各地の環境フェアのぞき見、みどり会の45周年記念講演   高 野 史 郎

環境月間の6月は、各地の環境フェアをハシゴして歩き回った。もう15年以上続けているので、時代の移り変りや、テーマの扱い方の違いがよく判って、興味しんしん。

かつては2日間連続の開催もあったのに、最近は1日だけの開催となったのが、ちょっと残念な気もする。6月はそろそろ梅雨の始まりの季節だから、雨の心配もある。だから荒天中止となってしまってはあまりに残念、神頼みということになる。

◆市川周辺各地の環境フェアをハシゴする!

今年は、「いちかわ環境・防災フェア2017エコでつながる!いちかわKIDSのスマート体験!~のタイトルで、64日に開催された。場所は、環境会場が去年と同じニッケコルトンプラザ、防災会場が道の向こう側の現代産業科学館と二つに分かれた。

当日、こどもエコクラブのテントをちょっとだけお手伝いしながら、あちこちを回るチャンスがあったが、持ち場を担当したスタッフは、別のところを全く見ることができないのが残念だし、申し訳ない気分になる。

防災会場のほうには、降雨体験車があって、レインコートを着た子どもたちが列を作っていた。自衛隊の人たちが何やら集まっているのでギョッとしたが、被災地での活動紹介だったらしい。防災のテーマは初めての試みだったから、関係団体への呼びかけや連絡調整に大変なエネルギーを必要としたことだろう。ご苦労様なこと。

環境会場のほうでは、ご当地アイドル「市川乙女」という人たちのライブがあったらしい。ウルトラマンの握手会にも行列ができていた。もっとダイナミックな大型巨人が登場するのかと思ったら、等身大のウルトラだった!

市民グループの活動展示などは、コルトンの一番奥、コルトンホールで去年同様に開催された。これって、ご常連にはわかっていることだが、店内を突き抜けた先に会場があるのを知らない人も多いことだろう。初めてここに来た人のための、単純明快な総合案内所が欲しいところである。

これって、実は担当者はそれどころではなくて、難しいことなのだ。 全部終わってから、あれ! 会場の記録写真を撮っていなかったね、となりがち。 後片付けが終わって、ホッとしてからの記念写真だけが、後に伝えられる唯一の記録だったりしやすいもののようだ)。

船橋の環境フェアは、610日に第20回として中央公民館で開催された。この場所、実は極めて使いにくい。1階がホールになっている関係で、事務室が3階にある。各階の部屋は独立していて廊下からは二重の扉を開けて入りことになるから、全体を展望し難いつくりとなっている。

出店団体のリストでは、館前広場から4階・5階・6階とあわせて63の出店団体が並んでいる。ご常連の体験・工作コーナーに親子ずれが集まっているのがここの特徴か。

11日の日曜日午後には、6階の講堂で生物多様性のシンポジウムが開かれた。前半は、東大などの専門家による「生物多様性とは何か?」などの講演。休憩をはさんでの後半は、船橋地区の事例発表が3つ。そしてパネルディスカッション。

船橋の多様性戦略のキャッチフレーズは「台地から海へ 水・緑・生命と共に暮す都市」となっている。集まったのは200人くらいか。顔なじみのご常連が多かった。

船橋市では、71日に三番瀬環境学習館がオープンしたので、ワクワクしながら曇空の天気の中を出かけた。ここは、3.11の被害で使用不可能になった市民プール跡に7億円かの予算を投じて作られた建物。学ぶ・知る・考えるための学習館である。

綱を引っ張ると漁船が波にゆられて動き出したり、アイウエオ順の引き出しが三番瀬がらみの生き物を紹介したりと、お子様向けの楽しそうな仕掛けをたくさん作っていた。

外には、芝生の起伏が作られていて、オープニングセレモニーでは中学生のかわいい演奏会が開かれていた。

そして25日には、浦安市の第20回環境フェアが、JR新浦安駅前広場で開催された。特別講演は気象予報士の平井信行さん。千葉県のお天気から冬日がなくなって、真夏日が増えていることなど、クイズを交えての楽しいお話。折からの小雨で、傘をさしながらの見物客多数。

浦安の大きな特徴の一つは、東海大付属高校のサイエンスクラスなど、若い生徒さんが多数参加していること。いまどこの市民グループも、少子高齢化が進んでいる。昔も今も、働き盛りの世代は公私共に忙しくて、とても地域の活動には参加しにくい現実がある。

◆創立45周年の記念講演会

74日には、市川駅北口に近い山崎製パン年金基金会館の3階で、役員会・総会に引き続き、市川みどり会の創立45周年記念として、奥村眞吾氏による「世界に稀な日本の相続税、その対策とは」の講演会が開かれた。サブタイトルは「東京都市圏の緑地減少に歯止めをかける方策はあるか?」である。

びっちり2時間、多くのデーターを黒板にすらすらと書きながら、諸外国と日本の税制の違いを解説された。お話を理解しながら、要領よくメモをとるのは至難の業だ。

日本で相続税にかかわる財産を残した人の数は、毎年6万人ほどらしいが、年々増加しやがて20万人ぐらいになるという。この人たちの残した遺産の中身を見ると、土地が約41%、預金などが約27%、株が約15%となっている。遺産は、所得税や住民税を払い続けながら蓄えた財産なのに、そうして蓄えた財産に今度は相続税が襲ってくる・・・。

実はこの問題が、市川みどり会を始め、森林所有者の共通の課題で、市川みどり会のキャッチフレーズが「次の世代と樹を育てよう」となっている理由でもある。

何世代も前の先祖から残されてきた樹林地も、相続の時には全く評価の対象にならないばかりか、すべてを取り払って裸地にされてしまう。そこから税金が差し引かれ、残った金額から相続人の数に応じて分割される仕組みとなるらしい。

こうした事情、多くの市民に知ってもらう機会を折りにふれて開催して発信していかないと、樹林地が次の世代に残されてはいかないという訳である。

市街地の占める面積が多い市川市で、地価が高く相続税の関係もあって市内の平地林は殆ど消滅してしまった。わずかに残されているのは、管理が困難な斜面林で、それも落ち葉や日照問題で新住民からの苦情が絶えない現実がある。

7月早々に九州地方を襲った集中豪雨は、今までの記録になかったほどの降水量を記録してしまった。堤防などの設計基準は、確か時間雨量で30㎜を想定していたはず。いまはそれをはるかに超えた豪雨が市街地を襲う。

森林のフワフワな土は、土壌間隙が30%ぐらいはあるだろう。柔らかい土の厚さの3分の1は、空気の隙間で、そこが大雨の時の水を蓄え、時間差を付けてくれる作用が、『緑のダム』といわれる理由でもある。自然の時間は、人の暮らしの時間なんかよりも、圧倒的に長い。思い込みの範囲から外れている「想定外」は、ごく当たり前のことなのに。

北国分の緑地で、落ち葉の堆積の中に枯れ枝を差し込んだら、すんなりと20㎝も入ってしまったことにビックリしたことがあった。樹木の名前を知るだけでなく、そんな樹林地の効能も実感して欲しいと思うことしきり。北国分の団地自治会で、何とかうまくまとめて欲しいと、講座を依頼されたことがあった。

団地の1階の人は、あの木が日陰になって冬に布団が干せないから邪魔だという。5階の居住者は、あの木の花や新緑が季節を知らせてくれて幸せなんだという。「農家が殺虫剤を散布するのは困る、いまは科学が進んでいる時代なんだから、悪い虫だけを殺して、赤ちゃんの洗濯物に安全な薬を教えて欲しい」といわれ、途方にくれる。いいことが7割ぐらいあれば、嫌なことが2~3割あるのはごく当たり前のことなのに。

書き始めるときりがない。まだ一度も出かけたことのなかった人は、来年はぜひ。こうした会場では、気おくれして素通りしてしまわないで、関心のあるところではスタッフの人に話しかけて、話題を共有して欲しい。そしてその感想を楽しくまわりの友達に伝えていただきたい!

ひと昔前の梅雨の季節は、薄暗い天気で、幾日もしとしとと「こぬか雨」が降り続いたものだったのだが・・・。ところで、今年の夏も猛暑なんでしょうか? 適度に、程よく雨が降って、大地をうるおして欲しいと願うばかり!




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by midori-kai | 2017-07-19 07:20
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市川市の山林所有者が集まり、自然景観【里山緑地】を守る会です。地球温暖化や樹林地とのつながりを考えています。


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