第81回(葉月) 湿地に生える タコノアシ

b0199122_07195456.jpg

 タコノアシ


この植物の名前を知っている方は、かなり多いと思われますが、現地で花の追跡調査された方は? 見るからに変な花で、見ていて飽きない! 花弁がない。咲き始めたころは渦巻みたいに丸まっているのに、やがて傘の骨のように広がり、天を目指して放射状に伸びる!

 花の形が、タコの吸盤に似ているのが和名の由来というけれど、足が細いからタコよりはゲソみたい。

なんで「イカノアシ」にしなかったんだろう?と、ずっと思っています。

 図鑑によって、ユキノシタ科に区分されているものと、ベンケイソウ科にいれられている場合とがある。ベンケイソウ科にしては、多肉質ではないし、蜜腺がない。昆虫は寄って来るのでしょうか?

 市川市での記録では、行徳橋西側の河原と、国府台に分布するとされています。湿地や休耕田などで見られます。

セダム(キリンソウ属sedum)は乾燥に強いし、丈が高くならないから、屋上緑化などにも使われますが、この点でも湿地が好きなタコノアシは、他のベンケイソウ仲間とは生態的に違っています。

 タコノアシは絶滅状態に近い地域もあるのです。これは生育に適した環境が護岸に固められてしまうなどの、つらい状況によるものでしょう。果実は乾燥すると上の部分が裂けて、帽子のように落ちて種子散布を助けるのもユニークです。

イラストのモデルになったタコノアシ、現場から2株の先端を30㎝ほど頂いて持ち帰り、何日もしげしげと眺め続けていました。10日経ってコップから引き上げてビックリ! なんと、葉の付け根から何本も発根していたのです。切り取られたという刺激で植物ホルモンの流れが変わった? コップの中という環境の変化からの、驚異的にすばやい植物の反応です。結果として、挿木したのと同じことに。

気がかりなこともあります。行き止まりになってしまった旧坂川に、不思議な水草が茂りだしたのは、2001年頃だった。いま、フジバカマの里となっている場所のすぐ西側の旧坂川です。県立中央博物館の大場達之先生が、仮の名として「オニタカサブロウ」と命名された草があります。

だいぶたってから、実は観賞用水草として輸入されたらしく、既にミズヒマワリという種名が付けられているのが分かった。水槽で増えすぎたものを捨てて、それが流れ流れて川に行き着き、大繁殖する結果となってしまったらしい。これは後に、国交省の人が何人も胴長を着て川に入り、外来種駆除に大変な苦労されたのでした。

里見公園から江戸川に下る急な階段のところは、花壇から逸出した「ノハカタカラクサ」がびっしりと茂っている。増えすぎた園芸植物の自然環境の中への移動は、絶対にやめて欲しいもの。

 セダムの仲間、海岸の岩場には、タイトゴメなどがあります。外国生まれの種類も多く、ツルマンネングサは、三番瀬のコンクリート護岸の割れ目などにも並んで茂っています。


[PR]

by midori-kai | 2017-08-22 07:22
line

市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


by midori-kai
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31