連続して見られる楽しい花です。

深緑一色の風景の中で登場する花の中から、今回はガクアジサイとホタルブクロを紹介しましょう。

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アジサイは誰でも知っている。欧米へ輸出されて里帰りした花は、明るいピンクや真っ赤だったりして、園芸屋さんはハイドランジアと呼び、日本の山野にひっそりと咲くタイプのアジサイとは、区別しています。

以前は、鎌倉のお寺などがアジサイの名所でしたが、いまは各地にアジサイの名所ができて、人気を集めています。アジサイ専門の育種家が何人もいらっしゃるようで、いまや何百から千の単位の多彩な園芸品種が売り出されています。

ガクアジサイの名は、繁殖能力のある真ん中の花を、呼び込み屋さん役の大きな花が額縁のように取り囲んでいるところからの命名。生物季節の調査では、この真ん中のツブツブ状態の花が開いた時を、アジサイの開花と決めています。

このアジサイの花、どんな昆虫が来ているのか、調べた人いらっしゃいますか? そして、メシベやオシベをルーペで覗いてみた方は? 花の構造は実に多彩です。近頃は人間社会でも、性の多様性が話題になっていますが、LGBTの多様性は、アジサイのほうがずっと先取りしていたようです。

このアジサイ、放っておくと葉っぱもでかくなり、背丈が伸びる。だからといって、秋遅くなってからばっさり切り詰めると、翌年は咲かなくなります。来年の準備、花芽の分化は8月ごろから始まっているからです。花の終わりは、外側の装飾花が裏返って色が変わったことでわかりますが、これをドライフラワーにするのも渋くていいものです。

来年の花のためには、ヤマアジサイの系統は6月中に、その他の系統でも7月中には剪定を済ませるようにしないと、来年の準備に支障をきたします!

10年ほど前から各地に登場している白い花が枝先いっぱいに咲くアメリカアジサイ――アナベルは、春になってから花芽が分化するので、早春までに株元から切っても大丈夫です。積雪の多い寒地でも栽培できるようになりました。

市川みどり会が管理する里山緑地にも、アジサイが植えられているのをご存知ですね。

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語源というのは解釈が難しい。著名人が文書などで発表し、それに賛同した人がその説を広めるわけではないのだから。ホタルブクロもその例。

多くの本では、闇夜に光るホタルをこの花に入れて子どもたちが大事に持ち帰るから、と説明している。花の中でボワッと青白く光るさまは、想像するだけで楽しい。でも、そうした経験を実際にお持ちの方、いらっしゃる?

この説に異議を唱える人もまた多いようなのです。ホタルが光るのは闇夜、なかなか捕まえられるものではない。やっと捕まえたチャンスに、夜道の脇に咲くホタルブクロを、すぐに見つけて折り取り、その中にいられるだろうかというのです。

ホタルそのものの語源には、()垂る説がある。ホタルブクロの花の形は、提燈(チョウチン)に似ている。ホタルブクロの方言には、チョウチンバナ、アンドンバナというのもあるのだそうです。古い文献には、ツリガネソウの名もある。この花にまつわるあなたの体験感想を、ぜひお知らせいただきたいものです。

さてこのホタルブクロ、各地で咲くものを外側から眺め、中を割って状態を調べまわりました。この花はキキョウ科、キキョウはオシベが先に成熟し、続いてメシベの柱頭が開く。ところがホタルブクロは、下向きに咲くから花の中がよく見えない。そっと開いてみると、満開のものはいつもオシベがもうしなびている。

だいぶたってから、既にツボミの時にオシベはメシベを取り囲んでいて花粉をメシベにつけて、花粉が運ばれるのをまっているのだ、ということに気づいた!

下向きの花は、雨が降っても花粉が流れ出ることはないが、侵入する昆虫の立場からは、メシベの花柱にしがみつくしかなさそう。ホタルブクロの花びらの内側に小さい突起がたくさんついているのは、虫が滑り落ちるのを防ぐ効果を期待しているのだろうか、と穿った見方をしたりします。

このホタルブクロ、次々とツボミをつけて開花期間は結構長い。山地では、7月中旬でもまだ咲き続けています。


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by midori-kai | 2017-07-19 07:29

各地の環境フェアのぞき見、みどり会の45周年記念講演   高 野 史 郎

環境月間の6月は、各地の環境フェアをハシゴして歩き回った。もう15年以上続けているので、時代の移り変りや、テーマの扱い方の違いがよく判って、興味しんしん。

かつては2日間連続の開催もあったのに、最近は1日だけの開催となったのが、ちょっと残念な気もする。6月はそろそろ梅雨の始まりの季節だから、雨の心配もある。だから荒天中止となってしまってはあまりに残念、神頼みということになる。

◆市川周辺各地の環境フェアをハシゴする!

今年は、「いちかわ環境・防災フェア2017エコでつながる!いちかわKIDSのスマート体験!~のタイトルで、64日に開催された。場所は、環境会場が去年と同じニッケコルトンプラザ、防災会場が道の向こう側の現代産業科学館と二つに分かれた。

当日、こどもエコクラブのテントをちょっとだけお手伝いしながら、あちこちを回るチャンスがあったが、持ち場を担当したスタッフは、別のところを全く見ることができないのが残念だし、申し訳ない気分になる。

防災会場のほうには、降雨体験車があって、レインコートを着た子どもたちが列を作っていた。自衛隊の人たちが何やら集まっているのでギョッとしたが、被災地での活動紹介だったらしい。防災のテーマは初めての試みだったから、関係団体への呼びかけや連絡調整に大変なエネルギーを必要としたことだろう。ご苦労様なこと。

環境会場のほうでは、ご当地アイドル「市川乙女」という人たちのライブがあったらしい。ウルトラマンの握手会にも行列ができていた。もっとダイナミックな大型巨人が登場するのかと思ったら、等身大のウルトラだった!

市民グループの活動展示などは、コルトンの一番奥、コルトンホールで去年同様に開催された。これって、ご常連にはわかっていることだが、店内を突き抜けた先に会場があるのを知らない人も多いことだろう。初めてここに来た人のための、単純明快な総合案内所が欲しいところである。

これって、実は担当者はそれどころではなくて、難しいことなのだ。 全部終わってから、あれ! 会場の記録写真を撮っていなかったね、となりがち。 後片付けが終わって、ホッとしてからの記念写真だけが、後に伝えられる唯一の記録だったりしやすいもののようだ)。

船橋の環境フェアは、610日に第20回として中央公民館で開催された。この場所、実は極めて使いにくい。1階がホールになっている関係で、事務室が3階にある。各階の部屋は独立していて廊下からは二重の扉を開けて入りことになるから、全体を展望し難いつくりとなっている。

出店団体のリストでは、館前広場から4階・5階・6階とあわせて63の出店団体が並んでいる。ご常連の体験・工作コーナーに親子ずれが集まっているのがここの特徴か。

11日の日曜日午後には、6階の講堂で生物多様性のシンポジウムが開かれた。前半は、東大などの専門家による「生物多様性とは何か?」などの講演。休憩をはさんでの後半は、船橋地区の事例発表が3つ。そしてパネルディスカッション。

船橋の多様性戦略のキャッチフレーズは「台地から海へ 水・緑・生命と共に暮す都市」となっている。集まったのは200人くらいか。顔なじみのご常連が多かった。

船橋市では、71日に三番瀬環境学習館がオープンしたので、ワクワクしながら曇空の天気の中を出かけた。ここは、3.11の被害で使用不可能になった市民プール跡に7億円かの予算を投じて作られた建物。学ぶ・知る・考えるための学習館である。

綱を引っ張ると漁船が波にゆられて動き出したり、アイウエオ順の引き出しが三番瀬がらみの生き物を紹介したりと、お子様向けの楽しそうな仕掛けをたくさん作っていた。

外には、芝生の起伏が作られていて、オープニングセレモニーでは中学生のかわいい演奏会が開かれていた。

そして25日には、浦安市の第20回環境フェアが、JR新浦安駅前広場で開催された。特別講演は気象予報士の平井信行さん。千葉県のお天気から冬日がなくなって、真夏日が増えていることなど、クイズを交えての楽しいお話。折からの小雨で、傘をさしながらの見物客多数。

浦安の大きな特徴の一つは、東海大付属高校のサイエンスクラスなど、若い生徒さんが多数参加していること。いまどこの市民グループも、少子高齢化が進んでいる。昔も今も、働き盛りの世代は公私共に忙しくて、とても地域の活動には参加しにくい現実がある。

◆創立45周年の記念講演会

74日には、市川駅北口に近い山崎製パン年金基金会館の3階で、役員会・総会に引き続き、市川みどり会の創立45周年記念として、奥村眞吾氏による「世界に稀な日本の相続税、その対策とは」の講演会が開かれた。サブタイトルは「東京都市圏の緑地減少に歯止めをかける方策はあるか?」である。

びっちり2時間、多くのデーターを黒板にすらすらと書きながら、諸外国と日本の税制の違いを解説された。お話を理解しながら、要領よくメモをとるのは至難の業だ。

日本で相続税にかかわる財産を残した人の数は、毎年6万人ほどらしいが、年々増加しやがて20万人ぐらいになるという。この人たちの残した遺産の中身を見ると、土地が約41%、預金などが約27%、株が約15%となっている。遺産は、所得税や住民税を払い続けながら蓄えた財産なのに、そうして蓄えた財産に今度は相続税が襲ってくる・・・。

実はこの問題が、市川みどり会を始め、森林所有者の共通の課題で、市川みどり会のキャッチフレーズが「次の世代と樹を育てよう」となっている理由でもある。

何世代も前の先祖から残されてきた樹林地も、相続の時には全く評価の対象にならないばかりか、すべてを取り払って裸地にされてしまう。そこから税金が差し引かれ、残った金額から相続人の数に応じて分割される仕組みとなるらしい。

こうした事情、多くの市民に知ってもらう機会を折りにふれて開催して発信していかないと、樹林地が次の世代に残されてはいかないという訳である。

市街地の占める面積が多い市川市で、地価が高く相続税の関係もあって市内の平地林は殆ど消滅してしまった。わずかに残されているのは、管理が困難な斜面林で、それも落ち葉や日照問題で新住民からの苦情が絶えない現実がある。

7月早々に九州地方を襲った集中豪雨は、今までの記録になかったほどの降水量を記録してしまった。堤防などの設計基準は、確か時間雨量で30㎜を想定していたはず。いまはそれをはるかに超えた豪雨が市街地を襲う。

森林のフワフワな土は、土壌間隙が30%ぐらいはあるだろう。柔らかい土の厚さの3分の1は、空気の隙間で、そこが大雨の時の水を蓄え、時間差を付けてくれる作用が、『緑のダム』といわれる理由でもある。自然の時間は、人の暮らしの時間なんかよりも、圧倒的に長い。思い込みの範囲から外れている「想定外」は、ごく当たり前のことなのに。

北国分の緑地で、落ち葉の堆積の中に枯れ枝を差し込んだら、すんなりと20㎝も入ってしまったことにビックリしたことがあった。樹木の名前を知るだけでなく、そんな樹林地の効能も実感して欲しいと思うことしきり。北国分の団地自治会で、何とかうまくまとめて欲しいと、講座を依頼されたことがあった。

団地の1階の人は、あの木が日陰になって冬に布団が干せないから邪魔だという。5階の居住者は、あの木の花や新緑が季節を知らせてくれて幸せなんだという。「農家が殺虫剤を散布するのは困る、いまは科学が進んでいる時代なんだから、悪い虫だけを殺して、赤ちゃんの洗濯物に安全な薬を教えて欲しい」といわれ、途方にくれる。いいことが7割ぐらいあれば、嫌なことが2~3割あるのはごく当たり前のことなのに。

書き始めるときりがない。まだ一度も出かけたことのなかった人は、来年はぜひ。こうした会場では、気おくれして素通りしてしまわないで、関心のあるところではスタッフの人に話しかけて、話題を共有して欲しい。そしてその感想を楽しくまわりの友達に伝えていただきたい!

ひと昔前の梅雨の季節は、薄暗い天気で、幾日もしとしとと「こぬか雨」が降り続いたものだったのだが・・・。ところで、今年の夏も猛暑なんでしょうか? 適度に、程よく雨が降って、大地をうるおして欲しいと願うばかり!




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by midori-kai | 2017-07-19 07:20

第79回(文月)イヌシデツとタウルシ

いちかわ周辺の雑木林に多いイヌシデ、すぐ近くでじっくり眺めたことありますか? だいぶ前の観察会で、「花が咲かない木を探そう!」というテーマで林の中を歩いたことがあった。スギとか、マツなどと、皆さんおっしゃる! 

でも変ですねえ。植物にだって当然寿命がある。次世代にどうバトンタッチするかが植物にとっても重要な課題で、基本的に花が咲かない植物はないはず。花が咲かなければ実がならない道理。

そこで、目立たない花は、たぶん風媒花で、地球の歴史からすればかなり古い時代に生まれたグループなのかもしれない、などと思いをめぐらして欲しいのだけれど。

南柏にある麗澤中学校は、創設者が自然環境を大切にしていた方で、面積が46ヘクタール、樹木の種類が約300種、15000本もの木が校庭に茂っている。そこの一角に木の茂みを抜けて2階の研修室へ上る階段がついている場所があるんです。丈が高い木は見上げるばかりで、いつ花が咲き実になっていくのか身近に確かめられない。ここではそれを見ることができる、ありがたい場所です。

4月から5月にかけて、次々と木々の花が咲き実になっていく。そこでイヌシデの若い実を見つけました。モミジの実のように風散布する植物で、二つがセットになっている。落葉樹だから、この準備は1年前の夏ごろから始められたのでしょうね。秋までに、どんなふうに実が熟し、風で飛ばされるのか確かめていきたいものです。

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別の場所のイヌシデではどうなのだろう? 市川周辺で、数か所のイヌシデの幹の模様や芽吹きの状況を眺め歩きました。

植物図鑑には、イヌシデの側脈数は10~13などと解説してあります。でもタネからの発芽の頃とか、若い枝では、そんな準備ができないこともあるらしい。大町の少年自然の家の近くで、側脈数が少ないものも見つけました。幹の上部を切断された株で、想定外の状況で葉脈を全部作る準備が間に合わなかったのかな?(イラスト中央の下)。

もう1枚は、ツタウルシです。秋にはワインカラーにきれいに紅葉する! あれを栞にしたらどうなるかな?とずっと気にしていました。山では注意する危険植物の一つです。決して触らないようにと、注意することになっています。

でもそういわれると、かえって確かめたくなるのも人情。ウルシ科の植物、世界に70属600種ぐらいあったはず。ヌルデも、マンゴーやカシューもウルシ科だ。今まで、あまり近寄らないようにしていたけれど、ツタウルシは雌雄異株だ。どんな花が咲くのか気になり始める。

営林署OBの大先生にお伺いたてると、半袖でひどい状態に何回もなったけれど、かぶれて死んだ人はいないはずとのこと。ご親切に何本もの枝を切ってくれた!

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鄭重に持ち帰って、始めのうちはゴム手袋にピンセットで枝葉をつかみ、ケント紙に描き始めた。ケシ粒ほどのつぼみがついている枝もある。葉脈の流れはかなり細かい。次第にじれったくなって、今まで通りにルーペ片手に顔を近づけたり、葉の裏側を確かめたりすることに・・・。

20年ぐらい前か、親しくしていただいている皮膚科の教授と頻繁にお酒を飲んでいました。学会にも研究テーマの流行のようなものがあり、ラットなどを使ってコールタールなどでのガンの発生実験がはやった時もあった。最近は、「安心ホルモン」とか「不安毒素」などと、今までは考えられない言葉が使われたりしているとのこと。黙って通り過ぎれば被害はないのに、「ウルシがあるから気をつけて」といったとたんにかぶれる人もいるのだという。

半日ぐらい至近距離で絵を描いていたけれど、それほどひどくかゆくなることはなかった。ツタウルシの開花と、秋の紅葉が楽しくなってきた! 


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by midori-kai | 2017-06-16 07:07

6月は環境月間、つなげて考えましょうよ!   高 野 史 郎

 ついこの間、サクラが咲き木々の新芽が伸び始めたというのに、もう新緑から深緑へと季節は動く。枝先を見上げても、常緑樹と落葉樹の区別がつきにくくなった。カタクリが咲いた落葉樹の林も、今はもう、その上を葉が覆いつくして、束の間の春を賑わした妖精たちの存在も、記憶から薄れていきそうな気配。

5月20日ごろ、北上した桜前線の最終地点、北海道の根室あたりでチシマザクラが開花したはず。関東では、5月末頃から時ならぬ猛暑日が出現したというのに、その頃の北海道では、最低気温が10℃ぐらいだったのだから、日本列島が南北に長いのを実感しましょうよ。

ある企業で、仕事場とは違う話題を、自然の話をして欲しいと頼まれて、「生き物たちの生き残り作戦」というのをテーマにしたことがありました。

会社のエライ人たちが、配布した資料のテーマを見て笑い出してしまったのに、こっちのほうがビックリ。「植物なんて、暖かければ伸びるんで、作戦なんて大げさだ!」というわけです。

桜前線の主役は、ご存知のソメイヨシノです。個体差が殆どなく、同じDNAを持っていると考えられているからです。でも、沖縄では暖かすぎてソメイヨシノが育たない。北海道では、寒すぎてやっぱり育たない。南では、カンヒザクラが桜前線のモデルだし、東北から北海道ではオオヤマザクラが桜前線の指標なんです。

5年ほど前、クールスポットを実感しようと、温暖化問題の役員に人たちを大町の自然観察園へ案内するイベントがありました。ところが「このトンボ、なんていうの?」という質問から、つぎつぎとトンボの種類の説明会になってしまったことがありましたっけ。頭の中まで、それぞれが自分の縄張りでの縦割りになってしまった!

クールスポットの地図は、各地の自治体で作られる。でもそこへ行って、何をするのだろう?からその先までを考えないと、地図作りで完結したことになってしまう。冷房のきいた室内で考えていると、汗をかきながら現場まで出かけての体感とは、まったく違ったものになってしまうのでしょうね。

新年度がスタートしたこともあって、各地でいろいろな行事などが賑やかになっています。市川市では5月21日の日曜日、大町の少年自然の家で、「いちかわこども環境クラブ」の今年度の発足式がありました。こども環境クラブって何?という方も大勢いらっしゃるかもしれません。

3歳の幼児から高校生まで誰でも参加できる環境活動のクラブで、全国組織としては日本環境協会が全国事務局になっています。市川市でのスタートは、かなり早かったはず。20年ぐらいたつのかな?

発足式では、登録している団体に「アースレンジャー認定証」や「金・銀バッジ」の贈呈などの後、モウソウチクやモミジが茂る裏庭で、ネイチャーゲームの中西あつ子さんが中心になって、「木の葉のカルタとり」、「カモフラージュ」などで楽しみました。

高校の生物の先生だったら、3歳児たちと、こんなに明るく展開することは不可能だったでしょうね?! 学校の先生は、とかく上から目線で、解説する習慣が出てしまうものですから。

ネイチャーゲームは、知っているものから知らないものへの知識の流れではなく、自然からの楽しさを同じ目線で共有しましょうよというのが、スタート地点でした。

今年は、既に年間スケジュールを決めていたグループもあって、この日の参加団体は少なかったのですが、若いお母さん・お父さんに3歳児の参加など、いつもよりはずっと若返った感じの集まりになりました。

大切にしたいのは、子どもたちの感性をすんなりと実感して欲しいということでしょう。残念ながら、これとは違う方向が、ますます強まっていく世の中のようです。

いま、この活動にはいくつもの課題があります。以前は、こうしたグループには中学生・高校生などのつながりがあったけれど、最近は子どもたちも忙しい。外で遊ぶと危険だからと控える傾向も見られる。ガールスカウトなども、小学校5年生までが境目で、そこから先は思春期の親離れ世代に突入するし、塾やら部活も忙しさが増す。積極的に活動しているグループも、5年たつと参加する子どもがいなくなる! 

落花生栽培が盛んな千葉県南部のある学校で、年に数回、落花生栽培の授業をやっていました。毎年何人かの親から苦情が寄せられて、対応に困るという話を聞いたことがあります。「うちの娘は、農家になんか嫁にいかせないから、そんなことはやめて、音楽なり英語の時間に当てて欲しい」というのだそうです。あなたのご意見はいかが?

牛丼屋さんで食事する人の半数以上が、片手で「ながらスマホ」です。タマネギって、1年中食べられるのかな、どこで作っているんだろう、などと考える人がいたっていいはずなのに。

松戸の里山活動グループから「緑ネット通信№55」が送られてきましたので、市川みどり会の行事とも関係している部分を紹介させていただきましょう。

松戸市の里山グループは、いま17か所で活動しています。森林所有者との関わりなどは、市川市の場合とはかなり違った事情もあるのですが、松戸ではこの5月下旬には第6回のオープンフォレストが一斉に開催されました。日によっては、150人ほどが参加されて森の自然観察や紙芝居、竹馬遊び、ハンモック、ロープ遊びなどを毎年楽しんでいます。

このネット通信55号では、市川みどり会の行事でも濱野先生が紹介された横浜市の「みどり税」について、緑地保全の先行事例を尋ねての報告として掲載されています。

それによると、横浜みどりアップ計画に基づく樹林地保全のモデルケースとして、個人からは市民税の均等割りに年間900円を、法人には同じく9%を上乗せする課税方式がとられ、年間の税収規模は約24億円程度となり、これを積み立てて横浜みどり基金とし、樹林地を守る、農地を守る、緑を作る、の3本柱を構成しているとのこと。

この見学のあとでみんなが考えたことは、松戸市でもこうした考えを導入することができないかということだったようです。松戸市は人口規模で横浜市の8分の1、税収も緑政の事業費も桁違いだけれど参考になる部分はたくさんあるのではないか・・・? この原稿執筆は、深野靖明さんと高橋盛男さんです。

市川市内でも、多くの人たちがボランティアで里山活動しているのに、知らない市民が大半なのでは? それをどう伝えたらいいのでしょうか? 子どもたちにも、市川市内に残されている樹林地をもっと知ってほしい。林の中で、楽しく遊んで欲しいのに。

市川みどり会では、この7月4日(火)に山崎製パン企業年金会館で講師:奥村眞吾氏による「世界に稀な日本の相続税、その対策とは?」東京都市圏の緑地減少に歯止めをかける方策はあるか?と題して創立45周年の記念公演が開かれます。連続講座にしないととても整理できないくらい難題が山積していると、宇佐美会長の話です。

5月下旬に、今年も尾瀬の西側入り口に近い奥利根水源の森に行ってきました。標高1000m以上はまだ芽吹きの季節で、谷間には雪が残っていました。赤い新芽はモミジの仲間、きれいな緑色はたぶんブナ、まだ開いていない新芽はダケカンバか? 谷間の速い流れの向こうに、ムラサキヤシオツツジがシャクナゲに並んで咲いている。

群馬県の山奥、今年は春遅くなってからの積雪が多かったのだそうです。奈良俣ダムが、めずらしく満杯で下流に放流していました。山間部の水田では、いま田植えの季節でもあります。

このダムの完成は1991年、総貯水量は9000万m年数の経過と共に周囲からの土砂も溜まっていく。平均的な数字としては、1年に1万m位の土砂が底に堆積していくのだそうです。

その流出量は、植物がない裸地で300とすると、草地で15、森林で1の割合で少なくなるといわれている。水源涵養林の働きなんですね。階層構造が発達した森林では、大雨が降っても樹幹流となり、フワフワの土に浸み込み、地下水にもつながって、水流に時間差をつけてくれる。

6月は環境月間。各地で環境フェアが開催されます。温暖化対策とクールスポット、話題はたくさんあります。市街地のみどりの役割なども、つなげて考えていきたいですね。




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by midori-kai | 2017-06-16 06:57

第78回5月(皐月)マメナシ、、とマンホ-ルの蓋

市川駅の南口ロータリーと、大洲防災公園にマメナシが植えてあって、4月10日頃が花盛りだったが、気がついている人は少ないのでは?

市川駅前の方は、バスやタクシーがぐるっと回るロータリーの真ん中の緑地帯に植えてある。注意しないと見落としてしまう場所。大洲では西側のバラなどが植えてある場所に。マメナシの高さは、両方とも4mぐらいで幹が真っ直ぐに伸びていて、棚仕立てのナシ園の樹形とは全然違う。

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野生種のナシは、世界に25種ほどあるという。栽培されているナシの先祖とされているのは、ヤマナシといわれているもので、果実の直径はせいぜい2~5cmぐらい。

市内2か所に植えられているこのナシは、どのようないきさつで植えられたものなのだろう? それが栽培ナシの原種とされるヤマナシではなくて、マメナシなのはどうして? 

市役所の担当課にお伺いしてみました。どうやら市長さんが「市川市の名産はナシなのだから、観賞用のナシを見つけて植えなさい」とかで、3年ぐらい前に指示があってのことだったらしい。どこから仕入れ、どのくらいの大きさの苗を植えたのか、イマイチよく判らない。ヤマナシの葉の鋸歯が尖っているのに対し、マメナシの葉は細かい丸い鋸歯。

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説明の看板には、両方とも「クロロとバララ」のイラストが付いていて、市川市市制施行80周年の記念植樹らしい。市制施行は昭和9年だったかな? 

このナシ、自家受粉で実がなるのだろうか? はるか大町のナシ街道から花粉が運ばれてくることはなさそうだし、いずれその後の経過を確かめに行かなくては!

ニホンナシの他に、栽培種のナシとしてはセイヨウナシとチュウゴクナシがある。水木洋子邸にはチュウゴクナシの鴨梨(ヤーリー)が植えてあり。今年は4月9日に人工授粉された。

セイヨウナシは、市川市内のどこかで栽培されているのかな? 船橋のアンデルセン公園には、奥の風車の近くに「ラ・フランス」が何本も植えてある。花の絵を描こうと思って、枝をほしいと申し出たけれど、持ち出しは厳禁ですと断られてしまった!

話題その2は、マンホールの蓋のこと。

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各地のマンホールの写真を撮って、その本も出版されているとかの話は聞いていたが、カード集めのマニアが大勢いるとは、知らなかった! 

4月4日、市川駅北口の観光・物産案内所で、10時からカード2000枚が用意されて配布された。どのくらい人が並ぶのだろうと興味津々! でも、当日に行列を作って受け取った人は700人ぐらいだったらしい。蓋のデザインは、これも「クロロとバララ」が色つきなのだが、この実物がマンホールに使われているのは数個所だけのようだ。

当日は、下水担当のスタッフが何人か来て、下水道についてのアンケートに記入した人に配布したとのこと。案内所の係りの人たちは、新聞に記事が載ったのでイベントがあることを知らされたらしい。

その後にも案内所にはカードを欲しがる人が来て、市川市の下水道普及率などを質問されたりもするが、資料などは何もないのだからとぼやく。

クロマツに熱心な人たちは、こうした機会に「市川市の木・クロマツ」のことに関心を持ってもらう絶好のチャンスなのにと残念がる。

どうも先のことまで考えない、横のつながりがうまく行かない傾向があるんですねえ! このマンホールの実物と説明、どこか人目にたつ所に展示して、広く市民に知らせて関心を深めるようにすればいいのに! 


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by midori-kai | 2017-05-29 07:29

新緑の散歩・あちこち     高 野 史 郎

もう桜前線の話題はすっかり忘却のかなたへ去って、新緑が素晴らしい季節になっている。この春もまた、気温の乱高下がひどかった。

暖かい日が続いた3月には、今年の桜の開花は例年よりも早いのかなと思い、寒い日が続くとかなり遅れそうだと思う。生き物たちが頼りにするのは、日照時間なのか、積算温度なのだろうか?

ここ数年、ナシの開花が早まる傾向があったような気がする。3月20日頃に新高が咲き始める年があって、あちこちを自転車で走りまわって比較したりした。宇佐美さんの話では、こんなに遅い開花は、20年ぶりだったとか。4月10日頃には各品種が次々と開花して、ナシ農家の皆さんは、忙しい思いをしたのではなかろうか?

◆大町会館前のサクラの花

大町会館の前には、昨年の2月18日に植えた桜の2品種、会館入口前の「アマノガワ」と奥の「ボンボリ」を今年は3回見に行って、植えてから1年間の成長ぶりを観察した。

アマノガワは、20本ほどの細い幹が株立ちになっているユニークな品種。地際から葉が茂っていて、花が次々と咲く。開花期間はかなり長い。ラベルの品種名にはErecta(直立した)の文字が見られる。

奥のボンボリは、地上から1.5mほどのところから3本に枝分かれして、見上げるような高さに花が咲く。花はアマノガワよりも早く、4月20日頃には終わった。

花びらの枚数はどちらも14枚前後、高さはどちらも同じで約3.5m。広場の南側にはソメイヨシノが並んでいる。つまりここだけで、3品種のサクラが見られるわけで、それぞれがまったく違う樹形を見せているのが面白い。葉の形も品種によってかなり違う。

これから先の1年間で、どのくらいの成長を見せるのか? 冬芽の位置・芽鱗痕を探して、サクラの四季の変化を追いかけてみよう! 花が咲き終わってからの移り変りも楽しみたいもの。

ナシ街道からは外れるが、少年自然の家へ向かう細い道も楽しい。ツバキはそろそろおしまいになるが、ケヤキやイヌシデのかなりの大木もあり、芽吹いている。ヤマブキ、シロヤマブキ、ホウチャクソウ、サルトリイバラなどが咲いていた。

このコース、石井信義先生に案内していただいた頃を思い出す。サンコウチョウは、いまもこの辺りにいるのだろうか?

◆新緑の新宿御苑

毎年4月29日の祝日は、新宿御苑が無料で一般開放される。自然保護協会のネイチュアフーリング(障害者といっしょの自然観察会)も実施され150人ほどが集まって賑わった。当日は視覚障害の人のグループのお手伝い。もう20年以上の恒例行事となっている。

ここでは、リーダーが解説してしまうことはなるべく避けて、実物を触りながら確かめて、感じ取ってもらう方法を徹底させている。自然は、さまざまな感覚で受信できる情報に満ち溢れている。林の中にモグラの散歩道を見つけた。そっと穴の太さからモグラの行動を考える。

名物になっている大きなヒマラヤスギがある。真ん中の太い幹のところに立つと、日当たりの悪い枝が枯れていることも、新芽が空に向かって伸びていることも判る。イチョウの幹になんと、ヤモリを見つけた! サクラの葉っぱの蜜腺を舌先でなめてみたら、ちょっぴり甘かった。葉っぱをよーくもんで匂いをかぐと、杏仁豆腐の香りがした、などなど。

20年ぐらい前、市川駅から里見公園まで、車イスの人たちの集団を案内したことがある。道路のわずかな段差や、排水のためのわずかな道路上のカーブが、車イスの直進を妨げることも体験してもらった。バリアフリーからユニバーサルデザインへ。お互いに、いつかは自分が、その立場になるのかも知れないのだから。

◆真間川を南下して河口の水門まで

昨年から、ネイチャーゲームのスタッフが、市川市内の水の流れを追いかける連続の観察会をしているのをお手伝いしている。

4月末には、コルトンプラザから真間川に沿って南下し、途中で原木山妙行寺などに寄ってから、原木公園近くの真間川水門に出た。まちなか根本水門の一方に、この水門があることを知っている人って少ないようだ。

まちなかを流れる川が、どこから始まり終点がどこなのか、残念ながら知らない人が多い。なんとなく、遠い山奥の最初の1滴から市街地までつながっていると信じている人もいる。

市川市の川は、殆どが北から南へ流れているが、船橋では北半分は印旛沼水系につながる。鎌ヶ谷市はもっと複雑で、3方向に流れる。その一つが大柏川へ。

原木公園近くの護岸の石垣では、今はここだけにかすかに残っているハマヒルガオを見ることができた。ここにクロマツは、芯を止めて横に枝が広がるようにしているらしい。雌花と雄花を確認する。

ゴールはクリーンスパのすぐ南の「江戸川から何キロ」の国交省の道路元標?を確認した。ここは東京湾の最奥部で、太平洋を見渡す眺めとなる。ここから川沿いに北上すれば、里見公園から矢切の渡しにつながっているわけである。

土手の上で、若奥さんらしき人がニコニコしていたので話をする。「1時間ぐらいでこんなに貝がとれました。すごく楽しかった。今晩はお酒を飲みます。すっごく幸せな気分です!」と。ホンビノスやマテガイがバケツの中に入っていた。

市川の雑木林でも、こういう人がもっと大勢現れてくれるようになればいい!




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by midori-kai | 2017-05-29 07:03

第77回4月(卯月)ショカツサイとアセビ


春一番に咲いた、ショカッサイとアセビの花を紹介しましょう。
ショカッサイは漢字で書けば諸葛菜。
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ハナダイコンとかムラサキハナナ、シキンサイ(紫金菜)などと別名も多い。
菜の花やレンギョウなど、黄色の花が多い野草の仲間の中で、これは貴重な紫色です。しげしげと葉っぱを見ると、茎や葉裏がかなり紫がかっている。微妙なグラデーションなんですが、これって、本人にとっては、どんなメリットがあるのでしょうか?
アブラナ科だから、花の基本数は4です。オシベは菜の花と同じように4本が長く2本が短い。中国原産なんですが、こぼれタネで毎年咲くし、もうすっかり日本生まれみたいな顔をしています。

もう一つは、アセビの花。
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雪の中で咲いたりして、寒さを感じないようす。花の中を覗いたことありますか? 小さなナイフとルーペ持参で、この花の一つを取り、開いて見学させてもらいましょう!
下向きに咲くので、蜜が流れ落ちないように、花の底には白い産毛みたいのが密生しています。オシベには二つの角がついていて、中に虫が入れば揺れて、花粉がカラダに付く仕組みです。自然のなせる業、こんなに細かい花にまでいろんな構造を考えているのは驚きです!
アセビは有毒植物って、ご存知ですね。漢字では馬酔木。薬用植物園の園長さんの解説では、「野生の動物は決してアセビを食べないのに、飼いならされて家畜になった馬は、うっかり食べて腰を抜かしてしまう。馬と鹿と、どっちが馬鹿だか判らない!」とのこと。(ごめんなさい、これって差別用語ですね)。
レンゲツツジも有毒です。乳牛が放牧され、レンゲツツジが咲く美ヶ原の風景が成り立つのも、牛が別の草木は食べてくれるからです。伊勢神宮の鹿も、アセビだけを残してくれています!
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by midori-kai | 2017-04-06 06:24

春です! さくら・クロマツ・こどもエコクラブ  高 野 史 郎

3月が終わって、4月になりました。みんなつながっているのだから、年度末だからってすべてが切り替わるわけではないのに、人間社会では大変な様変わりをする4月です。誰かがどこかへ。どこからか誰かが・・・。
自然界は、やっぱり春たけなわです。野草の開花状態や分布を確かめたくて、ここ2か月ほど、あちこちの道端や林の中を歩き回りました。終戦直後の時代の「モク拾い」みたいに、地面の隅ばっかり見て歩き続けたのです。
ハルジオンの開花は、自宅近くで2月14日に1株だけ見つけました。ショカッサイ(ムラサキダイコン)は、3月8日に幕張で開花を見つけた!

《 市川のサクラ事情 》
この1か月の、自然界の移り変りは「ものすごい」のひとことです。東京でのソメイヨシノ開花は、
靖国神社の標準木のニュースがマスコミに流れました。全国で一番早い開花だったとか。
それがいわばフライングで、例外的な早咲きだったのかも、と注釈がつき始めた。自然界には標準とか、確かな平均値なんてなくて、みんな違うのが当たり前なのに。
市川周辺での桜の開花は、ここ20年ぐらいの間に、何と物好きにも、500回から1000回ぐらいをくまなく走り回っていました。真間山弘法寺の伏姫桜は、毎年3月中旬に咲き始める。2012年は3月26日頃でした。カワヅザクラは年によって1か月ぐらいの開花の開きがあります。早かったのは2009年の2月1日、遅かったのは2012年の2月28日。春先は、気候が乱上下するからなのでしょうね。
桜の開花を記録するために、市川でも標準木をきめようよと、15年ぐらい前に岡崎清孝さんと相談したことがありました。でも、どの場所の、どの木にするかで、結局決めずじまいになってしまったのでした。
今春の2月22日、市川クロマツ会のバス研修で、川越へ行くのに便乗させていただきました。運よく大柏川沿いを通過したのです。進行右側に見えるJA市川市本店前のソメイヨシノには、毎年目をつけている早い開花の株があります。当日は、まだ全く開花しそうもない雰囲気でした。
この川沿いも、下流と上流地域とでは、1週間ほどの開花のずれが毎年あります。気象条件なのか、桜の木の個別の事情なのでしょうか?

《 クロマツ会の川越見物 》
20年ぶりで見物した川越の街は、平日だったのに観光客であふれていました。外人も多い。和服姿のお嬢さんが目立ったのは、着替えさせてくれるレンタルのお店もあるためだとか。電柱が地下に埋められたのは、名物の山車が8mの高さで、邪魔になるからとのこと。
スタッフの方が、地元のシルバー人材センターの方などに連絡しておいてくれたので、万事手際よく貴重なお話を聞くことができました。
福岡河岸記念館では、何と3階建ての木造建築があったのです。通し柱です。この木材、どこの林から運ばれてきたのでしょうか。この3階の両側から、筑波山と富士山の両方を見ることが出来たのだそうです。昭和初期の水運の写真には、「ノッツケが曳く荷船」のキャプションがついていました。
ロシア民謡のボルガの舟歌では、河岸を「エイコーラ!」とロープで船を曳いていたらしい。作業の邪魔になるような草木が生えないほどの寒い環境だったのだろうかと、ずっと気にしていました。この川越あたり、当時はどんな水辺の環境だったのでしょうか?
寛永15年(1638)の川越の大火で焼失した仙波東照宮や喜多院の再建資材を、江戸から新河岸川で運んだのが舟運の始まりだったのだそうです。
いくつかのお寺や、駄菓子屋横丁なども懐かしく見物しました。それにつけても市川との共通項と相違点を、ついつい並べだして考え込んでしまうのです。
川越では、季節には関係なく1年中観光客で賑わっているらしい。はて、市川では何が観光資源として活用できる? 点ではなく線で、面で、未来に向けてつなげていくことをなんとか考えていきたいものですね。
自然環境についても、同じことが言えると思うのですが、いかが? 市川には、川も海も、林もナシ畑もある。大学だって3つもある、と自慢しているのですから。

《 八幡あたりの様変わり 》
総武線沿いの風景も、ここ数年でずいぶん変わりました。市役所前の八幡の薮知らず、黄門様も藪の中で道に迷ったとかの伝説がありますが、竹薮の周辺が伐採されて明るくなりました。タタリはなかったのですね。
歩道の真ん中に残されていたムクノキが枝を整理されたのは、枯れ枝が落ちて交通妨害になるのを未然に防ぐためかな? こういう時、それなりの説明があったりすると、市民の地元への関心も深まるチャンスだと思うのに、お役所って、こういうのが全く苦手のようなのが残念!
市民会館が完成オープンしました。駐車場の近くには、地元産のクロマツのタネから育てられた苗が植えられました。ちょっと狭い場所なのが気がかりだけれど、すくすくと育ってほしいものです。
この場所にも、地蔵山墓地でも、戦時中に松根油や松脂をとるための傷跡が幹に残されています。70年前にも、かなりの太さがあるクロマツの林だったのでしょう。
真間山弘法寺の鐘楼の辺りは、15年前はシュロが茂っていた。本来は南国生まれのシュロの仲間、市川の風景にふさわしいのかどうか、専門家でも意見が分かれた植物のようでした。なくなってすっきりしたような、ちょっと淋しくなったような。
真間山幼稚園北側のコブシの大木、10年前は3月の満開が素晴らしかったのに、数年前から元気がなくなって、この春、枯れこんだ枝を切られて、幹だけになってしまったのがとっても残念です。
伏姫桜の方は、東側にバトンタッチ?されたシダレザクラが、次の世代に引き継がれたようですが、本家の方は加齢のなせる衰えか、淋しいですねえ。
ところで、市民会館前の植栽の「斑入りヤブラン」に新しいラベルがついていました。「クサスギカズラ科(旧ユリ科)」となっているのに気がついた人、いらっしゃるかな? 
ユリ科の植物、世界に288属・約5000種という大所帯でした。多様なグループが雑居状態だったので、新しいAPG分類で解体され、いくつかの新しい科が登場しました。
クサスギカズラというのは、アスパラガスの仲間です。アスパラガス科としたほうがわかりやすかったかな? イヌサフラン科、サルトリイバラ科も、かつてのユリ科から独立していますよ。

《 こどもエコクラブ全国フェスティバル2017 》  
昨年に続き、今年も早稲田大学の西早稲田キャンバスで、3月19日にこどもエコクラブ全国フェスティバル2017が開催されました。集まったのは、各県代表のこどもエコクラブのグループなどです。子どもの参加が299名、保護者などとあわせて総勢が650名と賑やかでした。
これは、環境省の事業として1995年から始まり、地方自治体や企業の協賛を得て今までに延べ220万人以上が登録し環境活動をやっているという大掛かりなものです。2011年からは、全国事務局の仕事をしてきた日本環境協会が担当するようになり、今年度も約2000クラブの子どもたちが活動しているんです。今回も沖縄から小学生たちがやってきました。
殆どが初対面の子どもたちだし、大勢の前での発表には慣れていない子どもがほとんど。司会進行の子どもたちだって、ずいぶんと練習したんでしょうね。
展示された壁新聞の前で、しゃべることを全部暗記していて余裕がある子もいれば、聞き取れないような小さな声の子どももいます。
配布された資料には、丁寧にルビがふられている。こういうのって、作るほうはものすごい手数で、シンソコ疲れ果てるんですよ!
受付開始が9時半、オープニングからアイスブレイク、活動発表と午後4時まで、次々とプログラムが進行します。来賓挨拶や協賛企業の紹介などもありました。クロージングセレモニーでは、「がんばれ熊本・大分!エール交換」でした。
子どもたちが、被災経験を語ってくれました。「身にしみて感じたのは、人の温かさ、水の大切さ、3度もご飯を食べられることの幸せでした!」。
この会の運営には、早稲田の学生さん、エコクラブのOB・OGを中心としたオールジャパン・ユース・エコクラブの皆さんなど、大変な人数のスタッフの協力によって進行されているんです。
いただいた資料は全部で50ページぐらいになるのかな? これに協賛企業のカタログなどがぎっしり。忘れっぽくなっているので、なるべくその日に、遅くても3日以内に目を通すよう習慣つけているつもり。
いつものことながら、こどもエコクラブに直接関係ない人、特に行政で決裁権を持つエライ人たちが参加すればいいのに、と思うことしきり。脳トレに、ピッタンコなのになァ!
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by midori-kai | 2017-04-06 06:17

【ご案内】植物と昆虫の不思議な世界 高野史郎&水上みさき

【高野史郎のスケッチ画と水上みさきの写真の融合】
ダイヤモンド八ヶ岳美術館ソサエティ 
平成29年 4月8日(土)~11月19日(日)
第一部4月8日(土)~9月 7日(木)春から夏の植物と昆虫
第二部9月9日(土)~11月19日(日)秋から冬の植物と昆虫
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by midori-kai | 2017-03-09 21:27

第76回3月(弥生)菜の花とエノキ

 2月末に、春を探しに南房総の鴨川に出かけた。駅のすぐ先から道路沿いには見事なクロマツの海岸防風林が続き、波の音が聞こえてくる。恐ろしく風が強くて、防風林がなかったら絶えず飛んでくる砂に、街中が砂だらけになってしまうだろう。
砂浜は狭く、海浜植物は殆ど育っていなかった。クロマツ林の中の日当たりに、ハマダイコンが紛れ込んで薄紫の花を咲かせているのがほほ笑ましい感じ。ホトケノザが、小さな紫の花を咲かせているのをルーペで眺める。よくもまあ、こんなに小さな構造を自然が作り出したものと感心する。
菜の花畑は、はじめに咲いた花を出荷したあとなのか、脇芽が育って花盛り。「食べられます。ご自由にお持ち帰りください」の立て札があった場所で写真を撮ったりした。
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菜の花の種名が、実はややこしい。この仲間・Brassica属、自然雑種が多いのに加えて、野菜の種類もまたものすごく多彩。理科の教科書には、しばしば「アブラナ」として紹介されるのだが、今は菜種油の需要は少なくなったし、アブラナはまず見かけない。搾油用には、日本のアブラナ(タネは茶色)からセイヨウアブラナ(タネは黒い)に替わってからの歴史も長い。
大柏川の川沿いなどに、ソメイヨシノの開花に続いて咲くのはセイヨウカラシナだし、食用として売り出される若いツボミの菜の花は、チリメンハクサイから選抜されたものといわれる。野生種ではないから、図鑑で「菜の花」を探しても出てこない。そもそも、「菜の花」は植物名ではない。
アブラナ科植物の共通項は花びら4枚、オシベは長いのが4本で短いのが2本、四強雄蕊と呼ばれる。キャベツ畑とともに、菜の花が咲くところは、モンシロチョウがよく飛んでいる。
虫媒花には、虫を呼ぶ仕掛けがいろいろとある。昆虫類はヒトの可視光線とは波長が違って、紫外線側が見えるとされている。だから、紫外線が見える装置で見ると、真ん中が黒く見える。昆虫たちは、こうした自然の仕掛けに反応して、蜜をなめに集まってくるのだという。(菜の花のイラストの右上)。
アブラナの仲間は、葉柄が目立たないで、茎に巻きついている。カラシナの仲間は、葉柄がはっきりしているし、葉っぱをかじれば辛い!
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上のイラストは、落葉樹のエノキ。新芽が出るのは、ソメイヨシノの開花と同じ頃か、それより遅いか。
エノキの花は、新芽の中に埋もれるように小さく咲くので目立たない。
国蝶になっているオオムラサキは、エノキのすぐ下の落ち葉の中で幼虫が越冬する。夏休みの頃、カブトムシを探しにクヌギの幹を探し当てると、何種類もの昆虫が集まっているのにめぐりあえた! 運がよければ、この中にオオムラサキを見つけるかもしれない。でも最近は、クヌギの木も少なくなったし、今でもオオムラサキは、市川市内に安住しているのだろうか?
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by midori-kai | 2017-03-09 08:04
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
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